京大定食 “大学を斬る!”企画
日程:2000年11月26日(日)
時間:13:00〜15:00
場所:京都大学新法経第一教室
主催:もろ研修
協力:石村雅雄助教授
(京都大学高等教育教授システム開発センター)
実行:京大定食STAFF
企画責任者&文責:山本朋佳
(教育学部2回生)




  ☆このページでは学生が主催した京都大学オープンキャンパス「京大定食」のなかで、京大を目指す中・高・予備校生と京大生が参加して行った座談会企画「大学を斬る!」の企画段階から当日の様子、スタッフを含めた参加者の反応などを報告書としてまとめたものを一部修正して掲載しています。



はじめに


  「学生によるオープンキャンパス」を実現させようと決まり、何度となく話し合いの場がもたれてきました。学問の面白さ、自らの可能性の発見、学問の学際的側面など、私たち自身が大学に入って感じ、かつ重要で、高校時代に知っていれば良かったなぁと思うことを、京大定食に来てくださる高校生の人に伝えたいという思いが私たちには強くありました。

  ですが、議論を重ねるうちに、私たちが一方的にメッセージを発信するだけで良いのだろうか?そんな企画で高校生たちは満足してくれるのだろうか?私たちの方こそ、彼らから学ぶことがあるのではないだろうか?と思い始めました。

  「そうだ!高校生と大学生が直に交流しあう場を持ってみよう」このようにして生まれてきたのが本企画です。
  大学生・高校生とも感じ方は様々でした。これからその様子を見ていきたいと思います。




1.企画の流れ



テーマ設定

  高校生と大学生が相互に交流しあうときに、互いに刺激しながら話し合えるテーマはなんだろうか?とまず考えました。

  ・大学とは何かについて考える
  ・遺伝子
  ・京都大学の受験は本当に京都大学にふさわしい人を選抜するためのものなのか
など

  色々なアイデアを出し合いましたが、やはり今回の京大定食の大きなテーマにそうものは「大学とは何か?」について考えるということでした。京都大学の学生となる人の多くは、大学に行くことは当たり前という世界で生きてきており、大学に入学したあとに自分のしたいことがわからなかったり五月病にかかったりしています。STAFFも例外ではありません。

  大学生の学力低下・無気力が問題視されている状況の中で、高校生の時に「大学とは何か」そしてそこから派生する様々な疑問を真剣に考える時間を持ってもらうことは大いに意味のあることだろうと考えたのです。

講演者依頼

  ならば、このような問題意識で研究を重ねておられ、また学生にも多大な人気のある石村先生に導入としてお話いただくのが良いのではないか、ということで石村先生に講演をお願いしました。石村先生は快諾してくださり、私たちも幸せでした。

企画の詰め

  石村先生との打ち合わせを5回ほど持ちました。
  ・必要な機材
  ・どのような話の流れで講演を進めていくのか
  ・どのようにしたら高校生が気持ちを話しやすい雰囲気が作れるか
  ・遅刻者をどうするか
  ・アンケートをどのようにしてとるのか
  ・講演と座談会の時間配分
などを主に話し合い、STAFFと石村先生との両方の合意が得られるまで話し合いを続けました。



2.当日の流れ

-参加者数-
70人(参加応募約200人)

-協力者-
石村雅雄助教授(京都大学高等教育教授システム開発センター)

-座談会ホスト-
もろ研スタッフ・当日スタッフ・教授など総勢20名強

-座談会の流れ-
1.石村助教授の話(参加者との対話しながら):大学には何のために来るのか、など
2.参加者が希望トピックを用紙に記入
3.集計後、参加者をトピックごとに割り振る。1グループ5〜6人。
4.グループごとにホストがつき、話を誘導。
5.全体に対してグループごとの話し合った内容を説明
6.石村助教授のまとめの話

-トピックの種類-
トピックA:京大のイメージ&京大生のイメージ
トピックB:あなたはなぜ京大に来ようと思っているのか?
トピックC:高校生として今あなたは何を学んでいるのか?(&大学でどう学ぶか?)
トピックD:大学を選ぶ基準
トピックE:友人関係

-問題点-
座席配置
机と椅子が床に固定してある教室の都合上、座談会で完全な円をなして着席するということが不可能であった。「みんなの顔が見えるようなしくみを考えれば、もっとコミュニケーションがうまくいったかも知れません」という指摘のあるように、初対面の人と何かを真剣に語ろうとするときには、お互いの体の配置はとても大切だということを痛感した。


今回特に力を入れた点

  「高校生が話してくれなかったら・・・企画は失敗だ!」

  ということで、話しやすい雰囲気作りに特に力を入れました。
  ・座談会の時にはお菓子を書くグループに配り、食べながら気楽に話すというスタイル
  ・企画以外もSTAFFが積極的に高校生に話し掛ける
  ・STAFFが躊躇しないように事前に自らの考えをまとめておくなどの事前のよびかけ
  ・討議の仕方についての議論
  ・名札カードの設置(参加者同士や大学生と話をしやすくする)
  ・1グループの人数設定(何人ぐらいが一番話しやすいのか)
これらのことなどを中心に話し合いました。



3.本番



  当日の午前はキャンパスツアーが実施されており、各コースそれぞれ終了時間が異なり、また参加者が昼食を取らなければならなかったために、13時に「大学を斬る!」を行う新法経第一教室に集まれたのは参加予定者約200名のうち、70人程度でした。

  石村先生は挨拶をされた後、参加者の中をマイクを持って、参加者に意見を求めながら講演してくださいました。これは石村先生お得意のスタイルで、会場には笑いも起こり、参加者の心も次第に次第に緊張から解放されているようでした。

出てきたトピックは以下のとおりです。
トピックA:京大のイメージ&京大生のイメージ

  参加者が抱く京大のイメージとは・・・?
  「自由で何でもあり」「古い」「入るのが(入学するのが)難しそう」「おもろそう」
   京大生のイメージとは・・・?
「おもしろい」「大学生っぽくない」「まじめそう」「かたそう」「マニアック」
  「(いろんなことを)できるから、あることを深く突き詰めることができる」
  「一見ふざけてそうだが実はまじめでかしこいところがある」
  「自由でいろんなことができる」

石村先生:「みなさんは京大に入りたいと思ってるんでしょう?これらのようなイメージを抱くということはこれらのイメージに自分を重ねたいと思っているということですか?なんで京大生そして京大のイメージというものが形成されるのでしょうか。」


トピックB:あなたはなぜ京大に来ようと思っているのか?

  「やりたいことがやれそう」   「入試で入ることができそうだから」   「なんとなく、来るのが当然だった」


トピックC:高校生として今あなたは何を学んでいるのか?(&大学でどう学ぶか?)

  「英語とか数学を今学んでいる」←石村先生:「英語とか数学を学んでいるってどういうこと?」
  「対人関係を学んでいる」
石村先生:「京大での勉強と今あなたたちがしている勉強とどういうつながりがあるのだろう。小学校・中学校・高校と12年間学校に通っているでしょう。眠いけれど毎日学校に通うってすごいことだと思いませんか?そういう学校であなたたちは何を学んでいますか?」


トピックD:大学を選ぶ基準

  何を持って大学選びをするのか?


トピックE:友人関係

  今自分の一番親しい友達が自分をどう思っているのか?
  身の回りの友人とどういうコミュニケーション形態をとっているのか?
  友達ってどうやって作るの?



