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 ”映画愛”なんてセリフをしゃあしゃあと口に出せる奴は絶対に信用しない。ぼくにとって、映画は愛するものなんかじゃない。それはどす黒く、濁って中が見えない淀みだ。つつくと何が出てくるかわからないけれど、でも手を伸ばさずにはいられない暗闇だ。見たくもないのに目をそらせないもの、好きでもないのにやめられない麻薬だ。それは人生の一部、人生のかけらだ。精液と小便をまきちらすぼくのちんぽこみたいなものだ。誰がちんぽこを愛するものか。でも、愛そうと愛すまいと、ちんぽこはいつもくっついてくるのだ。
(柳下毅一郎「愛は死より冷たい 映画嫌いのための映画の本」 洋泉社)

 
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