と べ
−比翼ない鳥−


「他人なんて信じられない」

何気なく君は 酷いことを口にした
せかい
他人から遠ざかる君に 何もできなかった僕


「自分が生きている意味はなんなのか」

答えのない答えを 君は僕に求めた

 じ ぶ ん
居場所を見失った君に 何もできなかった僕


「いなくなりたい」

                  い た
夕焼けの逆光が 切ないほど傷かった

に げ
逃避ようとする君に 何もできなかった僕


「頑張れよ」

馬鹿だな これ以上 僕が君を追い詰めてどうするんだ

と べ
比翼なくなった君に 何もできなかった僕


「隣にいてやる」

真っ青な空の下 きらめく星の下

あ か
深紅い涙を流した君に 何もできなかった僕


「信じるとか信じないとか 言葉にして伝えるもんじゃないんじゃないのか」

                 と き
君がもう一度 空を見上げた瞬間だった

わ ら
微笑ってくれた君に 何もできなかった僕


「ありがとう」

            こ え
最後に聞いた君の言葉だった
し ん            き ぼ う
希望じる勇気を 大きな翼に変えて


「君ならできるさ」

    ひかり
眩しい太陽に 目を細めて呟いた

君は僕みたいに 比翼なくなったわけじゃないから