INTERVIEWS

 

AGENT STEELは少なくともマイナーなバンドではない.彼らの2ndアルバム「Unstoppable Force」は当時,日本盤(アナログ盤・CD共に)も発売されたこともあり,Thrash Metal/Speed Metalファンを自負する人で知らない方はいないと思う.本ページはバンドの中心人物であり,AGENT STEELはもちろん,ABATTOIR,EVILDEADの創設者でもあるJuan Garciaの協力の下で作成されている.


第一回インタビュー(4/20着信)

 

バンドに関しては上述のように多くの方がご存じだとは思うが,Juan自身がかなり細かく答えてくれたためはじめて知った方もAGENT STEELの歴史についてはだいたいわかっていただけると思う.インタビューの内容としては80年代の彼らに関して若干振り返り,今回の再結成と新作「Omega Conspiracy」について,Juan Garciaに伺ってみた.もちろん,このインタビューは本ページのオリジナルのものである.

Q:まず最初の質問ですが,何故AGENT STEELを再スタートさせたのでしょうか?

Juan:時がAGENT STEELを改革させたんだ.僕は数年前に再結成をするように頼まれてた.しかし,当時はEVIL DEAD(SPV records)のレコーディングやツアーで忙しかった.そしてその時もう一人のギタリストのギタリストのBernie VersaillesはFates WarningのツアーをやってFates Warningのライブレコーディングをヨーロッパで行っていた.そして僕にこう言ったんだ,「未だに多くのAGENT STEELファンがいる.少なくともファンのためにもう一度やってみるべきだ・・・」.それで僕らは13年ぶりに新作「Omega Conspiracy」アルバムを作成したんだ.

Q:今,LAに住んでいるのですか?

Juan:ああ.僕はLAに住んでいるし,他のAGENT STEELのメンバーもそうだよ.

Q:最近,いくつかの当時のThrash / Speed Metalバンドが再結成したり,CDが再発になったりしていますが,これに関してどう思いますか?

Juan:僕は昔の作品の再発は歓迎している.なぜなら今まで昔のThrash/Speed Metalに精通していなかった新たなメタルファンがいるから.こういったことは新しい世代の人が聴ける機会を与えることになるしね.

Q:古い話で申し訳ないのですが,80年代のAGENT STEELのことに関してきかせて下さい.80年代のAGENT STEELはパワフルで個性的なヴォーカリストJohn Cyriisによって特徴づけられていたと思います.更にAGENT STEELの歴代のギタリスト(Juan Garicia, Bernie Versailles, Kirt Kilfelt, James Murphy#レコーディングには不参加)は総て他のバンドよりも非常に技術的に優れてましたね?

Juan:そうだね.AGENT STEELは1983年のはじめ(だいたいそのころ)にスタートしたんだ.そして多くのラインナップが変化した.「Skeptics Apocalypse」は1985年にアメリカのcombat/relativity からリリースされた.その時はJohn Cyriis(vocals),僕(Juan Garcia)がguitars, Kurt Kilfelt(guitars),Chuck Profus(drums),George Robb(bass)といったメンバーでレコーディングされたんだ.僕らは1986年の終わり頃に「Mad Locust Rising」というEP/Singleをリリースした.僕らはMetal Hammerが主催で行ったspeed metal attack tourというショーをANTHRAX,OVERKILLらとともに行った.これは僕らにとっても多くのファンにとっても素晴らしいことだった.僕らはSAVATAGEと同様にはじめてMorrisoundスタジオでレコーディングする機会を得た.1986-1987年にプロデューサーにDan Johnsonを迎えて「Unstoppable Force」のレコーディングを行いリリースするまでAGENT STEELでギターをプレイしていた.ギターに関しては君の賞賛を有り難く思うよ.僕らはIRON MAIDENやJUDAS PRIESTのファンで彼らの影響を強く受けている.僕とBernieを支援しているJacksonギターのサイトを尋ねてくれ.そしてもう一つ別の優れたギターメーカーであるFernandes ギターサイトもチェックしてくれ.

Q:あなたとJohn CyriisはAGENT STEELの前にABATTOIRに在籍していましたよね?なぜあなたは当時AGENT STEELをスタートしたのですか?