4.参加者の反応



  では次に、実際に参加してくださった方々の反応を、メッタ斬りカードを通してみていきたいと思います。メッタ斬りカードについては
を参照してください。

  左半分が、参加者の方が講演終了直後に「座談会では自分はこのトピックについて意見交換したい」と思って選択したトピックについてのその時点での気持ちです。
  右半分は、座談会終了後の気持ち、つまり「大学を斬る!」を終えての気持ちということになります。

(お詫び)
  カードを記入する時間をはっきりと設けていなかったこちらの不手際のため、全てを回収させていただくことはできず、申し訳ありませんでした。参加者の方々の気持ちが素直に出ていると結果になりとても嬉しいです。


5.メッタ斬りカード集計結果



トピックA:京大のイメージ&京大生のイメージ
トピックB:あなたはなぜ京大に来ようと思っているのか?
トピックC:高校生として今あなたは何を学んでいるのか?(&大学でどう学ぶか?)
トピックD:大学を選ぶ基準
トピックE:友人関係

各トピックカード回収数
トピック人数高1高2高3その他
A2112000
B151411941
C1512301140
D3211200
E6155100
41301192381

メッタ斬りカードに寄せられた文章(名前は伏せてあります)
トピックを選択した時点での気持ち大学を斬る!終了後の気持ち&感想
上記のように、左側にトピックを選択した時点の気持ち、右側に座談会を終えた後の気持ち・感想を書いていただきました。


トピックA:京大のイメージ&京大生のイメージ
  京大は自由なところだという話をずっと聞いていました。今日実際に見てみて学生の人は本当にのびのびとしているように思いました。また、自由≠勉強をしない ということもわかりました。  楽しかったです。今の高校は課題などをどんどん出されて、与えられたことを次々とこなしていくという感じなのですが、私はそのやり方が嫌いなのでとてもしんどいです。決して勉強が嫌いというわけではないので、本当にやりたいことが見つかれば、自分で進んですると思います。そういう面で京大はいいなと思いました。
  どの大学でもそうだが、東大・京大をはじめとする大学は中学・高校からの勉強が非常に大切になってくる。しかし、それは身を削る思いをするほど大変なことである。そうやって入った大学の大学生というのはどのような人間なのだろうか?



トピックB:あなたはなぜ京大に来ようと思っているのか?
  京大生の生活をもっと知りたいと思った(高2 男)  大学の色々な諸事情が知れてよかったと思う。バイトは家庭教師をしようと思った。早く大学生活がしてみたくなった。
  結局ネームバリュー。どこの大学であってもすごい研究ぐらいしてやるわ!設備とかなんてあんま関係ない。京大の魅力ってのは東大と比べての魅力。(高2 男)  あの先生はまさにメッタ斬り!やと思った。あんなんがおりそうやから京大はええと思う。周囲の人とそれにやりたいこと やれることが魅力である(京大の)。僕のような人材を不合格にしたら、京大は後悔するぜ!!
  専攻科目とは関係ないものまで総合的に学べる場(高2 男)
  京大というのは自分のやりたいことをみつけられる人がそれに打ち込める、他にはない大学だとわかりました。自分が果たしてこのような大学で有意義な学校生活を送れるか改めて考えてみようという気になりました。
  京大というのは自分のやりたいことをみつけられる人がそれに打ち込める、他にはない大学だとわかりました。自分が果たしてこのような大学で有意義な学校生活を送れるか改めて考えてみようという気になりました。
  自分の将来の夢を実現させるためにも大学で専門的な知識を身につけることは必要だと思う。しかし、同じ夢をもっている人たちと対決して、互いに蹴落としあうとき、採用されるには優れた能力と自分の夢に対する情熱が必要だと思う。その2つの要素を比べても互いに蹴落としあっているのなら、最終的には「京大院卒」「阪大院卒」などという学歴で判定されてしまうから。
  (さっきのキャンパスツアーの中でも京大生の人に「高望みしない限り就職留年することはない」といわれたから。(高3 男)
  この入試直前の大事な時期に入試よりも重要な何かを得たような機がします。はっきり言ってこのコーナーを高1・高2で受けるよりも今受けたほうが京大に対する意志というものがより強くなるような気がします。
  石村先生へ
  何か自分を見つめなおす機会を与えてくれたことを感謝します。
  高1のときの模試の成績から、京大にいけるかもしれないと思った。時がたつにつれてそれは強い願望となり、いつしか当たり前になった。もちろんそれだけではないが、京大の志望理由の大部分は、このようななんとなくの流れで形成されているように思う。(高3 男)  様々なことを考えさせられた。今一度、なぜ京大に行きたいのかなどを考えていきたいと思う。非常によい経験になった。普段は高校の友人としか話さないので、京大生の人や、他の高校の人たちと話せたのは新鮮な気分を味わえた。良い企画だったと思う。
  石村助教授の話はおもしろく、またためになった。これからも頑張ってください。
  自分にはこの質問にはっきりとした答えはないから、他の人の意見に興味がある。(高3 男)  今までは問題集の問題(‘99 京都大)とかでしか出てなかった透明な京都大学が、だいぶ形のあるものになってきた。それだけでも今日ここに来て良かった。
  今日受けた京大のイメージは今までのものとはだいぶ違う。今までは硬いイメージも多少あったが、それがだいぶラフというかルースというか、そうなった。学生と教授との関係も良かったと思うし、来年は来たい。
  高校教育は間違っていないんじゃないか。一番大切な対人関係は十分に学べるし、勉強も大学に入るための暗記中心の勉強でいいと思う。大学に入ってから、自分のしたいことを探せばよい。
  そのための自主性を育てる教育は確かに足りない。勉強すればするほど、日本の科学を支えれる。(高3 男)
  京大はやっぱり自分の持っていた「自由」というものがある。「自由」といっても遊べる自由と、自分のしたい勉強のできる自由の両者を京大は持っている。それが僕は好きだから、やはり京大が僕に合う。
  そのためにはきちんと自主性を持ってないといけない。だから自分を見つめる場にもできそうだ。
  理学部のシステムが自分に合っていると思ったから。(高2 男)  「京大の魅力は、思考がひとつにまとまらないこと」という意見には共感を覚えました。また京大の諸事情を知ることができてよかったです。
  なぜ京大に来ようと思ったのか・・・理学部なら京大?なぜ東大じゃなくて京大なのか?周りは東大志望が多い・・・天狗名・・・というだけではない。
(この時点での結論)
  結局は雰囲気ですね。居心地がいいとか悪いとか・・・なんとなく合ってると思ったらそれでよいのでは?いや、良くないか。やっぱ良くない。うーん・・・でも「なんとなく」も重要と思います。(高2 男)
  同じ京大志望の人たちと話す機会が得られて大変良かった。皆いろんなことを考えているんだなぁと思った。選んだトピックの内容に限らず、色々と興味深い話もできた。
  結果的にますます京大に入りたくなった。今日の会場にいる人と、もう一度合格してから、京大で話がしたいです。
  ・ 設備が整っている
  ・ 都会(高2 男)
  京都大学が他の大学と異なる点についてほかの受験生の意見を聞くことができて勉強になりました。座談会は少人数だったので色々と話し合えてよかったです。時間がもっとほしかったです。
  石村先生のお話では、大学選びについて根本的な問題を考えるよい機会になったと思います。
  私がどの大学に行くのか迷っているので(高2 女)  なんとなく京大に行きたいという意見が多くてちょっと意外でした。あともっと突っ込んで話せばよかったと後悔しました。大学のことを知らないのに、どの大学のどの学部か決めなきゃいけないというのは大変だと思いました。
  私は五月病にかからないと思っていたけれどかかるかもしれないと思いました。できればこれからも1年のうちに何回かこの企画してください。(もっと深く話したいし、時期によって考えも違うし『都合』が合わなかったりするので。)ありがとうございました。
  京大の医学部は面白そうだ(高2 男)  京大の真実の姿を知ることができた
  ・ いい医者になるため
  ・ 研究の最先端を行くため(高2 男)
  自分がなぜ京大を志望したのか、本当に京大でいいのかということをきちんと考え直す機会を持ってよかった。それと先生があちこち歩き回りながら話してくださったのは、親近感が持ててとてもよかったです。
  きっかけは両親がここの農学部だったから。ある人に言われたことだけど、やはり「親をこえなきゃいけない」と心のどこかで思っているのかもしれない。それが理由の一つかもしれないし、それが京大に来ようと思ったすべての理由かもしれない。
  他の来ようと思った理由は、強制が弱い=選択権がある。すごいやつがいると思う。世間で言われるイメージが自分にあっていると思った。学歴もあり(オマケ)京大に入れるくらいの(受験)勉強がごときこなしたい(その他 男)
  学生の方がこの企画を実現にまで持っていった実行力に拍手です。HPでも多く情報を得られて良かったです。(BSSも一回書きました。) 受験者側からすると、本当にありがたいことで、ずっと続けてくれたらとても助かるイベントです。
  まだ高1ということもあり、学校選択に迷っているところがあり、それを解決できたらと思っています。(高1 男)  自分の考えの中から表現することができなかったが、年上で違う高校の人の考えを聞くことができたことが今日の何よりの収穫だったと思います。



