映画には様々な「愛」の形が描かれてきた。これだけは見ておきたい「愛」の名作を独断と偏見で紹介する。
★…その他オススメ
○純愛編
『シベールの日曜日』(62年仏)では、戦争で心に傷を負った三十代の男性と孤独な十二歳の少女が心を通わせ、二人だけの世界を築いていく。透明で美しい詩のようなモノクロ映像が心に残る。★『鞄を持った女』(61年伊)、『悲しみの天使』(64年仏)、『レオン』(94年仏/米)
○ロマンチックコメディ編
アカデミー賞で五冠に輝いた傑作『或る夜の出来事』(34年米)。反撥しながらもひかれ合っていく男女、というストーリーは恋愛映画の古典といえる。恋に落ちていく二人の間の微妙な緊張感の描き方が、下手なラブシーンのある映画よりずっと刺激的だ。★『雨に唄えば』(52年米)、『昼下がりの情事』(57年米)、『君さえいれば 金枝玉葉』(94年香港)
○悲恋編
十九世紀のオーストリア皇太子と男爵令嬢の心中事件を史実をもとに映画化した『うたかたの恋』(36年仏)。令嬢に扮するダニエル・ダリューがため息が出るほど美しい。★『散り行く花』(19年米)、『哀愁』(40年米)、『シェルブールの雨傘』(64年仏)、『ある愛の詩』(70年米)
○大人の恋編
『心の旅路』(42年米)。ウィノナ・ライダーはこの映画を見て女優になることを決心したそうだ。数奇な運命の中でも変わらぬ一途な愛が胸を打つ。★『カサブランカ』(42年米)、『男と女』(66年仏)、『ひまわり』(69年伊/ソ連)、『夕なぎ』(72年仏)
○異色系(あるいは官能系)
最近リバイバル公開された『ラストタンゴ・イン・パリ』(72年米)は、公開当時その性描写が物議をかもした問題作。が実は、人間の孤独や愛、存在の核心に真摯に迫った作品である。★『昼顔』(67年仏/伊)、『愛の嵐』(73年伊/米)、『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ』(76年仏)