1章 始まり
一定のリズムで打ち寄せる波の音で、俺は目を覚ました。横には2人の少年が横たわっている。
「ああ、助かったのか・・・」
しかし、俺にはここがどこか、そして今が何時なのかもわからなかった。(畜生、塩水で時計もいかれてやがる。)
右隣のやつが目を覚ました。
「椿!?」
俺の名を叫ぶと、そいつはあたりを見回し始めた。
「そうか、俺たち・・・。ほ、他のやつらは?」
「こいつだけだ。あとはわかんねー。」
そんな事をしていたら、左隣のやつも目を覚ました。
「うう・・ううん。えっ、砂!?あっ、椿くん!二階堂くん!」
自分の状況が把握できてないのだろう、不安な顔をしている。(こいつはいつもか。)
「よう、シブ。助かったみたいだぜ。俺らはな。」
俺、椿速人(つばきはやと)、そして二階堂潤(にかいどうじゅん)、渋谷国光(しぶやくにみつ)。3人が直面していることを理解するために、俺は過去をまさぐってみた。
そう、確かに目を覚ます前は、俺たちは船の中にいた。うちの中学は、修学旅行は船で行くのがお決まりだ。その日は、突風は吹いていたが、雨が降っていなかったので、旅行は決行された。風を読んで航行すればまったく問題ない、と担任は言っていた。
ある時、船員が船底で浸水したらしく、忙しく走り回っていた。
「この船、ぼろいんじゃねーの!沈んじまうかもな!」
なんてことも言ってたっけ。しかしその瞬間、大きく船体が揺らいだ。
「突風だ、全員上へ上がれ!」
思えば、この船員の言葉がいけなかったのだ。全員と言われたものだから、そういうのに慣れてる俺たちは、全員甲板へ上がった。(そう、生徒も教師もだ。)そうしてパニックになった人々を、突風が吹き飛ばしていったわけだ。
「どーする?これから。」
二階堂がつぶやいた。
「俺としてはまずここはどこかを確認するべきだと思う。」
「た、多分瀬戸内海の島だよ。周りも島だらけだし。」
[そーだな。」事実、俺たちは瀬戸内海を移動している最中に事故ったのだから。
「よし。ここからだと見にくい。あの山に登ろうぜ。」
しかし、俺たちの漂流日記は、そう簡単には終わらないのだった。
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