Juan:実際にJohn CyriisがABATTOIRにいたのは凄く短期間だったんだ.彼はABATTOIRとしてレコーディングしたのはMetal Bladeレコードの「Metal Massacre IV」に収録されている"Screams From The Grave"だけで,彼はすぐにバンドを去った.僕は当時のABATTOIRの方向性に不満があったし,AGENT STEELのコンセプトが魅力的なものだったから彼と合流してAGENT STEELを結成したんだ.僕は新しい何かを試みたかったんだ.そしてAGENT STEELはそういったサウンドに仕上がった.

Q:確か,あなたは80年代末にAGENT STEELを脱退していましたが,どんな理由なんでしょう?

Juan:僕はJohn Cyriisとうまくやっていくことが出来なかったんだ.Bernie Versaillesも同じ理由だった.そして他のメンバーを残したままAGENT STEELを去ったんだ.バンドが解散した理由もそういったことさ.

Q:あなた自身に対しての質問をします.あなたが影響を受けた音楽はどんなものですか?

Juan:JUDAS PRIEST"Stained Class"(1978)はとにかく僕の大好きなアルバムだし,UFOの「Strangers In The Night(LIVE)」のMichael Schenkerのギターは驚異だね.IRON MAIDENの「Killers」や「Number Of The Beast」は特に深く影響を受けた.そういった当時のメタルに影響を受けている.最近ではRAMMSTEINはクールなバンドだと思うし,FEAR FACTORYも良いね.そして当時日本の素晴らしいバンドもいた,LOUDNESSさ.

Q:あなたの好きなギタリストを教えて下さい.

Juan:好きなギタリストはMichael Schenker (MSG, UFO), それからJUDAS PRIESTのGlenn Tipton,KK Downing,そしてもちろんIRON MAIDENのAdrian SmithとDave Murray.彼ら総て僕の大好きなギタリストだ.

Q:EVILDEADはいつまで活動していたのですか?

Juan:EVILDEADは2枚のスタジオレコーディングアルバム「Annihilation Of Civilization」と「The Underworld」,そして「Rise Above」というSingle/EP,そして後に「Live...From The Depths Of The Underworld」というライブアルバムを出した(#いずれの作品もThrash or Die !でレビュー済み.こちら).僕らはアメリカでの正式な契約を取ることが出来なかったんだ.僕らはただヨーロッパのレコード会社と契約を交わすことしか出来なかった.そういった訳でEVILDEADを存続することは困難だった.

Q:その後は何をやってたのですか?

Juan:EVILDEADの後に,僕はTERRORというバンドをはじめてメキシコで「Hijos de los cometas」というレコードをBMG/Culebra recordsからリリースした.それはもう廃盤だからアンダーグランドの名作さ.けれどもインターネット上でそれをリリースする計画があるんだ.だいぶ先に事になるだろうけど・・・TERRORは音楽的にはEVILDEADに似ているけどスペイン語のヴォーカルなんだ.

Q:なるほど.それでは新生AGENT STEELの話題についてお聞きします.新しいヴォーカリストBruce Hallについて良く知らないので,彼について教えて貰えますか?

Juan:Bruce Hallは驚くべきシンガーだ.彼は仕事を非常に楽しんでやっているしとても容易にそれをこなすとっても良い奴だよ.メタルにどっぷりさ.彼は90年代はじめにGRINCHFISHというバンドにいたんだ.彼はJohn Cyriisのように歌うことが出来るし,AGENT STEELの新作CD「Omega Conspiracy」できくことが出来るように彼自身のスタイルも持っている.

Q:KarlosはEVILDEADにいましたよね?何故彼を呼んだのですか?

Juan:KarlosはEVILDEAD,TERRORと一緒にやってきた.「Unstoppable Force」のベーシストであるMichael Zaputilはアリゾナのフェニックスへ引っ越したんだ.それに彼は一時的に音楽を辞めることを決めたからKarlosを呼んだのさ.

Q:ニューアルバムについて教えて下さい.「Omega Conspiracy」アルバムのコンセプトについて教えて下さい.

