■共生舎&共生舎映画&自宅の強制執行を前にドアに鎖で身体を縛り付ける『わんちゃん先生』こと中村秀樹監督
■映画『TRUE CRIME』より
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小詩集『鉄鎖』より


鉄鎖 T    1999/5/25〜
 
一九九三年一一月二六日
午前一〇時
我は
権力を前に
我をドアに結わえるべく
鉄鎖をドアに通し
躰に
巻き付ける
非暴力の
しかし絶対の不服従
驚いたことに鉄鎖は
決して冷たくはなく
妙に
軟らかい
変な触感を受けつつも
鎖のわっかに南京錠の腕を入れ
押し込む
カチッと言う
微かな音と
手応え
金属のきしみなのか
自らの行為への戦きなのか
今や
我が躰から
融けだした
心の触覚が
家の柱や壁や窓に
毛細血管のように走り
家そのものが
我の骨と肉のごとくに化し
我は
恐怖に幽かに震える
我が家と
一体化した
 おい あれを見ろ
と声があがり
テレビや新聞の関係者たちが
我に向けて走り出した
その手や肩に
カメラやメモを持ち
  
仮処分で強制執行断行
邪悪な意図判明せり
一昨日二〇時僅か前
過ぐる三八時間僅か前
我は
住宅都市整備公団住宅の
建て替えに反対する
自治会代表にあらず
 続いて私たちも
 強制執行を受けるから
 強制執行を受けて
とは自治会執行部の人たちの言
なんと清らかな魂が奏でる旋律の
リフレインか
執行部のみなさんが
仰られることは
天を駆けるペガサスの羽のように
颯爽とし
しかも次の瞬間には
すべてを光で包む
金環食の漏れる閃光のように
真理への期待で輝いている
その前では
我の身勝手さなど
真理の光に投射されて
透けて
恥部を曝け出し
恥ずかしくて恥ずかしくて
だから 自治会末端会員の我が
あなた方の要請を承諾した
  
夜九時
我が家の家財道具の主だったものは
嘗て学校にいじめられた
つっぱりさんたちが運送に着手
そして名前を知っているだけの
映画監督さんの別棟や
知人の紹介の印刷屋さんの
倉庫に収められた
つっぱりさんたちや
映画監督さんや印刷屋さん
彼らは
この団地とは無縁の人
まして映画監督さんや印刷屋さんは
付き合いさえない
そんな人たちが
我らを救い
真夜中の三時近く
やっと緊急避難の幕は閉じ
緊急避難に手を広げた人たちに
包まれるかのように
畳の上に横たわると
懈怠が幽愁を眠らせて
平静なる仮想空間に
誘われ
短い睡眠の後で
白い朝を迎えた
  
 中村さん
 頑張れ!
聞け
ハンドマイクの大きな声
見よ
シュプレヒコールの竜巻
建て替えに反対する光ヶ丘団地や
他団地の人たち
シュプレヒコールの巻き起こす
小さなサイクロンよ
我らと共生舎映画を
優しく抱く我が家を守れ
支援の声を遠くに
幽因されたように
鉄鎖で
我が家と一体化した
我は
身動きもせず
ただ真っ裸になった皮膚に
アルコールが塗られ
体温が直接空気に
奪われていくような
錯覚ではない
確かな感触の中にいる
  
感触は
血と肉と骨の分身
それらもまた体温と同時に
気化するような感触に襲われ
気化すればするほど
心の触覚があらわになり
やがて心それ自体が
現れ出た
我が肉体の内の内に
隠れるように存在していた
精神の精たる
言霊
その言霊が
無音の波動を
心の触覚に伝えては
優しく慰めた
 人には
 背負わねばならぬ責務がある
言霊に触れ
我の宿命を感じた
捕らわれの心の触覚は愁苦に耐え
じーっと待った
次に触れるべき
瞬間を
逃げたくても逃げられない
時間の空白の中で
  
 労働者は鉄鎖以外の
 何ものをも持たぬ
と百瀬の昔
ある人は呼びかけた
ある人が捨てる対象と考えた
その鉄鎖
だがその鉄鎖で
我が身を縛ったとき
我は
鉄鎖によって
断ち切れぬ住宅と
結ばれただけではなかった
今我は鼓動の度に
おお 微かな呼吸を感じる
時間の空白の中で
鉄鎖によって繋がれている
人々の漏らす
白い吐息を感じる
  
迫り来る国家の
仮処分での
強制執行
正当化された略奪行為
裁判所の決定書を手にした執行官
その者の既に他覚化した自覚
権力の麻薬を打たれ
迷走する脳幹
その者の口は
人道の摂理に対して
多少の畏敬の念すらなく
決定書を朗読
執行宣言の朗読終了は
正に権力が
現象する瞬間
言葉が暴力に変わる瞬間
その僅かな時間
手下たちは拳を握って待ち
権力が脱皮して黎元を食らう
大蛇に変身する時を待つ
  