トピックC:高校生として今あなたは何を学んでいるのか?
(&大学でどう学ぶか?)
  学校で学んでいること→人生?
  一時期は学校がいやで“受験”ということに追い込まれていて、学校にいるのが時間のムダに思えたことがあったけど今は好き。(高2 女)
  私はもっといろんな人と知り合いたいのもあって大学に行くのかなーとも思う。ただイメージが先行しているだけかもしれないけれどやっぱり大学って楽しそうかなと思った。
  勉強でも何でも自分が選んで進めたらいいけどそれができるのか?って疑問。
  石村先生、面白くて可愛かったです。もしかしたら真剣に授業とるかもしれませ―ん。自分の信念を持って生きられる人になりたいなぁと思った。人間が「考えられる」ことは幸せなのか、そうじゃないのかわかりませんー。
  (高2 女)  はっきり言って自分は京大でいいのかと不安になりました。でもまぁ、まだ高2なのでゆっくりゆっくり考えて決めようと思います。
  ただやっぱり京大に行きたいと思っているのは“センノウ”されてる面が大きいなと思いました。
  現在学んでいる学問は「受験のため」が一番で、その次に将来の就業に必要な基礎的なものなど。また多くの人に触れて意思疎通を図れるようにする。
  大学では自分のやりたいことをしたい。(高2 男)
  大学・京大に関する疑問が解けてよかったし、また新たな問題が出てきたので今後はそのことを考えながら高校生活を送りたいと思います。
  よくテレビで「東大一直線でやってきて、受かったらやることがなくなった。」という人がいたんですけど、僕はそういうことがないようにしたいです。具体的に、今決まっているけれど、常に本当にこの学問でいいのか?ということを考え、吟味していきたいと思います。
  (高2 男)  今日このツアーに参加したことで、新しい京大のイメージができたり、同じ立場の受験生の話が聴けてよかったです。
  (高2 男)  大学での勉強は自分の意志次第だということを痛感した。トピックごとの話し合いの中で、スタッフから聞いた「大学で学問に目覚めた」とう内容の言葉が印象に残っている。
  自分も本当に興味の向くものを見つけて一心に学べたらいいな・・・と思っている。
  京大の自主性がすごく伝わってくる話だった。(高2 男)  石村助教授のような名(迷?)教授を出していただいてよかった。かなりぶっちゃけていただいたので、京大 というぼやけた感じしかしなかった文字がぐっとはっきりした。スタッフの人とも話して再認識したのが、自由は京大において最大の魅力だということで、その反面自由は現代の若者には使いこなしにくいということだった。
  このツアーで見た限りでは、怪しい部屋や汚いチラシはあったものの、変人はあまりみられなかったので心残りだ。
  高校生として今なにを学んでいるか?大学ではどう学ぶのか?
  大学で学ぶため。基礎知識を学んでいる。
  今日のキャンパスツアーでも聞いたこと。自分で学ぶのが主となる。大学院の先生はいるけど、大学の先生がいないらしいので自分で学ぶための基盤を高校でつくり、大学では好きな分野の研究をしたい。大学或いは高等教育論・・・万が一合格するようなことがあればとろうと思う。
  学部を超えて講義を受けることもできるのでやりたいことが決まっていたらどの学部でも入って中で考えることはできる。“問い”(=なぜ学ぶのか?)を捨てないことが大事。答えを見つけることも大事だけど。(高3 男)
  大学では全部がそうなのかもしれないけれど、自分で考える時間を与えてくれるのがすごい良かった。
  自分で学びたいことを本当に見つけることが必要なんですね。自分は人工視覚について研究したいと思ってますが、医学部と決めてかかるのではなく、他の学部も考えて、まず大学に入って考え直してみようと思う。
  高校時代と大学時代との勉強の仕方のギャップが不安の要素になっている。
 独学と塾などの暗記教育との違い。(高2 男)
  偏差値だけで大学を決めてしまうことの欠点について考えさせられた。今、僕は暗記教育にしたがって勉強しているので、興味を持って勉強するということに気をつけたいと思った。
  悪い雰囲気ではないと思うので、どうせなら関西圏NO1の京大を受けてみようと思う。
  大学に入ってから何を学ぶかについて決めかねているのでイメージを膨らませておきたい。(高3 女)  研究者を育てる京大は私の理想の学校にとても近いように思います。それを今日確信しました。受験勉強を進める上での目標が定まってとても勇気付けられました。
  基本的に勉学であるが学校で学ぶことは他に沢山ある。対人関係もそうだし、社会の仕組みということもそうだ。
  大学で学ぶこととは何かわからないが自分から学ぶという形を取るということが大変だろう。(高2 男)
  参考になりました
  大学で何をしなければいけないか、またどのようなことができるかということが少しでもわかって良かった。
  ○○さん(忘れた)、ありがとうございました。アメフト部の人によろしく言っといてください。
  今僕は大学に入るための勉強をしている。将来的には物理学を専攻しようと思っているが、現在の勉強と大学での勉強のギャップはどのようなものなのか。(高3 男) 
  正直話を聞いて、自分が京大生としてふさわしいか、かなり疑わしく思う。中学受験をはじめとする教育課程を経て、自分は塾のような教育体制の下でしか学生として存在できないように思えてきた。そう考えると自分が今どういうわけで勉強しているのかもわからなくなってくる。だからみなの意見を聞いて少しでもその価値を見出したいと思う。(高2 男)  助教授や学生の方に生の意見を聞くことができたので、本当に参考になった。こういった企画を設けていただいたことに感謝したいと思います。
  (高3 男)  京大に入る前に京大のことを深く考えさせられた。自分はなぜ京大に入るのか受験勉強をしながら考えてみたい。
  (高2 男)  大学生の考えていることがわかった。 大学内部の色々なシステムを知ることができた。
  アメリカなどでは、例えば何人もノーベル賞受賞者がいるが日本はほとんどいない。自分で何を研究するのかを決めることができないからだと思われる。だからいくら京大が(一般に言われている)自由で何でもできるといっても、それ以前の教育体制(暗記中心や与えられたことだけをする)がこのままでは何もできないままになるだろう。(高2 男)  もっと早くこのような企画を立ち上げてほしかったです。中身は結構ハイレベル。十分味わいました。
  石村先生へ
  大学入ったら『もろ研』に入りたいです(or新規作成)。