Juan:ニューアルバムは全編メタリックでとても激しいけどメロディックなエッジも持っていてスローな曲までも含んでいる.それは2000年版の新たなAGENT STEELであり,しかし同時に80年代当時の味も詰め込めるように試みたんだ.そういったことに基づいて作ってはいるんだけれども,いわゆるコンセプトってものはないんだ.基本的なところでは,僕が思っているAGENT STEELのトレードマークであるUFOとその陰謀計画の歌詞ばかりだからそういったコンセプトアルバムといった印象は与えるだろうけどね.僕らは僕が非常に重要であったと感じた歌詞でのAGENT STEELのコンセプトを存続することを望んだんだ.それは普通のSpeed Metalバンドから僕らを際立たせるための材料だ.

Q:アルバムの出来には満足していますか?

Juan:ああ,「Omega Conspiracy」にはとっても満足しているよ.

Q:ソングライティングはどのように行っていますか?

Juan:基本的にはギターリフから作り始めて,ドラムを加える.そして僕らかヴォーカリストのBruceがアイデアを出して彼がヴォーカル部分を構築していく.そして僕らはそれが巧くいくまでその作業に取り組むんだ.そして最後にギターソロパートを加えるんだ.

Q:曲を書くときにどのようなことに注意しますか?

Juan:最も重要なのはヘヴィーであることそしてAGENT STEELらしいサウンドであること,もちろん同時にメロディクであること,オリジナリティーといったことが多分もっとも重要な要素だね.

Q:一曲目の"Destroy The Hush"はAGENT STEELの復活を祝うかのようにとってもエネルギッシュな曲ですね.この曲について教えて下さい.

Juan:この曲は演奏するのが凄く楽しい曲だ.凄くヘヴィーな曲だ.僕らはより重い印象を与えるためにギターを1bit下げてチューニングしているんだ.歌詞も凄くクールだ.

Q:次の"Illuminati Is Machine"は個人的には一番気に入っている曲の一つです.あなたのカラーが効果的で,速いパートはEVILDEADに近い感じに思います.この曲についてはいかがですか?

Juan:そう,この曲は僕の一番のお気に入りなんだ.終始昔ながらのスラッシュさ.歌詞も強烈だし.中盤での僕とBernieとのギターソロバトルもクールだし,ヴォーカルのコーラスもとても魅力的な仕上がりになった.

Q:"Fighting Backwards"は以前のAGENT STEELの曲のスタイルと異なると思います.この曲はどのようなイメージで書こうとしたのですか?

Juan:この曲は始まりと終わりにサンプリングしたヴォーカルを配置することによってより一層未来的なmetalになった.この曲に関して何にインスパイアされたものかってことは僕は知らないんだけど.

Q:"New Godz"は大変気に入った曲です.この曲は私が知っている80年代のAGENT STEEL的な感じがします.これはそういった狙いがあったのでしょうか?

Juan:いいや."New Gods"はBruceとBernieが一緒に書き上げた新しい曲だ.僕も同様に好きな曲だ.僕らは意図的に"New Gods"にAGENT STEELのモダンなサウンドを作ろうと試みた.けれども君が気に入ってくれていることはすごく良いことだ.

Q:"Know Your Master"はとってもスリリングな曲ですね.ヴォーカルラインも非常に印象的です.この曲については?

Juan:僕は中盤のBernieとのハーモニーソロがのお気に入りのパートなんだ.プレーするのがとっても面白いよ.

Q:次の"Infinity"はヘヴィーなリフが特徴ですね.これはAGENT STEELとしては新しいタイプの曲に思えますが,いかがでしょう?

Juan:この曲は僕とChuck,そしてDwell Recordsで働いている僕の友達のJerry Battleによって書かれたんだ.君の言うとおり,新しいタイプのAGENT STEELの曲だね,Jerryの手助けもあったし.これは共作者としてAGENT STEELのメンバー以外が加わったはじめてのケースだ.基本的にJerryは僕の仲の良い友達であってAGENT STEELの大ファンなんだ.それで彼がリハーサルを尋ねてきてアンプにつないで一緒に"Infinity" のアイディアを思いついたんだ.もちろん,後に後手ヴォーカルがフィットするようには書き直したけど,一般に言うなら彼は僕らと一緒に曲を書いたことになる.そして彼は共作者の一人としてライナーメモにもクレジットされている.