朗読が終了したその瞬間
堰が切れたように走る手下たち
我の背後の庭に回り
草木を蹴散らして侵入し
我が躰への
突撃を謀る
戸の形をしていた
皮膚と肉と小骨とに
バールをねじ込んで
ガタガタとこじて断裁し
鉄板入りの安全靴を履いたまま
どかどかと
我が躰の空間に
侵略してきた
嘗てアジアを席巻した
日本帝国軍のように
侵略者たちに
硬直する
空間の壁と床の形をした
筋肉と骨
 待て!
 止まるのだ!
ここに灯る光は
教員職を被分限免職中の
我を支援する会と
共生舎と
共生舎映画の
微かだが大義ある灯火
どの世も権力に大義あらず
権力が大義に手を掛けるは
自らの病んで腐敗せる生殖器的精神を
体内に自己増殖させること
病んだる巨体の
膨張化を謀ること
  
しかし権力は我の骨肉を
安全靴の堅い踵の下で
踏み付けては
引っかき回し
そこに
微かに息をしていた
我が分身である
様々な生活の匂いと品とを
用意してきた頭陀袋の中に
無造作に投げ入れ始めた
同時に別の男たちは
カッターを手に
更に軍靴を響かせて
侵略行進を敢行し
ドアの裏を走る
鉄鎖の形をした
我が中心動脈まで
肉迫し
カッターの強靱な刃に
我が中心動脈を噛ませた
血流を砕いた瞬間
我を縛り付けていた鉄鎖の重みが
たらりと
消えた
駆けつけた人々や
記者やTVカメラに露見せぬよう
権力は過ぎて蛮行であった
我が精神へのレイプのその瞬間
恥ずかしいほどの
はにかみ屋だった
断裁された次の瞬間
我はただ鉄鎖を持って
家のドアの前に
佇む存在へと変節した
言い表しようのない
無力感
我を多少客観視している
我が目
ふっと消えてしまいそうな
脳みそ
  
続いて我を襲う
飢凍への憂い
ドアの前から一歩も動かぬ
されど
新たな世界の住人
この世の非道なる階級座標
自宅を収奪されし者として
我 ホームレスの座標に
新たに位置する
ああ 優患
されど優患のみにあらず
新たなる座標は
新たなる認識への誘いか
消えたはずの重みが
搾取をする金融資本主義本国の我を
搾取される世界の黎元の側に
投げ入れていた
我は時間の空白の中で
心の触覚を広げて待ち
我を金融資本主義本国に繋げていた
中心動脈の鉄鎖が
断裁されたときから
その触覚で
新たな世界の感触を
徐々に掴み始めていた
路上人の
搾取される世界の黎元の
人生の隘路を
看破し始めていた
時間の空白とは
日常化からの乖離や
抽象化した現実を
さしたものではなかった
時間の空白とは
収奪される人々の元へ
我を誘う
瞬間空間移動装置
時間の空白とは
人々の痛楚に
我を繋げる
瞬間時間移動装置
  
権力は
代替えの住居を拒み
我らに飢寒の
痛哭を与えんと欲す
それこそが
権力に刃向かった者への
見せしめの論理の
なさせた 非道
教員職の被分限免職処分者で
処分撤回を闘う我に
どこかに身を寄せる
宿泊代はない
柏市長の本多晃さんが
住民の住んでいる場所に
建物を建てていいと
建築物計画通知書という名の
建築許可を出したから
現実化した略奪非道
ために我は
市役所に救援を申し入れる
だが 非道には
非情が付きもの
市は主権者である黎元の
保護をさえ拒絶
いん黙たる我に
迫る薄暮
所縁無き我
市役所玄関前で
テントを張り
耐乏
夜露を凌ぎ
冷気に頬を晒し
星空に呟くとき
口を吐くは
意味のない言葉の
リフレインか
夜の庁舎の窓ガラスに
幽かに映った
虚ろな我の
消えいるような影を見入っては
我を慰謝す
 これで我も
 星空の黎元になれたのだ
 今は
 ただこうしていよう
だが現実は寒風すさぶテントなり
コンクリートに背中が冷える
 このテントを
 我が団地の誰か訪ねて来て
 仲間の言葉で冷えた心を
 暖めてはくれないか
しかし我が団地の誰も
訪ねては来ない 
それが突き付けられた
現実の上をいく
現実より よりリアルな感覚の
我が躰と飢渇たる胸中に
刻み込むような
ドラスティックな現実
  
黎元主権の摂理を粉砕して
公僕のはずの市長が
市民の住宅を潰していい
と許可する悪辣な所業
市長の正体見たり
盗賊団
そんな盗賊
何処から涌いた
  
この国は
補助金行政の国
国の補助金に
各自治体が群がり
自治体職員らが群がり
銀行が群がり
企業や土建屋たちが群がり
個人営業者たちが群がる
そういう守銭奴たちが
金の亡者たちが群がり来て
出現させるは
各省庁と地域を結ぶ
欲望の
おお 山吹色したパイプライン
  
