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「猿は木から落ちても猿、政治家は選挙に落ちれば…」
   〜抄録・ホントは使ってほしくない選挙マニュアル〜


byプチトマト


  1.はじめに
 この諺(?)はよく知られた文句である。続きは「タダの人」となる。そう、議員になるには、だれしも選挙という洗礼を受けるのだ。生まれながらにして議員たる人は、少なくとも日本にはいない。逆説めいた言を発するなら、誰にでも(日本国民で、かつ公選法上の一定の要件を具備していれば)議員になるチャンスはある。後はあなたのやる気次第である。昨今は議員になるための養成スクールのようなものもあり、繁盛しているようで(朝日6/8朝刊)、学生や公務員、会社員などが幅広く活動しているようだ。だけど注意してほしい。公選法の記載事項に抵触すると、今の努力はパーになる。特に今回深入りしないが、H.6の改正公選法より連座制が拡大された。選挙違反の責は運動員のみならず、立候補者本人も当選無効、5年間の立候補禁止である。公選法は本当に細かいところにまで、選挙の公正を期すため選挙運動等の規制を張り巡らしている。こんな規制を遵守しさえすれば、あなたも議員になれる……かもね。でもできればこんな、マニュアルはないほうがねぇ……。
 議員を目指す?、私にとって今回、特に一般人にも分かる選挙、特に選挙運動のノウ・ハウ本はないかと彷徨したところ、うってつけのがあった。その名も「ザ・選挙」(早大雄弁会OB選挙研究会著 ぎょうせい)だ。その中から選挙運動やその戦術を中心に、うだうだ書いてみる。これをみると選拳もここまで茶番化、若しくはマニュアル化しているのかがわかる。一席お付き合いください。
 ※なお、小難しい選挙法上の手続きはめんどくさいので、省略。ここに記したことは、あくまでもエンターテエイメントとしてご承知ください。
 ※この冊子に関しては10月19日に行なわれた学習会で中心を成した部分に加筆したものです。

  2.出馬決意をしてからの訓練
 さあ、あなたはいよいよ出馬の決意をしました。当然、参謀を傍らに、後援会を後の支えに、自分の組織を形成してください。ま公選法を始めとした法律や国内外の情勢、昨今は経済情勢についても精通しておいてください。そして……
 演説 一有権者と政治家の生のコミュニケーション手段一 が大切なのです。
 演説では「聞きたいを話したい」に置き換える努力と感性を磨こう。一方的に話すだけ後は人の言うことを忘れてしまう。これではダメ。聞きたいことを話すには、聴くことのプロに撤するべきなのです。政局や経済の展望など概要的なことをこれ見よがしに言うのはダメ。なぜなら演説を聴きにきている人は、概要よりも、候補者の個性や人柄、我が町に関することの方に興味や関心があるのですから。これは悲しいかな、昔も今も変わっていないのです。以下の事に注意して、一人鏡の前で演説練習をしてみよう。

・話術の3要素
 ユーモア、厳粛(感心)、悲哀(涙)。あなたの演説にぜひこれらだけは、盛り込んで構成しよう。

・1分間に280字から300字程度を読めるようにする。これは、アナウンサーの標準的な話すスピードだそうです。でも緩急の差も付けましょう。

・「寸鉄、人を殺す」ような、心に残る演説をしましょう。でも素人ほどリンカーンや尾崎行雄、中野正剛などの雄弁家の類似品を作ってしまいがちです。有権者の質に応じてこれらは調合しましょう。特に短い演説で説得力・迫力を出し、出だしから聴取者の心を掴むのも手です。まずは掴みはOKといこう。
 例)竹下元首相の掴みの一言「演説は短く、幸せは長く、頼まれごとはしっかりと」