Q:"Awaken The Swarm"は多くの部分はヘヴィーなバラードですが,そのせいで速いパートが非常に活かされてますね.この作曲のアイデアは素晴らしいと思います.これに関して何かありますか?

Juan:僕らは速い部分から遅い部分へとムードが変化する曲を書こうとしたんだ.これは僕らが思いついたんだ.歌詞も音楽的も同様に凄くヘヴィーな曲だ.

Q:"Into The Nowhere"の意味は何でしょうか?

Juan:正確にはわからない.これはBruceに尋ねるべきだね.音楽的な部分に関してなら答えられるよ.この曲は「Unstoppable Force」時代から残されてた唯一の曲だ.当時,僕らは"Gypsy Spy"というタイトルで呼んでたんだけれども,新たに書き直してタイトルも新たにしたんだ.「Omega Conspiracy」の他の曲は総て1999年に書かれたんだが,"into the nowhere"のオリジナルは1986-87年に書かれたんだ.

Q:次の"Bleed Forever"は優れたソフトバラードですね.AGENT STEELは過去にもいくつかのバラードを作ってますね.なぜアルバムにこのようなバラードを必要とするのでしょう?

Juan:僕は判らないけど,「Unstoppable Force」アルバムのラストにも"Traveler"というバラードがある(アリーナクラスの大きなコンサートホールでは特別にライブで演奏する曲だ).そして僕らは「Omega Conspiracy」には新たなバラードとして"Bleed Forever"を入れようって決めたんだ.

Q:ラストの"Its Not What You Think"は凄くタイトな曲ですね.なぜこの曲をアルバムの最後に持ってきたのですか?

Juan:僕らはこの曲を一番最後に書き上げたんだ.それでアルバムの最後に置いたんだ.この曲は映画「マトリックス」によって引き起こされたものだ.

Q:今のLAのメタルシーンについて教えていただけますか?

Juan:LAのメタルシーンはかつてほどは良くない.けれどもそれなりに成長している.僕らはLAの"Whisky"っていう名前の素晴らしいクラブで5月5日にARMORED SAINTとプレイするんだ(これはLAのクラブサーキットへ真のmetalが戻ってくる始まりだ).

Q:ABATTOIRのウェブサイトで彼らが作成しようとしている新作はあなたが特別に参加するだろうと書いているのを見たのですが,これについて教えて貰えますか?

Juan:僕はABATTOIRがレコード会社とサインすることの手助けをしている.契約が決まったら一曲だけギターを弾くかも知れない.正式に加入することはないと思う.何故ならばAGENT STEELの方で忙しいだろうから,ABATTOIRには時間は割けないだろうしね.

Q:最後に,日本にいるAGENT STEELのファンに対してメッセージとインフォメーションをお願いします.

Juan:もし,君がAGENT STEELの新作をききたいなら,www.musicblitz.comを尋ねてくれれば無料サンプルをダウンロードして聴くことが出来るから,よろしく頼むよ.僕らはMetalを支持し続けてくれている総ての日本のメタルファンに感謝しているよ.これからもずっとメタルを宜しく!


 

オールドファンにとってはJuan Garciaといえば,Speed / Thrash Metalの歴史を大きく変えた偉大な人物の一人であり,ギタリストとしても素晴らしいテクニックを持っているギターヒーローであったと思う.正直,そんな彼がこんなに丁寧に答えてくれたことはただただ感動である.80年代のAGENT STEEL解散に関するエピソードは敢えて触れないことにするが,オールドファンならば承知のことと思う.まあ,それ以前にJuanとBernieがバンドを去った理由,再結成メンバーにJohnがいない理由も察しがつくことだろう.それにしても,Juanはとにかくギターをプレイすることが好きだということは充分に伝わってきたと思う.特に相棒でもあるBernieとの息のあった掛け合いは健在であり,このギターバトルなしにAGENT STEELとは言えないだろう.再結成組の中でも最も積極的に活動を行っている彼らから目が離せない.