各省庁のお役人
配下の特殊法人や
関係企業や自治体を肥らせては
天下り先とせんと欲す
 国家と国民のために
 夜遅くまで働いている
と言を弄し
黎元の知らぬ間に
錬金装置を作りあげる
ああ 裏技の名人で
またの名を
権力詐欺師
かくて山吹色パイプラインは
各省庁の懐深く設置され
練金装置を
基点とし
黎元の生き血を吸っては
膨張し
パイプラインの中を
黎元の朱の色をした血と税が
補助金や利権と化しては
黄金色を放ち行き交う
  
九一年七月以前は
建設省の
都市再開発課で
課長に次ぐポストの
建設専門官であった
本多晃さん
建設専門官や融資専門官とは
補助金を垂れ流す係
補助金で
建物を誘致したり建設したり
許認可で
土地を転がしたり
そこから生ずる
膨大な利権
補助金の欲しい生殖的精神の
守銭奴や金の亡者である
柏市や市職員たち
企業や土建屋たちや個人営業者たち
奴らは利権を漁らんと
建設省との山吹色パイプラインの
膨張を夢見ては
本多晃さんの柏市招聘を演出
  
日夜 練金装置を稼働させ
天下り先が潤うように
血と税を送り続ける悪行が
宿命と化した淫靡な建設省
だから本多晃さんの
柏市出向は
建設省の
美味しいお仕事で
生殖器的精神を
怪しい化粧でカモフラージュする
国民の共同利益幻想を振り撒く
幻像の国家の
裏側できしみながら
練金装置の動く音
多分あの音は
ああ 黎元の悲鳴だろう
  
丸で援交の女学生の乳房を
弄り啜る
金満家の金粉に紛れた
口のように
アジアの少年の
青い性を買う
J女性の欲情に光る
口のように
利権の蜜を弄っては
垂涎してチューチューと啜る
九一年六月二一日
買い啜ることに慣れた
充血して膨張せる生殖器的精神が
本多晃さんを
柏市議会で市助役に推挙し
決定
  
九一年七月一日
本多晃さんは助役に就任
同時に光ヶ丘団地の建て替えは
目に見えて暴逆す
建設省は天下り先を
肥らせようとし
建て替えでの利権の欲しい
守銭奴や金の亡者たちは
我らを食らおうと
我らの団地に
建て替え事務所を作っては巣くい
奴らみんな因って集って
 チュー チュー
と啜り始めた
垂涎しながら
音を立て 一斉に
煩いこと
我が髪愁霜と化するが如く
 やれ 老朽化だ 
 それ 建て替えが必要だ
 ほれ 団地住民のための
 はあ 建て替え事業だね
そんな建て替えに
団地自治会は大反対
建て替えなんて
大きなお世話
第一あんたに決められたくないさ
住民には住民自治があるもの
そんな黎元に
奴らは焦って対抗措置
 もう修繕はしない
 自分で直せ
 その内あちこち壊れて
 錆も浮き
 ガラスは割れて
 ほい 幽霊屋敷だね
 やれ 荒らせ
 こりゃ 荒らせ
 修繕止めて
 団地を荒らせ
厚顔にも奴らはサボタージュ
恣縦ならば恥じるを知らず
  
九一年八月市議会選挙
その夏は熱く
団地のコンクリートに
染み込んでいた
住民の生気さえも
ぬんめりと浮き上がる
そんな日々
我は仲間たちと共に
金権選挙一一〇番を作り
金のストローを発見すべく
暴走せる金権の族を
監視
 選挙とは小金や組織のある者が
 大言壮語で黎元を騙す儀式
 ならば金や組織のない者に
 清廉な声で黎元主権を訴えさせよ
  
その選挙の二ヶ月後
あの自治体やこの自治体
あの政治家や
千葉選出の文部大臣井上裕さん
文部省や教委と教組幹部
守銭奴たちは
教員職の我を
分限免職処分に処す
  
そして二年の時が経ち
九三年夏となり
またもや暑い夏となり
鈴木柏市長が病に倒れる
ついに市長職務代理となって
全権大使となった
建設省に籍を置く
本多晃さん
建設省の練金装置に寄生し
その上神戸市に家を持つ輩
その輩には柏市はあくまで他市で
蜜を出すプロミスランド
他市の人権なんて
考えちゃいられないやね
だから今住民が住んでいる
二階建てのテラスハウスを潰し
一四、五階の建物を建てよという
建築物計画通知書という許可を
九三年八月一〇日から
建設省と公団に
矢継ぎ早に三つも出して
ご奉公
一つだけではなく
三つもとは点数稼いだね
  
