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パクス・ロマーナと五目御飯

byいくま
・初めに
 ローマ帝国……パクス・ロマーナ(紀元96〜161ごろ)という言葉が示すとおりそれは平和な時代であった。誰のための?という問いはたしかにあるが、それを重大な問題と捕らえるかどうかは個人による。それによってまたパクス・ロマーナの評価も変わってくることであろう。
 さて、我々は帝国主義についての研究を行うわけであるが、ローマ帝国はまったく原始的ではあるが帝国主義の原形を備えているように思う。まあ、そりゃ、ローマ「帝国」なわけだから、帝国主義的じゃないわけないやん、と簡単に考えてもらってかまわない。でも、今日の太陽が沈むまでには、このレポートを通じてもうちょっと深く考えて欲しく思うわけである。

・帝国主義
 さて、本題である。
 そのローマの平和がどのように形成されていったのか。それを探っていきたい。
 と、その前に帝国主義について軽く触れよう。以下は去年俺がやったイギリス帝国主義のレポートの抜粋である。決して手抜きではないことは一応注意しておく。

まず辞書を引いてみる。
・角川新国語辞典:資本主義国が自国の軍事力を背景として、海外市場の獲得を目指して他国を自国の保護国、または領土にしようとする侵略主義。資本主義の最終段階。
・イミダス1988(古くてすまん):帝国主義とは、ある国の政治的・経済的支配権を他の国家・民族・領土に拡大していく政策で、膨張主義や植民地主義の同義語として用いられる。だが歴史学においてはもっと厳密に、19世紀以降の欧米資本主義列強の間で植民地における勢力拡張を目指す対立・抗争が激化した事態をいう
<中略>
 植民地主義と帝国主義の違い−わたしの場合
a.植民地主義国家−持ってくる国
b.帝国主義国家−売りつける国

 説明しよう。
a.スペインは銀を新大陸から持ってくる。
b.イギリスはインドで毛織物を売る。
 即物的に考えると銀のほうが得なような気がするが、あなたが一企業家・一国民である場合を念頭に考えてみましょう。
a.あなたは船をもっていない。船をもっているのは国王とその商人だけ。新大陸にいって銀を取ってこれるのも国王とその商人だけ。
b.あなたは船をもっていない。でも、毛織物を作ればそれをインドで売ってきてくれる。だから儲かる。もしくは、毛織物工場で働くことができる。だから賃金もらえる。

 はなはだ簡略化したモデルですが、ま、こんなもんでしょう。スペインの植民地経営は王様にしか利益をもたらさないが、イギリスの植民地経営は企業家に利益をもたらします。中産階級に利益をもたらします。利潤を得たそれらは、さらに事業を拡大再生産していきます。a.王様はヨーロッパで銀を安く売る。代わりに他国から物を買う−自国の産業すたれる。b.植民地は広大で、市場はいくらでもあるからどんどん毛織物作る−産業発展。さらに産業発展させるためには? さらなる植民地獲得。
      これか帝国主義だ!
                         分かった?

 すんまへん。えれえながくなってしもうた。本当はもっと続きがあるのだが、こんなもんにしておく。
 イギリス帝国主義とローマがどのように関係あるかというと、産業革命以前は技術レベルを除けばローマとイギリスの行いは似ているのである(1)。
 ローマが征服した土地でまずやることは、道路と橋を作ることだった(2)。つまり、産業基盤(インフラストラクチャー)の整理と余剰資本の投下である。それを行った上で、植民地化した地に産業が進出する(3)。そして、その産物はローマや現地で消費され、産業が拡大していく……そしてイギリスで言う資本家は、エクイテス(騎士階級)と呼ばれる資本家であった。
(l)厳密に定義される帝国主義では、ローマも産業革命以前のイギリスもどちらも帝国主義ではない。産業資本と銀行資本の融合がみられないためである。ローマにいたっては銀行資本そのものがない。
(2)今でも遺跡が残っている頑丈なもの。特に道路は現在でも使用しているところがあるという。
(3)小麦やオリーブオイルなどの農業、壷やガラスなどの軽工業。

・パクス・ロマーナ
 前述の経済システムを踏まえて、パクス・ロマーナが成立したのである。
 帝国主義的経済によって成立した平和は、「人類が最も幸福だった時代」(ギボン)なのだろうか。
 本当か? 抑圧されていた人はいたはずだ。例を挙げればきりがない(詳しくは他の班に期待しよう)。
 それとも抑圧される人間の数が最小で不幸も最小なら、それは相対的に平和なのだろうか。

