4月18日(火)
7:00am-1:30am Mac Neal Hospital
実際に受け持ち患者さんをもって、ケアに入ることはできないよ、
というのが私の実習全部においての前提です。
正規の学生ではなく、ここでこれまでの授業を受けてきたわけではないので、
アメリカの方式を知っているわけでもなく、英語も堪能ってわけでもないし、
Reliabilityの問題ですね。
事故が起こる危険が無きにしも非ずなので。
でも、友達の受け持ち患者さんのケアに入らせてもらえるんだよね♪
原則的にはいけないのかもしれないけど・・・。
今回もかなり一緒にケアさせてもらえたのだ。
それに、友達はみんなちょーーー熱心に私に指導してくれるの!!
ケアプランの見方から、こういうサインからこういう病気で、
〜が必要だから、これをやる、とかね。
ケアしながらもそれぞれの行動の必要性や意味、注意点とかを
細かく教えてくれるのだ。
かんどーーーーー!o(≧∇≦)o
というわけで、今回はケースを追って、
実際にアメリカの看護がどのように展開されているかをリポートします。
患者さんは、87歳、女性。
パーキンソン病と痴呆の既往があり、
老人保健施設(Nursing Home)に入所しているが、感染の疑いで入院。
検査でMRSAが呼吸器に検出され、隔離部屋。
入室する際はグローブ、マスク、ガウン着用。
前日の検査で、尿、血液、便にも菌が認められる。
尿路感染症(UTI)、U度のじょくそう(背部)、下痢も併発。
意識はあるが、失見当識。
混乱状態なることもあり、前夜IVを自己抜去したため両腕抑制されている。
ほぼ寝たきりの状態で、バルンカテーテル留置(Foley-Catheter)。
33%酸素マスク。
看護上の問題点は、
実質的皮膚統合性の障害(日本語だとやけに難しく聞こえる・・・。わかりにくい〜。Actual
Impaired Skin Tissue Integrity)、
損傷のリスク状態(Risk for Injury)、
感染(Actual infection as identified by blood,
stool, urine, and wound culture)、
不整脈(Arrythmia)。
看護オーダーは、
ベッド安静、4時間毎バイタル、38.5℃以上の発熱時血液検査、
2時間毎体位交換、PEGチューブ(胃ろう)の清潔、など。
薬は咳止め、抗高血圧、抗パーキンソン、抗甲状腺機能低下症、抗生物質(バンコマイシン)が、
IVPB(Intravenous Piggyback)、パッチ(胸部にはるだけ)、経口で。
(上記データはPCからのケアプランシートに載っている)
バイタルと言っても、脈拍、呼吸数、血圧、体温のみではなく、
たくさんの観察事項があります。
それら基本の4項目の他に、O2サチュレーション、
酸素投与の状態(濃度、加湿されているか、マスクの状態など)、
IV・経口・Gチューブ・注射からの水分摂取量、
尿・便の排泄量など身体のアセスメントがあり、
さらにGチューブやIVのサイトの異状の有無、
バルンカテーテル&尿のチェック、精神・神経系のアセスメントも行い、
24時間フローチャート(経過表)に記入します。
フローチャートは、これらバイタルチェックの他に、全身のアセスメントを記入する欄もあり、
これもバイタルごとorシフトごとに行ないます。
循環器、呼吸器、消化器、生殖・泌尿器、皮膚、血管系、社会心理的背景などを
視診、触診、聴診、打診、問診しながら観察&アセスメントします。
また、PainManagementの欄もあり、痛みをスケールで随時チェックする他、
PRNで処方されている鎮痛剤の服用、PCAの使用などがあった場合は
そこに記入します。
フローチャートは各部屋のドアにかけてあり、
それら観察事項の他にも
ケアカテゴリー(DNR:心肺蘇生拒否、CConly:comfort care(生活上の不快を取り除くケアのみ)など)、
アレルギー(薬物、ドレッシングなど)、
隔離の度合い、体重の変化なども記入されています。
行なったケアの例は・・・
- 清拭
- リネン交換
- 全身アセスメント
- 2時間ごとに体位交換
- バイタル
- 前日の嚥下テストの結果をDrに聞き、NPOとなることを確認
- じょくそうの観察と手当て(ドレッシング禁、クリームのみ)
- 陰部洗浄(下痢のため)
などなど。
(ずっとついていたわけではないので、これ以外にもいろいろやっていたと思います)
ちょっと??と思ったのは、清潔への意識でした。
もちろん無菌操作などは徹底して行なわれるべきものなので、
その辺りはしっかり教育されていますが、
「生活上の」清潔の意識が日本とは違います。
清拭中のこと。
下痢していることを発見したので、先に陰部を拭いたのですが、
そのタオルをベイスンのお湯でゆすいで下肢の清拭に使ってた!!