トピックD:大学を選ぶ基準
  <将来の夢に忠実に従ってそれに見合う大学がいい。今の私の夢はやっぱりそれなりのレベルの大学でないと無理。(高1 女)/font>  やっぱり計画に沿って勉強するほうが楽なのかもしれない。全部『自分で』っていうのは辛いかも。
  先生が話されることは面白い。中には私が今まで少し考えていたこともあるけど、考えたことのないようなこともあって、深く考えることができた。
  この大学のイメージが来る前と変わったけれどそれはいい意味で変わったと思う。
  なんだかんだ言っていまだに学歴信仰は崩れていないのではないか。 (高2 男)  石村先生は人に絡むのがうますぎです。
  現代では半分当たり前のようになっている偏差値での大学分けに疑問を感じていた。(高2 男)  他の人の話を聞いていると自分だけだと思っていた考えも同じように考えていることもあったし、逆に人それぞれ全然違ったふうに思っていることもあった。
  ここに来た人も高校生という面では同じなので少し安心感をもつことができた。



トピックE:友人関係
  一番(先生の)話が短かった。5分くらいだったように思う。そのためあまり先生の話を聴けなかった。少し興味があるのに話が聞けなかったのは残念なので、年上の人の話を聞くために選びました。 (高2 男)  楽しかったです。久しぶりに年上の人の意見が聞けていい経験になりました。
  一番話しやすそうなテーマだし、大切なものだから選びました。(高1 女)  講演では色々と意外なことを聞いて、自分の中にあった京大イメージはどこから来たのだろう?と思わされました。座談会では、大学では友達がどんなものかを知ることができ、とても有意義だったと思います。
  大学ではどんな友人ができるか。(高1 女)  偏差値は撲滅しましょう。
  石村先生 ありがとうございました。サークルやクラブ活動がとても楽しそうだったのですが、授業についてのアピールが少なく、先生はよい先生です。ありがとうございました。
  Cの議題も気になったのですがEの議題はこれからずっとつきまとってくるので。良い友人関係は「宝物」といわれたり友人がいないと寂しいと思ったりするので。(高1 女)  石村先生 ありがとうございました。話面白くて、今まで京大のイメージはあんまりなかったのですが少し固まりました。そしてなんといっても気に入りました!おもしろそうだなぁ いいなぁって。もし入れたら石村先生の授業とるかもしれません。そのときはこの講演に出たって優先してもらいます。
  座談会もスタッフの方のお話を聞いて、それわかるーっていうのが少しと、大学に入ってからの友人づきあい等では、へーそうなるのか・・・っていうのが半分くらいと、大学生になって高校生の友人づきあいを振り返ると・・・というもの等では高校で損得なし(大学も)の友人ができるというのは大切だなと思い、しばらく人見知りになっていた私は知らない人の中に入って話してみよう!という勇気を与えられました。もし入れたら「もろ研修に入ろう!?」って考えるような気がします。本当に来て良かったと思いました。
  石村先生、STAFFの方々ありがとうございました。
  何かA・Bは引くし、C・Dは寂しいし・・・せっかく友達と来てるんだから、Eがいいかなって。(高1 女)  楽しかったですよ、ゆうちゃん(笑)最後はどうなるかと思ったけど。
  高校受験のときに「自分の長所・短所」をアピールする欄があった。私はそのとき自分の特徴、自分の人と違うところ、自分だからこそできることを考えてみた。
  でも結局大したことは見つからず(別に大義名分めいたものを求めていたわけではないが)当り障りのないことを書いた記憶がある。これを友達に言ったとき「自分で考える。」とか「・・・・優しい」などという返事が返ってきたが、本当に自分が情けなく感じた。高校に入って半年、新たな友達は自分をどう見ているのかはっきりいってわからない。 (高1 女)
  つくづく大学と高校生活の違いを感じました。小・中・高とクラスという集団の中で、しかもそれが当たり前のように毎日を送ってきたのに、大学は本当に個人主義でやろうと思えば1日中誰との会話もなく過ごすことができる。もちろん逆にそれこそ一生の友達もできる可能性も大きいが。
  私は中学生の頃からの友達ととても仲良しで、高校は違うのですが、今も付き合いは続いています。しかし、だからといって何でも話し合えるかといえばそうではないことに改めて気づきました。
  京大キャンパスに来て、友達について、自分について見つめなおそうとは、またアドバイスをいただこうとは思ってもみませんでした。
  全体を通して自分の大学の選択だけではなく、自分を磨くこと、将来のことにおいてとてもためになったと思います。
  教授の方の話し振りが妙に人間味があって面白かったです。ありがとうございました。

6.ホスト(グループリーダー)を担当したSTAFFの反応



  ここでは企画段階から様々な不安を抱えながらも、頑張ってホストをやり終えたSTAFFの反応を見ていきたいと思います。参加されたみなさんは、大学生の率直な感想をどのように受け止められるでしょうか?STAFFそれぞれに事情があり、全STAFFを網羅することはできませんでしたが、回答をよせてくれたSTAFFの声をご覧ください。

トピックA担当

トピックB担当


  神田恵理子(総合人間学部2回生)

(担当したグループで話した内容)
  どうして京大を選ぶのか?・・・総人生らしい話をしてしまった。
  私は、悩むため・自分について悩むために大学に来てもいいと思っている。
  大学に入ってから色んな人と出会って。・・・この考え自体、コンセプトに外れているのか。
  だから、「どこでも大学はいいけど、自分の学びたいことは学べないと意味ないから、その辺ちゃんと調べて来いよ」と話した。

神田恵理子から見た高校生の座談会での様子・雰囲気
  戸惑っている印象を受けた。知らない人の中でいきなり自分の考えを言うのはやはり難しいだろう。結構私はバカにされてたなあ、と思う。「今更そんな悩んでんかよ、バッカじゃなかろか」といったところ?

ホストをしていて印象に残ったこと
  浪人生の考えが、いちばんしっかりしていた。時間がある分考えているということだろうか?「成績がいいからなんとなく京大」「東大はいやだから京大」と思っていることが、恐ろしい。でも、石村先生のお話で、ショックを受けた子は受けたようだ。

今後ホストをするとすれば!?の課題
  あの人数でいっぱいいっぱいだった。多分みんなもそんな感じ。最初の計画だとあの倍の人数を予定してたのだから、もしそれが現実になったら恐ろしい。完全に私たちの手に余る。ホスト側の練習が必要だと思う。うーん、どうしたらいいんだ?テーマをせっかく先生が事前に提示してくれたのだから、各自事前に全てのテーマについて話すこと、話の持って行き方などを考えておくべきでした。今回の企画全体に言えることなんだけど、「何とかなるだろ」って言う部分が多すぎた気がした。

感想
  私は、自分自身を見直すいい機会になったし、自分の発言が他人の人生に影響を与えてしまうということの恐ろしさを強く感じました。


  小野智美 (法学部2回生)

まとめ
  (自分がどのトピックを話したか)思い出せないのは時が経って記憶が薄れてるせいもあるけど、あの時すごくパニックってしまったのが原因だと思う。(自分の担当グループの高校生が)全員理系と聞いてかなり動揺してしまった。話の入り方がわからなくなってしまったんだと思う。
  なぜ京大に来たいのかみたいなトピックやったかな?医学部志望の子がかなりしっかりしてて、なぜ地方の医大ではなく京大を志望するのかとかを話してくれたけど、医師の現状とかをよく知らなかったので「へーそーなんや」って相槌しか打てなくて悲しかった。京大は自由で面白い研究ができそうとか大学でもスポーツやりたいとか、なぜ学ぶのかといった辺りを掘り下げることができなかった。
  私の話の進め方もまずかったけど、あまりそういうことに(高校生は)関心が無いみたいだった。それで結局他のトピックも話して、高校の教育で話が比較的はずんだ。やっぱり今いる環境についてはよくしゃべってくれた。
  「自分の選んだ道をマニアックに進んでいる人たちが僕の学校には多い」とか「ちっとも受験指導をしてくれずほったらかし」とか「マニアックな中にいると慣れてきて普通になる」とか言っていた。「わりと京大と似てるところあるかもしれないね」とつなげながら話した。
  同じ高校の3人とそうでない1人の間で始めは同じ高校生3人の方がお互いしゃべりあってたけれど、あとのほうになると私が話を振る前に違う高校の子が3人に話し掛けたりする場面も見られて良かった。「これが座談会や!」とやっとその時に思えた。