・ローマ帝国主義の終焉
 パクス・ロマーナの崩壊について経済的にみていきたい。一口に言ってしまうと、帝国主義的経済に起こりがちな破綻を生じたのである。軍事力の減退に伴ってあらたな植民地確保ができなくなったこと(産業が拡大最生産していかない)、植民地に資本を投下することによる国内産業の空洞化(輸入がふえて輸出が減る=国内産業赤字)、隣国との抗争による軍事支出の増大と国家財政の破綻などが……あれ?
 アメリカさんとそっくりですなあ。
 そのうち西アメリカ合衆国と東アメリカ合衆国ができたりして。

・アメリカとローマ  カルタゴと日本
 よくアメリカとローマは対比される。その場合、ほぼ確実にカルタゴと日本も対比される。
 似ているからどうかというと、興味を引かれる部分があるから対比されるのである。
 カルタゴは何度かローマと戦い、敗れた。
 その後ローマの保護国となったカルタゴは経済大国として復活し、ローマの経済を圧迫するに至ったためにローマに減ぼされた。
 ようするに、今の日本はローマに滅ぼされるちょっと前だよ、ということを言いたいのであろう。
 カルタゴがローマの保護国になってから、カルタゴの経済力が復興してきた頃のお話。
 カトー(1)というローマの政治家が、一個のイチヂクを持って元老院で演説します。
「カルタゴは戦争に負けたけど、こんなに大きなイチヂクを作る経済力があるんだ。だからカルタゴは危険だよ」
 アメリカの上院でも、カメラ(もちろん日本製)をもった議員がそんなような演説してそうな……
(1)コーデル・ハルとか、カンター通商代表みたいな人。

・平和?
 最後に、これまでのことを踏まえて平和について語り合いたい。
 別紙を参照のこと。

<レポーター、皆に紙を渡す>
俺「これを書いてください」
一同「???」
<紙には、こうある>
「ローマ帝国・帝国主義・五目御飯という言葉を使用して、平和について思うことを400字以内で述べよ」

“ぢ”「なぜ五目御飯?」
俺「そこはレポーターの意図をくみとってね」
<一同しばらく考える>
俺「じゃあ、それぞれ発表してもらいましょう」
“ぢ”「パクス・ロマーナという言葉の意味がいまいち不明確ではあるか、きっとローマ帝国の時代を研究した学者が、その当時と比べて平和に当てはまったから命名したのかも。帝国主義時代が平和であったかどうかというと、ロスチャイルドによる金融支配の独占があったからこそ実現し得たのである、と断定しておこう。ロスチャイルドは経済会の悪玉・暗闇であったかのように言われがちだが、決してそうではない。利益を守るためには平和が必要だったからである。さて、ロスチャイルドの看板には五本の矢が一束になっている。それにちなんで、日露戦争で公債の50%以上を発行してくださったというのをたたえ、日本にロスチャイルドを招待したとき五本の矢をあしらった五目御飯が料亭で出されたという……」
俺「本当?」
“ぢ”「げヘヘヘ」
俺『じゃあ次の人」
ギャンブラー「ローマ帝国の帝国主義はすっごい五目御飯というところかな<以下事情により割愛>」
一同「……」
俺「じ、じゃあ次の人……<こんな課題を出したことを若干後悔している>」
悪人「ローマ帝国は帝国主義の過程で領土を地中海一帯に広げ、強力な軍事力で広い地域の生産性を発展させて平和を築いた。しかし経済的破綻による国内産業の空洞化により平和はなくなる。これは五目御飯の具の量か異常に多くなり過ぎて、五目御飯の米の部分が消えてしまった状態になり五目御飯ではなくなってしまったといい得る」
俺「ああ! 俺が求めていたのはこういう答えだよ。ありがとう、悪人」
<何とかこの課題は終了>

・まとめ
 平和は難しい。安全=平和ではないし裕福=平和でもないけれど、万人の最大公約数として「(安全+裕福)×人口x%≒平和」の公式が成り立つことを前提にこのレポートを作成した。でもこれが前提にならないと話にならない。
 今の安全な社会に住んでいて、まったく当り前のことである平和について考えるのは難しいように思う。昔の人が空気の存在を考えもしなかったように、いきなり平和について考えるのも結構難しい。 パクス・ロマーナの幸福を享受していた人達も、全然そんなことは考えてなかったと思う。願わくば、俺たちも気がついたら平和じゃなくなっていた、ということがないように。

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