うんちだってきれいに洗い落とせていないのにです。
情けないことに、私はそのとき患者さんの身体をおさえるのに大変で、
しかも彼女がちゃっちゃか拭いていく途中に口出しなんてできなかったのですが・・・。
清拭自体急性期に入院して数日で退院していくアメリカでは
それほど頻繁に使う技術ではないと思うけど、ちょっとこれは・・・、と思ってしまった。
日本では陰部はディスポタオルだし、清拭って清拭車の蒸しタオルでしたりしますよね。
でも、ここではベイスンに病室の洗面所でお湯&ボディシャンプーを入れて、
それをつけたタオルで拭いて、乾いたタオルでおさえる、という方法でした。
(他の病院でもこうしているのを見たのでアメリカでは一般的なのでは?)
お湯の温度も全然熱くなかったし、タオルは面なんて関係なく拭いているし、
こんなのうちの基礎看の先生方が見たら怒るぞぉ〜、ってなもんでした。(笑。それは冗談)
身体にあたるときに温度とか、タオルがあたるときの感触なんて気にしないのでしょうか?
んなことないよね?
大雑把なアメリカなので、生活上の快・清潔も大雑把なのでしょうか?
でも、清潔観の違いだけですませるのではなく、
これって感染予防とかにも必要なことなのでは??
寝たきりの人の床頭台はナースの物置になっているし、
(Gチューブ用のシリンジや、ドレッシング、テープなどがごちゃごちゃ置かれている)
今回のこの患者サンだってMもちなのに、
結局呼吸器からは菌がなくなったから、ということでドアは開けっ放しで、
大丈夫なのか?と心配になったし、
(先生に聞いたら呼吸器系にいなくなれば接触を避ければ大丈夫、とのことでしたが、
でも入院時は呼吸器で見つかってるんでしょぉー?大丈夫なのかな・・・)
日本人だからかなのか知らないけれど、なにやら細かいところがに目がいってしまった実習でした。
もちろん、清拭しながら声かけしたり、
そういうことの重要性はおろそかにされたりしていないけれどね。
この他に、62歳女性、胸痛を訴えて入院、高血圧、貧血の既往あり。
今までにEKG、心負荷試験、肺機能検査、心エコーが行なわれている患者さん。
心臓カテーテルをしたいのだけど、前日まで拒否。
そこで先生に聞かれることは、これまでの検査でどんなことを調べ、
結果からどんな診断がはずされているか、ということなど。
例えば心負荷試験でMI、肺機能検査で肺血栓症、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、
エコー・カテーテルでCAD(冠動脈疾患)を見る、とか。
みんな病態生理をしっかりやってきているだけあって、
カンファレンスでもそれらの関係や、貧血の病因とこの患者さんのケースを比較して、
どんな疾患が考えられるか、これからどんな危険があるか、などを
めちゃいろいろ発言していて、しかもまとまっていて、
無知な私なんて単純にすごい、と思ってしまったよ・・・。
専門基礎がしっかりしていることと、
これまでに実習でいろんな疾患の患者さんを受け持ってきた経験で
(毎週違う患者さんなので今回で基礎看から数え少なくとも20人目)
知識と現場の状況を直結させて考える力があるなぁ、
と感心してしまった。
やはり技術も大切だけど(清拭の件にこだわる・・・)
知識による裏づけがないと、自分でどう動いていいか判断できないもんね。
その点はすごい。
来週も最後の実習、がんばりまっす。