「魔岩伝説」 荒山 徹(著) 祥伝社
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読み終わった時、本から目をあげて周囲を見る。
「あれ?ここどこ?」
あまりにいつもの日常風景が目に入ると、違和感を感じ、戻ってくるのに時間がかかる。
この小説は、実に心地よくそんな現実逃避を味わうことができました。
時代は江戸中期〜末期。主人公遠山景元は、「朝鮮通信使」に係る謎のために極秘裏に朝鮮半島へ赴く。
「朝鮮通信使」とは足利義満から始まり、秀吉の朝鮮出兵で一度は絶たれたが、徳川家康により復活した外交団。
鎖国政策を敷く江戸時代には形骸化されただけにもかかわらず、実は費用の大部分が日本側で賄われ、
使節団は大接待を受けて迎えられていたのには大きな理由があった。・・・というのが話の導入部分。
日本から最も近い朝鮮半島と切っても切れない昔からのつながりが、壮大なスケールの謎となって展開される。
主人公の運命を変えるヒロイン金春香(キムチュニャン)、敵役の柳生卍兵衛をはじめとして朝鮮の忍者が入り乱れ、
冒険あり、活劇あり、当然ロマンスありと、エンターテイメントの楽しさが満載。
なんといっても奇想天外な物語の波にのる快さ。
これですね。
(09/07/2003)
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