・方言
 T・P・Oを考えよう。近年、関西弁の準標準語化で若者の間では、知らず知らずのうち、疑似関西弁が跋扈している。ですからこれは例外的に許しましょう。ですが、日本を代表する政治家の場合、方言も時・場所・状況を考慮しょう。日本を代表する役柄や状況で方言ですと、国民の親近感が沸きませんし、第一聞き取りにくいです。訳者や速記者が困ってしまいます。が、選挙戦では、どんどん方言を使いましょう。候補者の方言ひとつで、顔までも浮かんでくるようになれば、方言も選挙戦術として効利用されたといえるでしょう。

・演説会場での目のやり場
 広い場所で話をしたことがある人なら理解できると思いますが、案外どこを見て、演説するかということは、気になるものです。私も人前で話すとき伏し目がちになるクセがあるのです。でも、これでは折角の名演説も説得力を無くしてしまいます。また候補者の頼りなさも感じ取られかねません。下の図のように、(1)〜(6)を順に眺めるように演説すれば、どの聴取者にも、まんべんなく顔見せができます。聴取者の側も候補者が私の方を見てくれたと、取ってくれるかもしれません。演説の内容も、この動作一つでカバーできる可能性があります。



  3.いよいよ選拳戦へ
 「選挙事務所を作ろう」
(1)事務所の役割
 選挙事務所は、選挙の本陣です。いわば前線基地なのです。そこで各種の選挙活動や運動に「活」を入れ、陣営の士気を「鼓舞」する目的をもっています。

(2)立地場所
 ビルの2階や3階は避けよう。

(3)具体的な室内の様子(末尾資料図 参照)

(4)選挙事務所の心構え(抄録)
・活気ある雰囲気をつくろう。

・誰もが、自由に出入りできるようなムード作りをする。接待係は感じ良くする。

・整理整頓を心掛け、清潔にしておこう。

・来訪者には、気持ちよく対応し、署名や名刺をいただきましょう。

・選挙法の勉強をし、選挙違反のないようにしょう。それを周知徹底させよう。室内に貼ってもらうようポスターや配ってもらうように資料の持ち帰りをお願いしましょう。

・来訪者の苦情や情報・注意には、素直な気持ちで聞き、とりあげるべきことは迅速な処理をしましょう。

・事務所内には、推薦文や檄ビラ、激励電報を掲示し、ムード作りを考えましょう。

・選挙は大変エキサイトするものです。常に冷静に「心を一つにして戦うのだ」という協調の精神で臨みましょう。

・ピリピリした雰囲気を、和ませるようなユーモアと機転のあるペースメーカーになる人が必要です。

・選挙事務所での飲酒は止めよう。

(5)キャッチフレーズ、カラー
 候補者たる人はキャッチフレーズとカラーを作り出しましょう。そしてそれらを自分のものとして、選挙にも活用しましょう。必ずプラスになるはず。選挙区の有名人です。加えて、余裕があれば、自分だけの歌を作ってみては…。「ショウコウ、ショウコウ、ショコショコ……」のようなインパクトのある歌は、候補者本人が極刑になろうとも、国民の心には広く残っているのです。
例)とある県の60代の新人県議候補のキャッチ −「おやじ、出番だ!」
 これは対立候補が30代の若手新人だったからだそうです。
 私の選挙区にもいました。「かえるの子はかえる」とやってしまった。意味は凡人の子は、やはり凡人。でも政治家がこれをいうと政治家の子は政治家、と意識される。かなり問題になったのだ。こういった失敗例もあるのだ。

 カラーは、選挙ポスターやパンフレット、葉書に用います。色の性格を4区分してみましょう。自分にあった色で有権者に自分=カラーの意識を定着させよう。



  4.選挙戦術編
 以下のことだけは、あなたの当選にかかわる重要な戦術です。必ず守りましょう。参謀の人にも、よくよく言い包めておこう。加えて候補者としての自覚をもとう。当然、候補者はリーダーです。だからといって何もかも俺についてこいとか、参謀(フォーローワー)の言動を無視し、独断専行したりは以ての外です。有権者の側からものが見える柔軟な視点と人間関係を重視する性格、そして政治に携わろうとする気概だけは戦術以前の、唯一無二のものてす。
(1)噂への反撃
 デマや誹謗中傷は、否定すればするほど広がるのです。人の噂も75日。開き直ってみてはいかがだろうか。こんな有名な話がある。選挙中愛人が1人いると、噂がとんだある候補者。彼は慌てなかった。「いや本当は3人です」と切り返したという。でも女性の目からみれば男の甲斐性と許せるだろうか。ほどほどに。