高木麻里 (法学部3回生)

担当したグループで話した内容
  [これは私の反省なんですが、トピックに焦点を定めきれずに、広く大学一般について話をすすめてしまいました。だから、トピックとずれているかもしれません。]

(1)なぜ京大なのか?という質問をしました。
  1人の男の子は、「親が京大卒で、話を聞いていて、おもしろそうだと思ったから行きたくなった、でも、自分の学力が京大の射程範囲であるからだ」と言っていました。外の3年生も、まず、学力が狙える範囲内であるということが前提だったように思います。

(2)授業に出るべきか?ということについて。
  大学に入ったら、何をしたいか?と問い掛けました。これに対して、みんなが「専門分野の勉強をしたい」といいました。大学生としてしかできないようなこと(学生サークルで何かを企画したり実行すること)は、入ってからでないと何ができるかはわからない、でも、少なくとも勉強はできる場であるとみんなが思っているようでした。

(3)京大生の生活について 下宿をしたいか、実家から通いたいか。
  親が京大卒の子は、絶対下宿をすると言っていました。ほかの3人はお金がかかるから家から通うといっていました。私は、学生生活の2年間を実家で、2年間を下宿ですごすので、両者の違いが実感できるので、自分の体験に基づいて少し話をしました。

(4)将来の夢について
みんな将来の夢や勉強したい方向をしっかり持っていて、そのために京大で勉強したいという意識がありました。

(5)友達について
  大学での人間関係と高校での人間関係の違いについて。
  高校では、同じクラスで毎日集団行動をしていると、自然と濃密な人間関係が形成されるが、大学では、何かの組織に属していないとそのような関係を気づきにくい、ということを提示して、大学でどのように人間関係を形成していきたいか?という質問。
  1人の男の子は、研究室など限られた人間関係だけでも、自分が学問を追及できる限り、それはかまわないし、人と人間関係を築いていくのがしんどいからそうしてしまうだろう、と言っていました。ほかにもいろいろ雑談しましたが、だいたいこんな流れでした。

高木麻里から見た高校生の是段階での雰囲気・様子
  男の子2人は友達同士ということもあって、まったく緊張したりすることもなく打ち解けていい雰囲気でした。大学に入ってからの生活(バイトやサークル)の話になるとみんな関心があるみたいで、積極的に質問してくれました。
  夢は、あるけれど、まだ自分の言葉で語るほど形になっていない、という様子でしたし、初対面の人の前で多くを語ることをためらっている様子でした。人数的には最適だったと思います。

ホストをしていて印象に残ったこと&今後ホストをするとすれば!?の課題
  こちらから質問をしたら答えるけれど、話をききたいという印象を受けました。私が話をしすぎたと思います。質問を考えるのが難しくて、話をふることができなかった、という私の力量不足を痛感します。

感想
  私の受験生時代と重ね合わせてみんなの話を聞いていました。私は、大学に入ったら何ができるか、何がしたいかなんて考えていなくて、単に漠然としたあこがれや、偏差値、将来に対するなんとなくの夢などで考えて、具体的な学生生活をイメージせずに京大に入りました。
  でも、この企画を通じて、それって、みんなそうなんやー、って思った。というより、学生が大学に入って何ができるかということに関する情報があまりにもなくて、考える機会がほとんどないのじゃないかとおもいました。
  予備校が示す資料は、偏差値であって、客観的数値でしかなく、自分が何をしたいかということは、自分で人に話を聞いたり、考えたりしなければわからないものだな、と思いました。そういう意味では、この企画は学生の生の声を伝えることができた企画としてすばらしいものだ!と思いました。
  ただ、自分の価値観の押し付けになってしまった面が多々あることが非常に反省してしまう点です。高校生の純粋な学問に対する情熱や、期待をもしかして壊すような発言をしてしまったかもしれません。(教養の意義など)その点はもっとうまい言い方があったかもしれないと悩むところです。


久保智祥 (文学部2回生)

担当したグループで話した内容
  「なぜ京都大学なのか」その理由を生徒にまず聞いてから、ホスト2名も自分の理由を語った。
  生徒はやはり受験という要素が大きいようで、東大は科目数からも狙えないから、しかもできるだけいいところに入りたいから京大ということをだいたい共通していっていた。
  一人の生徒は「僕は東大の器じゃないんです」という言い方をしていたのが印象的だった。それに対し、私や仲間君は東大と京大を同等に(受験レベルとしては)みていたので意外であった。「東大と京大は入試レベルとしては同じだけど、タイプがまったく異なるでしょ。そこで自分がどっちに向いてるのか考えてよ」というのがホストの思い。ただし、ここからはあまり話が広がらなかった。
  困ったホスト二人は少し話題を変えて、「京大に入ったら何がしたいか」という方向で何のために京大に来るのかを問い掛けた。高校生の答えは「勉強・学問・研究」が多かった。
  かつては同じ思いを持っていた者としてホスト二人は自分たちもそう思って入ったけど、実際講義にはあまり出ないし、出なくてもなんとかなるし…と自分の体験談を話し、高校生の「大学で勉強するぞ!」幻想を打ち砕いた(か?)。
  しかしそれで終わっては単なる駄目人間のすすめになるので、京大的自由さを何に使うかが重要というお決まりのことも話しつつ、勉強でも講義にたくさん出ることが重要なのではなくかえってそれは自分の本当にやりたい分野を深めることができないのでマイナスかもよということや、図書館の蔵書の多さや、一流の研究者がたくさんいること、学住近接での深い人間関係故の学問以外の勉強もできること、…など京大のよさをアピールしながら高校生にホストが思う「本当の学び」像を提示した。

久保智祥からみた高校生の座談会での様子・雰囲気
  固かった。自分の考えを言うことになれていないのか、なかなか乗ってくれなかった。かといって退屈しているのではなく、ホストの話はそれなりに興味を持って聞いてくれていたようだった。

ホストをしていて印象に残ったこと
  高校生が乗らなかったという事情もあるにせよ、ホストがしゃべり過ぎた(反省)。高校生はやはり「幼い」「世界が狭い」「受身」だと思った。

今後ホストをするとすれば!?の課題
  いかに高校生にしゃべらせるか。こんかいも頑張ってはみたが、場の辛さに耐え切れずに、ホストがしゃべってしまった。

感想   難しかった。しかし、自分の京大観をみつめなおし、また他の人の考えを聞いて自分の見方が多少とも変わっていくのが面白かった。高校生に対してホストが多少一方的ではあるけれども、とにかく放ったメッセージが届いてくれて、それをきっかけにいろいろ考えてくれたらいいなと思います。



トピックC担当


佐藤千春(教育学部2回生)

担当したグループで話した内容
  大学での学びと高校での勉強の違い。・・・高校での勉強は大学での学びにつながっていると思う人と、自分のやりたいことと高校での勉強は結びつかない(高校での勉強では、やりたいことの分野が明確でない)という意見があった。
  それぞれの今の勉強に対する思いを簡単に話す中で、ホストである大学生2人の今の学ぶことへの姿勢や大学に入ってからの勉強スタイルの違い、入学当初五月病的だったことなどを話した。どちらかというと、大学生の方がたくさん話してしまい、高校生の相互のやりとりまで発展しなかった。

佐藤千春から見た高校生の座談会での様子・雰囲気   上に書いたような感じです。興味を示したのは、大学のカリキュラムとか、試験について、受験勉強についてもです。話しにくいのはあったかもしれません。ホストの力不足と論点を明確にできなかったから!

