Clinical Report Vol.3

Pediatrics-3 患者さんと

2月15日(火) 
7:00am-1:00pm @ UIH

また朝6時半起き。
6時に目覚ましセットしたのに、あと5分〜と思って寝たら
目が覚めたの30分後でかんなり焦った!
日本では5つあった目覚ましも、ここでは1コしかないのでちょっと心もとないなぁ・・・。

今日もまたUIHの小児科病棟へ行ってきました。
ちょっとは慣れた場所なので、前回よりも積極的に見学できたような気がします。(^-^)
今回学生が受け持っている患者は、
Sickle cell crisis(鎌状型赤血球症の発作)が2人、
Clear cell sarcoma(なんて訳せばいいんだろ?脳腫瘍などもあった)、
Acute obstructive uropathy/Nephrosis
(急性の尿路疾患によってネフローゼを起こしている)
Bronchiolitis/Respiratory distress
(細気管支炎による呼吸困難、気切しており、病棟内Intermidiate care unitに入っている)
などのこどもがいました。
けっこう Sickle cell crisis はよく聞くんですけど、アメリカでは多いんでしょうか?
それとも日本でもよくあるのかな?
赤血球が引っかかって痛みなどを起こすらしいです。(小学生みたいな答えだな・・・)
そのうち、Sarcoma の患者さん(5才の男の子)は先週もいて、
私がいろいろケアに入って仲良く(?)なって、気に入ってもらえたみたいだったので、
今回も主に彼のケアに入りました。

彼はホンット生意気なんですよねぇ〜。(笑)
彼の状態としては、骨密度は80歳の老婆と同じらしく、
左足は骨折か何かで今ギブスしているし、左腕の力も弱い。
脳腫瘍摘出で右の頭蓋骨が一部ないし、ほとんど寝たきりのような状態です。
もう数ヶ月経口摂取はほとんどしておらす、NGチューブでの栄養摂取です。
でも、口だけは達者で、おまえは入ってもよし、ドア閉めろ、彼女と代われ、
そんなことやりたくない、医者を部屋に入れるな、と
どんどん学生に無理難題を押し付けてきます。
そこをなんとかやる気にさせて、清拭、着替え、歯磨きなどをやってもらうのが
学生の腕の見せ所!
彼を受け持っている学生と二人であの手この手でなんとかやりましたよ〜。
そこはこどもだから、体の部位の名前あてっこしたり、
一緒に携帯電話のおもちゃで遊んだり、くすぐりあったり、力比べしたりしてね。
常に叫んでいて、病棟のどこにいても彼の声が聞こえて、
もう10日近く入院していたのですっかり名物患者になっていました。
普段は寝たきりの彼ですから、車椅子に乗ってプレイルームに行くのが唯一の楽しみ。
体をきれいにして車椅子に乗せ、プレイルームで遊びました。

そうしてるうちに、彼の親がきて、彼は退院することになりました。
しかし、彼の母親はフォスターマザー。彼は養子なのです。
今まであれだけ叫んでいた彼が急におとなしくなり、
おでこを拭くだけでも騒いでいたのに、静かに母親と娘(?)に着せ替えてもらっています。
すっかり元気がなくなって、そのまま彼は一言も話さないまま病棟から帰っていきました。
それを見て、先週の担当学生と今週の担当学生と私は、
彼の態度の変化があまりにすごくて、とても切なくなってしまいました。
彼はうちに帰りたくなかったんだよね〜、はぁ〜・・・。とその後ずっと言い合っていました。
叫ばれても、ケアに協力してくれなくても、ミニカー投げつけられても、
それでも元気にしているのを見るほうがよっぽどいい。小児科って時々つらいな・・・。

アメリカと日本で大きく違うことのひとつは家族関係だと思います。
私が日本で小児実習に行った長期療養型の病院は比較的(?)家族関係が複雑で、
養護学校もあることから喘息や糖尿病などの慢性病患児が
すごく長い間入院している例もありましたが、
日本ではまだ病人のお世話に家族が関わることがふつうだし、
だいたい一般的な家族の概念が通じることが多いですよね。
でも、ここでは家族背景がその人によって大きく違います。
今回の彼も養子でした。
17才で小児科に入院した女の子には赤ちゃんがいて、
家族よりもカレシが付き添っていた、とか、
20才で鎌状型赤血球症の発作で入院しても、
助けてくれる家族は連絡の取れる範囲にいない、とか、
若い親、片親、再婚、などがよっぽどふつうに見えてしまうくらい。
もちろん今回の実習中も、お母さんもおばあちゃんも泊り込みで看病して、
薬について聞いてきたり積極的、という家族ももちろんいます。
でも、とにかく家族のパターンがさまざまなのです。
そして、家族が看病する、などという一貫した価値観がない上、
入院期間が短いために、そういった家族関係へ介入するのは大変難しい問題だと思います。
でも、入院期間が短いからこそ、家庭でのケアの重要性が高く、
看護サイドからの家族へのケアも必要ですよね。
うーむ、アメリカでの家族へのケアについても、もっと勉強してみたくなっちゃった。
考えさせられた1日でした。

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