一寸待て
建設官僚が
市長の出さなかった
建設省利権の許可を出す
自分で自分の利権に
許可を出す
明確に黎元主権主義違反
さもなくば黎元主権主義への挑戦
  
そんな無茶苦茶な
利権主義のお陰で
今や光ヶ丘団地そのものが
巨大な利権を生む蜜の館
我が生活や我が躰や
我と共に生きる人までが
蜜に変質させられて
何時しか甘い香りを放ちだす
蜜の館の建築パンフレットが
守銭奴や金の亡者である
柏市や市職員たち
銀行や企業
土建屋たちや個人営業者たちの
目前で札束と舞う
  
札束に顔を
刷り込んだ
征韓論者で侵略者の
福沢諭吉ならぬ
征団地論者の侵略者たちが
群がり来ては
名刺束に顔を刷り込み
膨大な量の
蜜の匂いを嗅いで
そろばんを弾く
 ふむふむ さてさて
 この蜜は上もので
 さても さても
 多量にあることがいい
奴らは喉を鳴らしては
舌を出してするは舐める真似
だがそれはまだ
奴らのものでなく
我らの躰は我らのもので
我らの生活も我らのもの
我らが
我らである限り
蜜の館は幻像の館
それは自明の理
蜜に群がり来た奴らは
その甘い匂いを前に
ヘロモンを出し
身を捩り切なく焦れる
 住民をなんとかしなくては
 蜜を手にはできないぞ
  
高齢だった鈴木市長
ただでさえ今期限りの市長で
その上
何時果てるとも知れぬ身の上
奴らは容易に予想された
次のタイミングを待ち
そのタイミングは
謀ったようにやってきた
九三年一〇月一日
現実化した鈴木市長の死
ところがその死を受けた
市長職務代理の本多晃助役
挙動
真に不信在り
市長死後の九三年一一月一日付で
なんと助役辞任を申し出る
怪しくも充血して膨張した精神が
通した山吹色パイプライン
それを放棄して
逃げ出すのか本多晃さん
そんな男に柏市議会も
クレームも付けずにすんなりと
助役辞任を
承諾す
やはり蜜は諦めたのね
金の亡者さんたち
  
辞任の翌日一一月二日
本多晃さんは再び建設省の公僕で
しかしその日
この公僕のしたお仕事は
長き官僚政治にあっても
特筆されるべき驚天動地
この公僕はその日の内に
建設省を辞任
退職金を受け取ると
そそくさと柏市長選に立候補した
 あれれ そんなこと
 ありなの
 レッドカードだよ
 建設省の公僕たちよ
  
各省庁曰く
 各自治体に出向させるは
 交流人事を通じて
 地方行政に通じた人間を育成し
 省内の人材の充実を図り
 国民の福利と国政に
 反映させんせんがため
とか
ところが当の本多晃さん
地方行政でまなんだことを
国政に反映しないどころか
帰って来たその日の内に
退職金を懐に入れ
 はい それまでよ
なんのための
自治体への出向
人事交流に関する国民への約束と
国民の信頼を踏みにじり
出向制度に対しての
国家の意図すら粉砕す
  
ならば柏市の助役に出向した
二年四ヶ月間相当分の
退職金は
せめて除算されるべき
出向制度に対しての
国民への約束を踏みにじった以上
退職金自体も
支払われるべきではなく
加えて柏市で払われた
諸々の手当も返還されるべき
さもなくば
国が建設省が柏市が
国民を欺く
人事交流の
不正利用に
承認を与えたこと
 いやいや
 それは早とちり
 高齢で今期が限りの柏市長
 その柏市へ送ったは
 この事態を
 元より織り込み済み
 それを知らぬとは
 この国の国民は
 はあ なんと
 こりゃ お目出度い
おお 肥大化する国家の
補助金行政と利益誘導
その中で公然と行われた
黎元の血を吸う立派な詐欺
黎元を愚弄する
犯罪行為
  
目前にぶら下げられた大量の
お預け食らっている甘い蜜
守銭奴や金の亡者たちは
蜜を得んと喉を鳴らし
本多晃さんを
懸命に支援す
 金満家の金粉に紛れた口に
 手を当てて隠していたとか
 それでも笑みが
 手の隙間からこぼれていたとか
九三年一一月二一日の投票日
二三万一七〇八名の有権者たち
その殆どが本多晃さんに
 NO
本多晃さんの得票数三万五九五二票
有権者総数の僅か一五、五%
次点との差はたった九二九七票
でも一位は一位
本多晃さんは
一位
それが黎元主権主義ならぬ
金権主義の冷嘲すべき法則
  