(2)握手は気合いでせよ。
 これは、先日の学習会の折り実践しました。歩いているときに突然その人の前に手を出す。と、どうだろう、術中にはまったがごとく、反射的に手を出してしまうのだ。要は駅前のティッシュ配りの要領だ。

(3)名前を忘れたときの対応
 候補者だけでなく、われわれもよくある。町でばったり同級生にあったとする、だが名前が出てこない。でも「あんた、名前何っていったけ」とはいえない。候補者はなおさらだ。これはわれわれも応用できることなので一応参考になろう
候補 「いつもお世話になっております。ありがとうごぜぇます。(うーん、誰だっけか)……ところでお名前は何とおっしゃいましたか?」
相手 「名前も知らずに話してたのか!田中ですよ、田中。この前名刺上げたばかりですよ」
候補 「ちっ違いますよ!名字じゃなくて、下の名前の方ですよ。」
相手 「なんだ、これは失礼しました。太郎です。……」
 おわかりだろうか。実に巧妙だ。これなら相手は、「この先生は私をフルネームで知ろうとしているのだ」と機嫌も良くなろう。こっちも急場を凌げるのだ。

  5.最後に −出馬するあなたへ−
 現在の日本では、確実に昔ながらの選挙は、減っています。特に選挙運動はその変化のメルクマールです。みなさんもお気付きでしょう。シンプルすぎるポスターや自転車での街頭活動、または選挙運動自体をしない人までいました。政党のイメチェンが候補者と選挙運動の在り方にまで影響しました。思うに自民一党支配の終焉後、この動きは顕著でした。「選挙に金がかかる」は金持ちだけの、組織あるものだけの選挙になりがちでした。これが今日までの主流でした(今でも、主流?かな)。
 しかし近年、無党派なる命名をされた集団は、特に都市部では政党の予測を超える動きを、選挙の都度とります。かれらにとって選挙の候補者像は、所属政党の主義主張よりも知名度、人柄、写真映り。その程度の基準でしか像を描ききれません。政治に何を求めるのか。われわれにどのような形で益をもたらしてくれるのかという基準は、二の次になってしまった感があり、危機をも感じます。ですが、その動きも分かるような気がします。与党も野党も区別するほどの違いもない。合従連衡、離合集散。冷めてしまっているのです。
 選挙でも候補者は無党派という集団を取り入れる工夫を必要としている。ただ付け加えておきたいのは、流行にのった選挙運動は結構てすが、運動をここで止めてほしくないのです。問題はその先なのです。どうしたら自分の主張を聴きつつ、政治を無党派を含む有権者に考えてもらうか、候補者はここにこそ力点を置くベきなのです。候補者が有権者に政治の構図争点などを先導・指揮してこそ、はじめて有意義な選挙運動になり、選挙が実施でき、真の「国民」代表が誕生するのです。
 でなければ、いまの地方をご覧なさい。自民党全盛の頃の選拳運動が公然と続いている姿を。そこには依然「おらが、先生」観念の元に、弊習が踏襲されている。候補者が有権者の「たかり」にあっているかのような選挙運動が平然としてある。候補者は常に存権者の上に立たぬから、こうなる。選挙に出ようとするあなた。せめてあなただけでも、私がこれまで記してきた流行に媚びた選挙運動マニュアルを使わず、有権者から見て、ちょっとくらい生意気でもいいから、「自分だけの主張」をわかりやすく、掲げてほしい。あえて使ってほしくないから、こんな事書いたんですから…。



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