毒の味
毒の味はピリピリしてて、苦い。
食ったこともないのに、なんでそんな事を言えるのか、とお思いだろう。
いや、違うんです、セニョリ−タ!!あたしは毒を食ったことがあるんです、
お立ちあい!!(泣)それじゃぁ、今日はち−とその話でもするかねぇ・・・
(おばあちゃん風に(笑)。)
最初に毒を食べたのは、忘れもしない、あれはまだ私がいたいけな高校生だった頃。
家でホワンミ−タン(中国のタマゴス−プ)を作った時のこと。えいこは仕上げに入れる
かたくり粉を一心不乱に水で溶きながら、横で手伝いも全くせずテレビを見ている妹に、
「ちょっと畑からニラ取ってきてぇ。」とお願いした。妹はさんざんブツブツ言いながらも、
外へ。2〜3分後、妹はニラらしきモノ5〜6本(えらいしんなりしている)を手に戻ってきた。
えいこ、妹を「うむうむ、ご苦労」とねぎらいつつ、ふとそのニラ(?)を見ると、なんか違う。
なんかあからさまに・・・ヘン。
・・・な、なんか太くないカノ??ニラってこんなもんだったっけ???
ってゆ−か、なぜ5〜6本しかないのじゃ??
畑にはネギは腐るほど生えておろう??・・・???
えいこはかなり不審に思い、妹にたずねた。
えいこ、妹にたずねて曰く、「これニラ?なんでこがん少ねぇん?(なんでこんなに少ないのですか?)」と。
妹、それに答えて曰く。「だってそれしかねかったんじゃもん(だって、それしかなかったんだもん)。」
(←かなりキれぎみ)
・・・妹が怖いので、えいこはなんかオカシイと感じつつも、黙ってそのニラらしきモノ
(と妹が主張するモノ)を切ってホワンミ−タンの中に入れ、ひと煮立ちさせた。
どれどれ、お味は・・・?
えいこがふんふんと鼻唄を歌いつつ、若妻のようにゴキゲンで味見をした瞬間・・・
えいこの舌に異変が起こった。
に、、、にがっっ!!!・・・い、いたっっ!!!!
「うぇ〜〜〜!!!何じゃこりゃ?????」
絶対おかしい!!なんか違う!!!焦ったえいこは、まず妹に味見をさせた。
「うっ、にがっっ!!」「じゃろじゃろ??にげぇじゃろ??オカシイじゃろ?」
原因は妹が取ってきたニラらしきモノしかありえない。
すぐさまえいこは、まだ店(うちのママは理容師さんなの。んでうちの家はお店(理容室)と
つながっているのだ)にいたママに言った。
「ママりん、なんかニラがすげぇにげぇんじゃけど(ニラがすごく苦いんだけど)、どう思う?」
「ネギはにげぇもんじゃが。ど−もねかろぉ。(ニラは苦いものだよ。どうもないだろう)」
えいこは妹の取ってきたニラらしきモノにかなりの不審を覚えつつも、「ママがそう言うんだったら、
やっぱこれはニラかも知れん」と思い直した。
その約30分後、やっと店を閉めて帰ってきたママが、ふとまな板にちょっとだけ残っていたニラ?を
見て叫んだ。
「・・・なんじゃこりゃ−!ニラじゃありゃ〜へんが!(ニラじゃないじゃん!)」
えいこは心の中で思った。
(そうじゃろ−おもよ−たんじゃって・・・(苦笑))
その後、ママによってホワンミ−タンの味見が行われ、その苦さが異様であることが正式に認められた。
また後日。ある月曜日、ママが趣味の草いじりをしていた時。ママが大声をあげた。
「ちょっとちょっと!!!ムスカリの葉が全然ねぇ!!!」
何事かと飛び出て見ると、ムスカリの花はあるけど、葉が全然ないのである。イヤな予感がした。
えいこは、わずかに残っていたムスカリの葉をオソルオソル見てみた。
「・・・ヤッパリ・・・(諦)」
みなさん、もうおわかりだろう。なんとその、ニラらしきモノ(と、かつて妹が主張していたモノ)は、
実はムスカリの葉だったのだ。
そんな時、ちょうど保健のテストがあり、その問題の中に「毒のある植物を3つ書きなさい」という問題があった。
私は迷わず「トリカブト・梅・ムスカリ」と書いた。
そしてまた後日、帰ってきた保健のテストの例の欄を、えいこは大急ぎで見た。

たとえその事実が植物図鑑にのっていなくても、テストで?にされようとも、私の五感が証明している。
ムスカリには、毒があるのだ、と。
そして今日、えいこは期せずしてまたアノ味を味わってしまった。
それは気持ちのいい昼下がりのことだった。えいこは就職説明会に行くことにしてて、
ス−ツでキメて(苦笑)家の前を「ヤルぞ!」とばかりにヒ−ルで歩いていた。
外はうらうらいい天気。どこからか太陽のにおいのする気持ちいい風もふいてくる。
自然に顔もほころんでくる。せいいっぱい背伸びしながら、ああ、やっぱり外に出るって
いいことだなぁ、自然ってステキだなぁ。人間がいくら強がってみても、人間というものは
自然に自然を求めるようにできているのだ。それはもう一種の本能と言っても過言ではないのでは
なかろうか。それなのに人間は自然を破壊し、自然をわが物にしたような気になっている。
これは違うのではなかろうか。自然はどこまで行っても人間のものになどならない。
自然はそんなに小さなものではない。なぜなら我々人間も自然の一員なのだから。
第一人間にとって不可欠なものである自然を破壊することは、ひいては人間をもほろぼすことに
なるのではないか。人間は自然を破壊し、得意顔になっているが、それは結局は自分を陥れることに
なっている。他虐的行為だと思って行っている自然破壊、実は非常に自虐的なものなのではないか。
ああ、人間よ、はやくそのことに気付け・・・などと、人間にとっての自然、そのありがたさと喜びを
体中で感じていた、その時!!
ブゥゥゥゥゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン・・・・
前方から突如一匹のハチ(えいこの自然への思いなど知る由もない)が!
普通のハチはこっちから何かしない限り刺さない。大丈夫だ、とえいこが田舎っぺなコトを考えたその瞬間、
バチッッ!!!!
「べッッ!!!にゃ、にゃに??」
なんとハチがえいこの唇に突進してきたのである。
「ぐにぇ〜〜〜気持ち悪ぅ〜〜」えいこは急いで家に帰って口をゆすいだ。
すると、身に覚えのあるアノ味が・・・。
「ぐぇっっ!!!に、にがっっ!!!!」
ハチの刺す針に毒があることは知っていたが、それがこんな味だったなんて・・・。
ハチに刺されてその毒で患部がはれた人はよくいるが、その毒を舌で味わった人間は、
世界広しと言えどもあたしぐらいじゃなかろうか。
あたしは再び声を大にして言いたい!
ハチは毒を持っている!!と!!!
HOMEへGO!