本多晃さんが市長に当選して
僅か五日後九三年一一月二六日
我ら光ヶ丘団地の三世帯の
強制執行
市長職務代理の
建設省官僚が
建築物計画通知書という
許可を出す
市長職務代理の
建設省官僚では
仮初めにもやれなかった
強制執行
今は市長として
晴れ晴れと黙認す
しかも行き先すら用意されない
強制執行で
こんなこと異例中の異例で
世界でも例がない
柏市に救援を求めても
無駄だったはずさ
だって そうさ
金満家の口に合わせるためには
住民の権利なぞと騒ぐ小骨は
抜いて調理されるもの
形振り構わぬ守銭奴たちと
金の亡者たちと
光ヶ丘団地の建て替えに絡む
巨億の利権
本多晃さんの周りに屯する
自治体職員たちや
市会議員たちや
銀行や土建屋たち
新住宅建設での住民増加で潤う
市財政と商売人たち
みんなそろって口を突き出し
 チュー チュ チュー
利権屋の守銭奴の大合唱が
闇夜の光ヶ丘団地に木霊する
 蜜だ 蜜だ 
 チュー チュチュ チュー
 ついに手に入れたぞ
 チュチュ チュー チュー
  
我ら三世帯の強制執行断行を
投票日前に決行したら
本多晃さんは
市長になれなかっただろうに
黎元の生き血は
蜜に変えて啜るもの
選挙の後で
啜るもの
 チュチュチュ チュー
 チュチュ チュー チュー
  
ああ 守銭奴たちよ
金の亡者よ
お前たちは我らの血を
蜜に変えて吸うが
血を吸うコウモリや蛭のごとくに
崇高な生きものではない
吸血コウモリや蛭は
血を血として吸うことで
彼らの命を保持するは
冷厳な事実
だがお前たちは
明らかに彼らとは違う
お前たちは
血を血として吸わず
金のために
我らの血を
蜜に変えて
啜るのだ
 臆病者よ
 さあ
 我らの血を
 血として吸ってみろ
  
お前たちが啜るのは
我らだけにあらず
不必要な建て替えをし
資源を浪費して地球を破壊し
材木を採るために森を潰し
動物の生態系を壊し
動植物の生活の場を奪い
水を汚す
それはすべてお前たちが
蜜に変えて吸うためだ
歴史の審判者が
そんなお前たちに用意するは
歴史に刻印される
恥ずべき言葉
守銭奴にして金の亡者
利権屋にして権力者
金満家にして利己主義者で
共生の破壊者
それ以外の刻印が お望みなら
有罪
  
市役所の玄関前で
チラシを撒き
ロビーに座り
プラカードを掲げる
柏市職員たちは略奪された
黎元の側に立つもの
しかし市職員たちからは
支援の声なく
ただ我は話の妻に
召しだされるのみ
堪らず市職組合本部を訪ね
支援要請を口にすれば
なんと組合は
本多晃さんの推薦団体だった
柏市職員たちの
反動
彼らは既得権保持の
利己主義者
黎元主権主義の市役所に
一人の痛みの解らぬ多数の存在
そのくせ少しでも
自分の権利が
侵害されると
騒ぎたてる
ご都合主義の
お役人
多数決と黎元主権主義とを混同する
お粗末な精神
  
いっそ我のように
総てを無くして見てはどうだい
そうすれば
君らには慮れぬ世界が
黎元主権主義の世界が
現れてくるよ
黎元主権主義とは
漠然と発明されはしない
失った者たちの
流した血と涙の分だけ現象するもの
お陰様で我は
無くした丁度血と暗涙の分だけ
昨日より非霊長目共生科の
ヒトになれた
  
黎元主権主義とは困った人を
見捨てないこと
そのために
犠牲をも厭わぬこと
おお その崇高なる理念の前では
後義而先利の姿勢は瞬時に蒸発する
しかし君らは言い訳をし
君らの論理でその言い訳を許す
ならば黎元と他の生命との
共生へと向かう世界の歴史が
共生の論理で
君らを断罪したとしても
君らは
文句の片言も言えまい
己の勇気がないがため
義を見てせざる臆病な輩も
美しくはなく
そんな君らに
歴史の審判者は今一つずつ
君らの名を刻みだし
刻印を君らの名の上に押す
共通する罪名は・・・卑怯者
それ故この世に存在する
最も始末の悪いたぐいの人間
最後に付け加えられた
君らの職業は
蜜の館の白アリにして
館を食い尽くす柏市職員
この年末
本多晃さんは
家なく年越しをする我らに
振り向きさえせず
市役所の「御用納め」の前に
さっさと神戸に帰郷した
それを柏市職員の誰も
咎め立てはしなかったが
何 不思議なことじゃないさ
柏市役所ならばね
  
建設省と公団は強制執行を
批判する声の大きさに驚き
問題の拡大を恐れ
事なかれ主義を決め込んだ
そんなお前たちは
やはり役人根性
だから我らの後は
全国何処の団地でも
最早住民たちは
強制執行を受けることはなく
建設省と公団が無理を言えば
呪文さえ唱えればいい
 中村のように闘うぞ
これが呪文で絶対のお守り
建設省と公団は従来から
 住民には居住権はない
と主張して
譲らない
良い例が
建て替え工事の間
仮移転する住民と取り交わす
一時使用賃貸借契約書
公団はその中にすら
 居住権はない
との文言を
入れていたほど
しかしこの強制執行への
世間の批判の広闊化で
住民たちが
 その文言が気にくわない
 外さねば中村のように闘うぞ
と呪文を唱えたら
建設省と公団は
契約書の内容から
居住権はないの一文を
抹消してしまったほどの
威力を持つ
呪文
否 呪文ではなく
バズーカ砲かも知れぬが
ともかく団地の住民たちは
その武器を手中にした
  