今後ホストをするとすれば!?の課題
  相手の意見を引き出すために、これだけは自分が話したいと思うことをはっきりイメージしておけばよかった。そうすることで相手の意見をもっと余裕をもってきくことができ、また深めることもできたのではないかと思います。そのためにも、どういうテーマで話すのかホストは十分知っておく必要があると思います。
  それから、相手に聞かれそうなことがある程度分かっていたら、それについての情報も持っておくべきかと。(理系分野の知識はないけれど、大学全般についてはわかるようにとか)下準備は大事だなと思います。用意周到に超したことは無いと思うので。

感想
  やっぱり、自分の力不足を痛感しました。建設的に、話がつづくように、意見をのべることが全然出来なかった。自分の思うことをいうだけはできても、それをその話の中でどう位置づけて、それに対する意見を引き出せるかは、本当に難しい。日ごろからの訓練します。教授の話はすごかった!あの短い時間であれだけのテーマを並べて、高校生のこころに訴えかけてくださったことに、尊敬&感謝です。


山本朋佳(教育学部2回生)

担当したグループで話した内容
  まずはどうしてこのトピックを選んだのかということを自己紹介を兼ねて話し合いました。「参考書などの本を読んで独学で受験勉強しているがこれではダメだと思う。」というグループの一人の話から「独学ってどうやってやるん?」とその子の勉強スタイルに興味を持った子がいて、そこから高校時代の勉強と大学時代の勉強との違い、つながりというところに話が向かいました。

  ・「学校で学ぶことは役に立つっていうけれどそれって本当?」
  ・「社会に出てから有効なこともあるよね。でも古文とかっているん?」
  ・「何で今勉強しないといけないんだろう?必要なときにすればいいやん」
  ・「文部省は、今は必要ないものでも触れさせておくことに意味があると思ってるみたいやけど、
  自分の勉強したいものを選択して勉強したほうがいいと思う」
  ・「基礎は学校で教えてもらわないと困る。基礎を教えてもらったらあとは自分で勉強できる。
  基礎を教えてもらうという意味で、学校は必要だと思う。」

  などなど様々な意見が出ました。
  やはり、受験生だからなのか高校での勉強とはいいながら、やはり受験勉強のことの方に話が偏っているように思いました。進学校と公立のどちらのほうが成績が伸びているのか?同じ京大を目指す人がどういう勉強法をとっているのか、ということに興味が向いており高校生として今何を学んでいるのかというテーマに対してはあまり話し合いが向いていませんでした。
  ただ私が個人的に嬉しかった意見としては
  ・「勉強だけやりたいんやったら学校へ行くことは必要ない。
  学校はやっぱり友達がいるからおもろい。」
というものです。「学校なんて行かなくても、インターネットでも勉強はできる。」と一部で言われ始めていますが、やっぱり生の友達づきあいができるという学校のとっても素敵な面を見逃してはならないと思います。

山本朋佳から見た高校生の座談会での様子・雰囲気
  やはり初対面の人と話をするのは難しいらしく、話すといってもホストである私に話すということが多かったように思います。全員男の子ということもあり、次第に雰囲気も打ち解けて、自分たち同士で話をはじめる子もいました。
  ただ、目前に控えた受験という圧力がやはり大きいのか、受験という枠から視点を移動できていないことが寂しくもありました。もちろん、ホストの力不足もありますが。

今後ホストをするとすれば!?の課題
  話しやすい雰囲気をもっと作れるようになりたいと思います。あと、次々に意見が飛び出してくる中で、その意見をうまくまとめながら、でもみんなの意見を削り取らないようにしていく技術を高めていきたいと思っています。

感想
  初めて出逢い、各人が異なる人生の文脈を持つ中で、何か一つのテーマについて議論しあうというのはとっても難しいことでした。ホストという役柄から、ただ自分の意見を言うだけではなく、みんなの意見をまとめながらも活かしていくような仕方で話を進めるナビゲーターとなることには、やはり日ごろから議論の場に身を置いておかないといけないと思いました。
  緊張からなのか、男の子だからなのか、あんまり笑顔を最初は見せてくれなかったのでとても不安でしたが、話を降ると一生懸命答えてくれるのでとても嬉しかったです。また場作りにお菓子の効果は大きいとも思いました。
  たった1回限りの企画に対してどれくらい真剣に考えてくれるのかと、本番前はとても不安でしたが石村先生が着火材になってくださったおかげで、みんなかなり一生懸命考えたくれたようでとても嬉しく思っています。
  ただ少し残念だったのは、受験という圧力はやはりとても大きいということでした。どうしても受験ということが頭から離れず、受験の枠を越えて「高校時代の学び」ということを考えるということが高校生には難しいようでした。こんなことを書いておきながら、私自身、高校生の時には同じような思考をしていたので、なんだか自分の過去の姿をまざまざと見ているようでした。
  これから学部でももっと真剣に教育について考えていくことになると思いますが、この企画で出逢い、私に様々なことを教えてくれた高校生や受験生のメッセージを常に忘れないように、“私自身の学び“をしていきたいと思います。


松岡洋平 (教育学部2回生)

担当したグループで話した内容
  まず自己紹介をかねてこのトピックを選んだ理由と一通り大学に何をしにくるのか聞いた後(希望学部とからめて)で、ホストが高校の勉強と大学の勉強の違いを力説。割と研究志望の子が多かったので話をふったが、新しい発見とかをするのではなく先人の研究を検証していくとかいうことで満足するみたい。僕はもっと自分なりの研究をした方がおもしろいかもよ、といったのですが「いや、人のやったやつをやるのもおもしろいですよ。」と一蹴。
  ここらへんでホストが「大学生は時間があるよ〜行動するなら学生の自分しかないよ〜」とか言いつつ彼らの受験勉強についての姿勢とか、大学に入ったら自分をこう変えていこうと思うか聞いたところ、「今の延長線上でしかない」と言い放たれてしまいました。ホストはただただ時間の大切さを力説して終わったような気がします。う〜ん力不足。

松岡洋平から見た高校生の座談会での様子・雰囲気
  工学部志望の2人組は考えが固いというか、あまり人(まあほとんどホストの意見ですが)の意見を素直に受け止めるということがなく、かといって自分から話すでもなく、なかなか打っても響きませんでした。
  高一の子は割とできてたみたいだけど、ホストの話のイメージを想像することがあまりできていなかったように見えました。全体的にホストがバーッとしゃべって、それに一言二言高校生が返すという感じだったです。向こうから質問が出ることも無かったですし、一方通行に終わってしまったようで残念。

ホストをしていて印象に残ったこと
  高校生とのギャップを痛感。彼らにとってそれほどイメージしにくいテーマだとは思いませんでしたが思った以上に受験生でしたね。

今後ホストをするとすれば!?の課題
  時間配分と高校生の見極め。喋る高校生がいない場合にどのように話を続けていくか。ホストの意見はどこまでいうべきなのか。

感想
  やはりホストは同学部の方がいいんじゃないかと思いました。理系の話は微妙に分かりづらく、テーマについてもそれほど盛り上がらなかったのは彼らの方でも理系の人に聞きたかったのかもしれませんね。


菅村朋子 (法学部2回生)

まとめ
  私はこのトピックなら話がたくさんできてうまく座談会が成功すると思っていましたが現実はそう簡単ではありませんでした。
  まず、私がうまく自分の想いを話せなかったことに問題がありました。言いたいことはたくさんあるんだけど、うまく言葉にはなりませんでした。
  私の言いたかったのは要するに