弱者が
武器を手にしたときほど
良かれ
悪しかれ
その本性が
現れることはない
 続いて私たちも強制執行を受ける
 から強制執行を受けて
と言っていた
光ヶ丘団地自治会役員たちすら
その武器で建設省と公団に
狙いを付けて発射して
有利な条件を引き出して
仮移転して行く
 中村のように闘うぞ
 中村のように闘うぞ・・・
かくて呪文は
唱えられ続け
言葉のバズーカ砲は
撃ちまくられた
  
あの日のあの我が空白の時間が
作り出したバズーカ砲
非暴力主義の
我が作り出した
非暴力の武器
非暴力バズーカ砲
だが彼らが
このバズーカ砲を使ったとき
彼らは
収奪される人々の元へ
旅する
瞬間空間移動装置を
人々の痛楚に通じる
瞬間時間移動装置を
手にすることは
できなかった
不服従の闘いで
自身の身を裂き
空白の時間の中で
得たものではなかった故に
おお 悲しくも搾取される
世界の黎元の側に
ああ 投げ入れられなかった
者たちよ
手に鉄鎖を持って屈辱の中に
佇まなかった者たちよ
お前たちは
後から来る者に一体何を残す
 私たちは
 弱者の正論を残します
そう言う彼らの後には
ただ沢山の
言い訳だけが
残っていた
 病人がいるから
 年寄りだから・・・
言い訳なら
我にだってあった
  
あれから
一年が経った
ブリキの塀の前に佇み
我ただ塀を見つめている
塀で囲われた我が住居地に
建築開始の気配はない
 緊急性がある
という理由で
裁判所へ強制執行の
仮処分申請をした権力
だがそうしなければならない
緊急性など何処にもなく
つまりは行政執行権力が
裁判所という
司法権力を騙して
不法占拠をしたということ
だが当の裁判所はおひとよし
騙されても怒りはしない
ああ この国はなんという寛容な
法の番人を持っていることか
黎元が同じことを
法の番人にしたら
立ち所に
粉砕するだろうに
それが証拠に
黎元に対しては
黎元の家を
 一方的に盗って良い
と強制執行の仮処分申請を
認めたじゃないか
  
それにしても なぜ
我はこの壁の向こうではなく
こちら側に
居るのだろう
建設省と公団は なぜ
強制執行したのだろう
他の人の住宅ではなく なぜ
我らだったのだろう
我が胸中の隅で
澄んだ声で微かに囁くは
拭いがたい
なぜのなぜ
  
九一年一〇月一六日
我は教員を分限免職処分に
 理由は・・・
 自己「教育」権と反管理主義教育
 共まなびと人権と反差別
 反日の丸・君が代と反戦平和
それらを主張し運動し講演する
本を書き映画を作る
金権一一〇番運動などの
諸行を重ねる「確信犯」
それら一つひとつの確信が
権力を突き
権力のあまりに我が儘で
自制心のなさを露呈させた
  
権力の我への憎しみは
一通りでなく
反日の丸・君が代問題での
今尚薄れることなき
憎しみも
その一例
反日の丸・君が代問題で
共闘した政党の人たちは
分限免職になった我に
責任と不憫さの
一端を感じ
復職させようと動いた
しかし文部官僚こそは
最後の砦とばかり
我が
 反対派リーダーだったから
 復職はさせられない
と頑なに拒絶
  
何も憎しみは文部省のみに
限らない
政治家や他の行政も
同様で
我が儘で自制心のない奴らは
我にあの手この手で弾圧を
仕掛けては
様々な問題を起こし続ける
その様々の中の中
政治家や
教育委員会や
地域ボスや自治連合会などが
嘘の理由で
我を教員職から排撃する
署名運動さえもしたりした
我の勤務地の鎌ヶ谷市
その市長の皆川圭一郎さんと
この柏市の本多晃さん
二人は同じ市長交流会のお仲間
さぞや互いに
気の合うことだろう
  
まあ権力の腰巾着の公安も
我が儘で自制心がないのは同じ
彼らは我が
 成田の地下組織のリーダーだ
と児童の家を回り
親たちに嘘を言いふらす
 中村のことを記事にするなら
 取材から閉め出す
と新聞社に
圧力を掛ける
高検の検事も同じたぐいの腰巾着
記者に対し
 中村は過激派だ 手を引け
と騙す
なんという我が儘な嘘つき
それ故に哀れでもあるが
嘘八百を並べることに
慣れてしまって
自己の卑怯さも感じられぬ
随分ひん曲がった
自制心のない
萎えた感性のことか
  
しかも守銭奴や金の亡者にとって
都合の悪い者は
 過激
 過激派
という用語で
揶揄する
なんと哀れな文化性のない
権力的体質のなせる思考力か
ならば権力よ
お前に訊く
自由と愛と平和とのために
闘い首を晒されても
身を挺して闘った黎元は
過激か
それを弾圧し
その首さえ曝さいする
権力は
はにかみ派か
この世界の体制の下に
傷付けられて餓死させられる
黎元が流す血を
蜜に変えて啜り続けるお前よ
今からでも遅くはない
そんな病んだ言葉を使うのを止め
黎元の側に来て
共に闘わないか
黎元の権利確立へと向かう
黎明の時を刻む流れ
その流れを感じられぬ
自己の利害だけを考えては
自己を知らず
自立していない
お前よ
今からでも遅くはない
  
九二年三月二三日
オーストラリア一の名門新聞
『ジ・オーストラリアン』に
我は載る
記事では我は泰緬連接鉄道の
金塊泥棒団の首領
我は教員を
分限免職になって以降
共生舎映画を作り
監督をしている
その我の映画を弾圧するため
映画のロケの旅を
金塊泥棒団の旅に
仕立て上げた陰謀
英国のイエロー新聞
『メール・オン・サンデー』
その特約記者の
ドラモンドさんやピーターさん
彼らを手伝いバイトした
ジャパンタイムズ紙の記者の
C.K.藍さん
奴らは金を得るため
フリーランスの国際シンジケートに
与して稼いでいる
その奴らを担いでの
罠の結果だ
  
我は
単身オーストラリアに乗り込む
そんな我の前に
社長は逃げ回り
編集責任者は
 陰謀に乗せられた
と告白し
顔色を失う
ついに新聞社は
謝罪し
訂正記事や謝罪記事を
五回に渡って掲載し
訂正のTVやラジオの
報道もなされた
オーストラリア政府も
謝罪した
在豪防衛駐在武官ですら
 現実は小説より
 奇なりですよ
と暗示したほどの
全く我が儘で自制心がない
萎えた感性の権力の悪行
正に同情に値する
権力と守銭奴たちと金の亡者たち
  
ああ 我が儘で自制心の欠如した
権力と守銭奴たちと金の亡者たち
その後も奴らは我への攻撃に
余念がない
我らの住宅は
分限処分を許さない会の連絡先
動植物との共生を求める
エコロジストゆえに
ノン・ミート・イーターの基地たる
共生舎の連絡先
やらせでない記録映画を作る
共生舎映画の連絡先
奴らは住宅を潰し
同時にそれらも潰しに掛かった
一石二鳥とは
偶にある話
しかし一石四鳥とは
あまりにも我が儘なお話
  
あれから
四年が過ぎ
 最後まで闘う
と言っていた反対派
 和解をする
と言いだした
そんな彼らにとって
今の関心は和解金の額のようで
建て替え同意派に払った額が
自分たちにも支払われるか否か
 家一軒買える立ち退き料は
 貰わなくっちゃ
 続いて私たちも強制執行を
 受けるから受けて
と不法占拠事件以前に
話していた自治会の責任者
その本人らは和解して
団地を出るらしい
それを聞き我の内に生じた
些かの乱れ
しかし その者よ
出るにしても 残るにしても
我らは 所詮この地球の
土塊
和解の席では
建設省や公団の謝罪を求め
黎元の安寧を希求し
最後まで凛としよう
  
アジアの 世界の黎元のために
強制執行を謝罪させ
日本での居住権を確立させて
黎元主権の流れに加勢せんと願う我
金融資本主義本国の
黎元の闘いであれば
謝罪を得れば
微少とも世界へ献遺できると我
その我に弁護士たちは
 強制執行の謝罪がないと
 和解はしない
と約束した
しかし和解の話は進めども
謝罪の話は浮上せず
和解の会議で
我は思い余り
弁護団に問い質せば
自治会責任者ら二人は
 強制執行は中村さんたちが
 勝手に受けたのよ
と主張し
その上
 強制執行された人より
 されなかった人の方が大変だった
と感情を絡めては広言し
ついに
あの日の
彼らの言葉を忘れた
言霊を宿すことなき
ああ あの人の軽浮な精神
市役所前のテント生活での
骨髄も凍った
あの日の我を思い出させる
薄徳
だったらあなたに言い置く
あなたは
再び人に
囁かぬが良い
なんとすれば情け深く
正義に熱く
己が身を挺して
共生を希求する者たちは
言霊無き精神の者たちの
放言にすら
義を見い出しては
誠壱を持って処するがために
しかしこともあろうに
弁護士は
そんな言霊無き精神に
弾んだかのように
 謝罪要求は和解の妨げになる
 分離裁判にしろ
と我へ
引導を渡す
その上弁護団の中心人物は
 強制執行を受けたので
 その後の闘いがやり辛かった
とさえ我に吐露す
止まれ
 建て替え問題を映画にしましょう
 中村さんのケースは重要だ
と初対面で口にしたは
今 そう言った弁護士よ
君ではなかったか
  