  「高校で学んでいることは無駄ではない。ぜんぜん関係ないようなところで関係があったりするし、受験勉強のための勉強にせよ後々考えてみると無駄ではなかったと今の私ならおもえるという事です。また、大学は高校とはぜんぜん違う。高校は強制的な勉強で、クラスというものもあり、先生は親身になって自分の進路だとかを気にかけてくれたけど、大学は一学生のことなんてまったく気にはしていない。そのぶん自分の好きなことを好きなだけすることができる。逆に何もしないということも重要なことなのかもしれない。自分が何かをしようと思ったら仲間を見つけることもできるし、チャンスを見つけることもできる。要は自分次第。」ということです。

  でも、これを旨く言うことはできませんでした。その時に思ったのは、やっぱり自分の実体験から話さないとまったく説得力がないということです。
  私はその時に「高校三年生のときの自分と今の自分は何かが変わったのだろうか。いや、高校三年生のときの方がいろいろ考えていたし、勉強はしていたかもしれない。今は、違う意味での勉強はしているかもしれないが、私が高校生たちに語れることなんて何もないのかもしれない。」と思ってしまい、その後からは大学の説明、授業の説明みたいになってしまいました。
  そんな中で高校生たちが言っていたのは、「高校の勉強は受験のための勉強である。大学で自分のしたいことをしたい」というものでした。ある意味一般的なことを聞けただけなのかもしれません。


トピックD担当


トピックE担当


池辺佐紀(法学部2回生)

担当したグループで話した内容
  高校と大学の友人関係。友人の位置づけの違い。イケベの実感という主観的きわまりない思い。
  自分の興味から生まれるネットワーク=友人

池辺佐紀から見た高校生の座談会での様子・雰囲気
  自分の現状説明はできるが、それに対して思いを述べることや分析は苦手としているように思われた。始終、よそよそしさで満開だった。

ホストをしていて印象に残ったこと
  5−6人を2人で持つのか、2−3人を1人で持つのかはホストの性格によるが、話したがり屋であろう私と西村さんの場合、おそらく後者がよかったかも。小人数より限りなくマンツーマンである方がこの座談会の趣旨にはあったかもしれないということ。

今後ホストをするとすれば!?の課題
  ホスト相互の意見調整を行うこと。参加者のノリを引き出すこと。

感想
  人と話すのは難しいということ。何を目的として話しているのか、明確にする必要があったなぁと反省しきり。イケベ自身、勉強になった。話の達人目指して、精進します。


西村史朋(医学部3回生)

担当したグループで話した内容
  自己紹介を兼ねて、なぜこの話題を選んだか、という話に時間がかかりました。
「一番話しやすそうだったから」
「自分の人間関係がうまくいっていないから」
というのが主な理由だったように思います。
  自分が人からどう見られているか、というのは、なかなか、深めていくには時間もなく、人数も多すぎた、という印象がありました。実際には、深めていかなかったことは、侵襲がなく良かったと思っています。
  友達をどうやって作っていくか、人間関係がどのように作られていくか、高校と大学ではどのように違うか、また、社会人ではどうなるかというような話をホストがする形で時間が過ぎていったような気がします。要は僕がひとりで話していたようなところもあって、もう少し時間配分や、高校生の意見に目を向けておくことが必要だったように思います。

西村史朋から見た高校生の座談会での様子・雰囲気
  ついつい、話題を取ってしまったようになったので、あまり話をしてもらう、と言うことができませんでした。

ホストをしていて印象に残ったこと
  高校生と言う生き物は、なんて純情なんだろうって。話題がヘビーだったかも知れないですね。

今後ホストをするとすれば!?の課題
  時間配分に対する感性。テーマ、参加者と、話題の選び方、話の長さ、などのコーディネイトは、難しいけれど、面白いだろうな、と思います。

感想
  上にも書きましたが、難しいテーマでした。深めていくと、誰かが傷付くことになったかも知れません。座談会の目的とはずれてしまったけれども、僕は、あの場面では、話を引き取ってしまうほかにおさめ方を持っていませんでした。って、一番偉そうなコメントを出していますが。(みなさん、申し訳ありません)
  今回のプロジェクト全般に言えることですが、高校生からの反応があまり感じられませんでした。スピーチでも、座談会でも、こちらが喋っていても声が吸い込まれていくような、そんな感じを受けました。
  もっと、interaction を引き出すことをやってみたかったな。


山本悠(法学部2回生)

担当したグループで話した内容
・大学に入ってからの友達関係の変化
  大学にはいってからはクラスのような強制的な枠組がないので関係は自分でつくりげるしかないということそうやって作り上げたネットワークはその人独自のものなので言い訳できないということしかしまた、そのネットワークはその人の意思でどのようにも変化するということ。普通のことやってると普通の奴としかともだちになれないし、その人の普通じゃない面というものは見えにくいということと高校までの友達関係のえぐりだし

・高校までの友達関係の特徴
  中途半端な仲良し(クラスが変われば仲良くなくなるとか)と人間の利用(テスト前に賢い奴に近づくとか)と、自分が目指すべき真の人間関係とのせめぎあい。そういう意味でその線引きがあいまいな高校の友人関係はよりむずかしく、いろいろ考えなければならないねっ、自分が納得できるように。

山本悠から見た高校生の座談会での様子・雰囲気
  友人関係の話、しかし大学でのそれってのがテーマだったので、どうしても僕等が中心にしゃべってリアクションを見るということになってしまいました。でもみんな身近なテーマなので熱心に聞いてくれたし、高校の友人関係のえぐりだしのとこでは、特に強い共感の反応がありました。
  全員女の子、しかも高1だったので積極的な意見が活発に出る雰囲気はなく、「とりあえず大学生と話してみたい」という動機が強かった気がする。そういうニーズにあったくっちゃべり空間を提供する事はできたと思う。

ホストをしていて印象に残ったこと
  僕が高校の時悩んでた事を正直に話したらとても共感され,うまい具合にくいつかれたのが印象に残ってます。みんな同じ事で悩んでるもんだな、と。

今後ホストをするとすれば!?の課題
  ホストのテーマの理解。・・・そのテーマならどういう話の流れになるのか、形としてどういう結果を出さなければならないのか、ということは少なくともわかってないとホストが不安。

感想
  自分が話しすぎてしまったように感じる。テーマのせいかなと初めは思ったんだけど。みんなどーやったの?


7.本企画の問題点



  STAFFから本企画の問題点を指摘していただきました。以下にまとめてみました。

時間的余裕の無さ
  どのSTAFFも時間的余裕の無さについては指摘がありました。「大学を斬る!」企画の行われた京大定食2日目は、全体的に過密スケジュールだったために、本企画に2時間しか時間が取れない状態でした。この2時間というのは、講演と座談会だけに使える時間ではなく、始めの挨拶や、途中のグループ分けをも含んだ時間でした。やはりやり終えてみて無理があったと思います。

  ただSTAFF全員がもっと高校生と余裕を持って話したかったという意識を持っていることが、時間的余裕の無さを指摘する背景にはあります。また、「高校生への問いかけにもっと力を入れるべきだったかも。高校生がたくさん深く考えられるような時間的ゆとりが欲しかった」(久保STAFF)というようにSTAFFが話すための時間ではなく、高校生がゆっくりとトピックを自分の物にしてから話すことができるような時間的余裕も欲しいという意見もありました。

  時間的に余裕の無いことでSTAFFが焦りを感じてしまい、「ねらいがぼやけてしまった」(池辺STAFF)という意見もあります。それだけSTAFFも高校生に真摯な態度で向き合っていたということでしょう。


事前準備の不徹底
  上とも関連することなのですが、企画のツメに時間的余裕がなかった(山本悠STAFF)と言う声もありました。京大定食全体を企画・運営する上で、円滑に進めるためには一つ一つを詳細に考える必要がありましたが、夏以降からの準備では、京大定食を完全なものにするためには時間不足だったと思います。

  この影響として、例えば、「グループに分けるときに、希望のグループのカードを提出せずにうろうろしていた人がいた」(西村STAFF)というような参加者にこちらの意志をうまく説明することができなかったことが挙げられるでしょう。参加者のみなさま、こちらの不手際でご迷惑をおかけし申し訳ありませんでした。