言霊の宿ること無き精神
転向のためにそ洗し終えた精神
おお その精神が我らを除外して
和解し
一人残らず立ち去る一九人の
義戦の弁護士たち
背中に向かいて慰留をすれども
響き返るは転進行進の靴音のみ
足並み見事にして
その音 乱れるを知らず
その上更に裁判所に
我の
 同意を得たうえ
辞任したと申し出る
我への辞任は
世間の批判の集まるところ
そこで弁護団
万が一の批判を回避せんためか
辞任承諾書なるものを作り上げ
我に署名押印を要求する
おまけに我が署名を渋るとなると
 同意を頂きました
と決絶の文書まで
勝手に送付してきた
意に添わぬ者に
ご丁寧に
あんたはこうなのよと
ご教授下さるは
過ぎて
お節介
慰留を蹴っておいて
同意の上でとはあるまいに
  
我は今
金融資本主義本国日本にあって
ホームレスの座標に
静座せんことを願いつつ
詐欺と搾取される
アジアの仲間と残される
ああ この瞬間と
断ち切れぬ想いから立ち向かう
我が住居を不法占拠し
破壊殲滅して奪いし者らに
今は影形無き住宅のドアに
再び鉄鎖で身を縛りながら
それにしてもあの不法占拠の後の
あのテント暮らしの日々のように
嘗ての反対派の同士や
弁護士たちから
再び 索漠とした現実を
強いられ
再び 心の中に
緊急避難のテントを張る
  
ところで最近顕著になりし
公団との和解の動きに
 共産党の方針が変わったから
 共産党影響下の
 弁護士や支持者は
 和解に動いているのだ
と他団地の反対派の人は危惧する
事の仔細はさておいても
右向け右で一斉に動くは
権力のさがで
だとすれば
やはり 彼らもみな権力か
  
あの人たちの和解から一ヶ月後
九九年の幕開け
避難場所にて新春を迎え
我世界の黎元の安堵を祈る
されど美谷島輝さんら柏郵便局
元旦から我が避難場所を訪ね来て
光ヶ丘団地から
避難場所へ
「住所変更」せよ
と迫脅す
政治家と文部省
千葉県と鎌ヶ谷市と公安
利益共同体の教委と教組幹部
建設省と住都公団と柏市と銀行
自治会責任者と弁護士
共産党や守銭奴たち
その上
 郵便局よ お前もか
心の中で渇いた精神が叫ぶ
 次は誰だ
  
今日も本多晃さんは
共生の黎元でホームレスの我と
 話し合え
という要求にすら
意気地なく逃げ回る
見利思議の心得無くば
有恥且格の姿勢も無し
ただ権力と自己欲の
僕妾と化す
なんと主権者を
愚弄したことか
柏市に
扶持を得る
職員よ
議員よ
君たちは逃げることで
共生の黎元を愚弄する
本多晃さんの態度に
怒らないのか
市民が愚弄されることは
市民の公僕たる君たちにとって
自身が愚弄されるより
耐え難いことだろうに
元来職員や議員の仕事とは
主権者の市民の権利を
身を挺して
守ること
職員や議員の諸君
君らは勘違いしていないか
 自分の労働の価格を
 自分の労働や才覚で
 作り出している
と傲慢になっていないか
君らの労働に
価格を与えているのは
世界中の 地球上の
様々な要因で
しかも世界中の
虐げられ搾取されている人々が
君らの労働の価格を
支えている
そのことに
畏敬を感じているか
畏敬の念なくて
どうして共生の黎元のために働く
自治体職員に
議員になれるというのだ
おお 自治体職員よ議員よ
君らを泣く
世界の 日本の黎元に
食らわせてもらいながら
黎元の悲哀に身を捧げられぬ
その自惚れを
黎明の時に気が付かぬ
その傲慢さを
  
人は略奪された分だけ
人になる
耐え難い住宅の略奪は
我に新しい心の触手を用意した
その新しい心の触手で
我はより鮮明に感じとる
金融資本主義本国の
労働者たちが
貧困な世界の
黎元を搾取する様を
成田空港建設での強制執行に
抗して
鎖で躰を木に結わえた
反対派農民
プルトニウム搬送に抗して
鎖で躰を
ドイツの原発ゲートに結わえた
イギリス婦人
我は
鉄鎖で
その農民たちやイギリス婦人と
結ばれていただけではない
我は
金融資本主義本国によって
詐欺され搾取される
貧困な世界の黎元と
動物たちとに
結ばれていたのだ