座席配置の問題
  机と椅子が床に固定してある教室の都合上、座談会で完全な円をなして着席するということが不可能でした。「みんなの顔が見えるようなしくみを考えれば、もっとコミュニケーションがうまくいったかも知れません」(高木STAFF)という指摘のあるように、初対面の人と何かを真剣に語ろうとするときには、お互いの体の配置はとても大切だということを痛感しました。

  このように問題は多岐にわたりますが、本企画を良い企画だと受け止めるSTAFFが多かったことは事実です。そして「もっと良いものにしたかった」という思いが問題点の指摘の背景に見受けられます。大学生であるSTAFFと、そしてこれから大学生になろうとする参加者の方々の対話は、大学生であるSTAFFにも「今の自分のあり方」を見直すものとしてとても良い影響を与えてくれました。

  同世代ではありますが、やはり高校生と大学生とではどこかが違います。大学生は何かを失い、そして何かを得ていく、高校生は何かを持っていて、その未来予想図を描く・・・お互いのそうした思いが出逢うことで、双方が成長できたのだと思います。お互いがほとんど初対面であることも良く作用したのかもしれません。このような「ともに成長していける」機会が世の中にたくさんあることを願うばかりです。


8.最後に



  「どうして京大に行きたいの?」

  京大を目指す多くの受験生のとって、これは一見即答できそうな問いのように思えます。でも真剣に答えようとするとかなり戸惑ってしまう人が多いのではないでしょうか?

  何度も書いてきたことですが、私たち「もろ研修」のメンバーは99年12月から活動を始め、その中で京都大学という名前に助けてもらうことはありましたが、やはり一個人として主体的に動き出さなければ何も変わらない、むしろ京都大学という名前に埋もれてしまうだけだということを感じてきました。まったくの個人として立派に活動している友達も多く見られますが、やはり仲間とともに行動することでよきライバルとしてお互いを認め合い、議論を交わし、仲間から得たことを自らのうちに還元し、より一層ステップアップすることの魅力は手放すことはできません。

  京都大学という大学は、日本の中では安定して高い評価を受けています。“自由放任”という多くの人が抱くイメージも、その評価に貢献していると思います。しかしだからこそ、とてつもない危険性も孕んでいるということに、多くの受験生や保護者は気付いていません。事実、私もその一人でした。(もちろん、冒頭の問いをきっちりと自分の中で探求し、整理をしてから大学へ入学する人もいます。しかしながら私たちSTAFF自信が、実際に学生生活を進めてきた中で、このような人はごく少数派であることは自分たちの反省も含め感じてきました。)

  京都大学に潜む危険性とは何でしょうか。それは「京大に入学すれば、自分の価値が高くなる。将来がすばらしいものになる」という錯覚を抱いてしまうことです。これは学歴社会の弊害として、指摘されつくしてきたことですが、依然として低年齢化する受験競争、東大合格率の高い中学や高校の受験倍率の高さを見ていると、この危険性を本当の意味で認識している人はまだまだ少ないといえそうです。

  就職活動の際に、最近では学歴を重視しない企業も増えてきているということをよく耳にしますが、こんなことを言う採用担当者がいます。「一流大学の学生よりも、二流大学の上位の学生をとる。」そのほうが学生の意識が高く、勉強もよくしているからだそうです。

  企業も感じはじめている危険性を回避するべく、私たちは今回の京大定食を行いました。「京大になぜ行きたいのか?」と受験生が考えるには、あまりにも考える材料となる京大内部の情報が受験生には届かなさ過ぎるし、大学での学びと高校での学びとの間には大きな格差があります。
  教授講演や学生スピーチ、フリートーク、キャンパスツアーは参加者の方々に京大のありのままの姿を、何のフィルターも通さずに、自分自身の目で見てもらうことに大きな役割を果たしたといえます。そして何よりもストレートに、この問いを参加者の皆さんに投げかけたのが本企画「大学を斬る!」でした。2日目の午後に行われたので、皆さんと私たちSTAFFの間の緊張もある程度和らいでいたのでしょうか。皆さんの心は随分と私たちの問いかけに対して開かれていて、とても真剣にメッセージを受け取めてくれました。

  無責任に聞こえるかもしれませんが、準備を通して私たちSTAFFは何度もこのようなことを言い合いました。「参加してくれた人が、考えすぎて、勉強が手につかなくなって、浪人しちゃったら、幸せなことだね」と。

  1980年代、パウロ・フレイレという人が「ブラジルの教育の不十分さが、ブラジルの発展と民主主義精神の創造にとって重大な障害となっている」と憂慮し、依然として多く存在している成人非識字者を対象に読み書きの習得プログラムを実施しました。ただ単に技術としての読み書きの習得を目指したのではなく、読み書きを学ぶと同時に批判的意識を学習者が身につけ、その批判的意識によりブラジルの発展を望みました。この目標を実現するためにフレイレが採用した方法が対話です。

  調整者(≒教育者)が学習者と水平的関係を築き、学習者自信が主体的に討論を繰り返すことで、読み書きを学ぶと同時に、学習者を取り巻く世界を批判的に検討していく。その過程の中で調整者は学習者を支援しながら、テーマを核心へともっていくように促します。このとき決して調整者は学習者を一方的に教育するのではなく、調整者と学習者の間には双方向の教育があるといいます。(私の視点からまとめたので、わかりにくいかもしれません。)

  フレイレの方法はまったく今回の「大学を斬る!」そのものといえないでしょうか。調整者がSTAFF、学習者が参加してくださったみなさん。私たちの中に上下関係はありませんでした。「大学を斬る!」に集う者として、水平的関係を保っていました。グループに分かれ、それぞれのテーマについて対話を繰り返しました。

  私たちが理想の調整者であるには、まだまだ力不足であったためにテーマの核心に迫れなかった面もありますが、参加者の皆さんは私たちのメッセージに、私たちの語りに、何かを感じ、そして私たちもまた、皆さんの思いや、みなさんの語りに、何かを感じました。その“何かは”みなさんにも、私たちにも「自らへの問いかけ」をもたらしています。批判的意識の状態に移行したのだといえます。

  私たちがたった2時間で成し遂げたことは、学びの理想形であると同時に、今後の学びを輝かせるための源となるものでもあると思います。フレイレの理想以上のものを、私たちは成し遂げたのかもしれません。

  これだけの成果をもたらした原因の一つに、テーマ設定が良かったことがあると思います。「なぜ京大に行くのか」というものは、受験生にとって自明のものであるかのように見えながらも、その答えはなかなか見つかりません。そして私たちSTAFFにとっても、「なぜ京大の学生をしているのか」ということへの問いは、自明であるように思えますが、その答えは定かではありません。お互いの根本的課題でありながら、答えを出すことへの不安、答えが見つからないかもしれないがために目を覆ってしまっている現状というのが事実です。

  あの2時間はその問いに向かって、会場にいるもの全員が、自分自身のものとしてしっかりと問いを受け止めて、考え抜いた素晴らしい時間でした。   「受験制度が諸悪の根源だ」というような批判が良く聞かれます。ですが、現制度の中でも、その弊害を恐れることなく、学びの原型となるものを私たちは得ることができるということを、参加者の皆さんとともに私たちは実証しました。「大学を斬る!」企画、そして「京大定食」で得た全てのものが、皆さんと私たちにとって常に輝きの源となることをお祈りします。

  遠方から寒い中、来場してくださった参加者のみなさん
まったくのボランティアで学生の活動に快く協力してくださった先生方
京大定食にSTAFFとして関わってくださった学生のみなさん
本当にありがとうございました。心より御礼申し上げます。
そして
もろ研修のみんな
      お疲れ様!!