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コラム
どーなる21世紀? 〜技術予測からみる未来像〜
by ぢ
何かと低迷、混迷している近年においては「先行き不透明」などという言葉をよく耳にする。その一方では「2000年を目標に、、、」「21世紀には、、、」というキャッチフレーズも耳にする。これは現状の打開ができないままに、未来像を模索している今日の我々の姿をよく表しているといえよう。
そんな中、科学技術庁科学技術政策研究所は7月に「技術予測調査」の結果を発表している。これは今後30年間にどのような技術が開発されるか、専門家の予測をもとに新技術の実現時期を探ったものである。1971年より、5年間隔で行っており、今回で6回目となる。
研究者、技術者を対象にアンケート調査を実施、エレクトロニクス、資源・エネルギー生産・機械など14分野、1072課題について、重要度や実現時期を聞いた。その中で重要度が高いと評価されたのは、エレクトロニクス、ライフサイエンス、環境の各分野で上位100課題の内訳でも、環境関連技術(25項目)、情報関連技術(24項目)、生命関連技術(17項目)と7割近くを占めている。
情報関連技術については、プライバシーや機密が保護されるネットワークの普及(2007年)、ネットワークシステム技術と256GBメモリーの実用化(2014年)など。生命技術関連では、がんの移転を防ぐ手段の実用化(2013年)、アルツハイマー型痴呆症の治療(2016年)など。
環境関連技術は、リサイクルしやすい製品設計概念の定着(2007年)、フロン代替品の実用化(同)二酸化炭素固定化技術(2016年)など。※別表参照
また、今回は71年の第一回調査(2000年迄を予測)と76年の第二回調査(2005年迄を予測)での未来技術の実現率が調べられている。
第一回調査で96年までの実現が予測された588項目のうち実現したのは151項目で実現率は26%。予測の一部か実現したのは255項目で38%、実現しなかったのは36%である。第二回調査で96年までに実現されると予測されたのは549項目で、実現率一部実現率、非実現率はそれぞれ21%、63%、37%だった。
予測が実現したものをみてみるとマイクロウェーブによるマイカー電話の実現(82年)、衛星による天体観測の実現(83年)、ファックスが家庭の10%に普及(87年)、英文の自動翻訳技術の開発(87年)、テレビ電話やテレックスなどの開発で在宅勤務を認める企業が出現(91年)、植物の改良のための遣伝子操作が実用化(98年)、体外受精、体外発生、あるいは人工子宮が可能に(2000年以降)などで、予測した年よりも早く実現したり、予測以上に大きく社会に浸透し、利用されているものもみられる。
一方、現在までに実現していない予測は、有効な一酸化炭素除去装置の開発で自動車排ガス公害が解決(77年)、干ばつや冷害の予報技術の確率(87年)、時速500キロの新幹線の実現(89年)、脳の仕組みの解明で教育技術研究の方向づけが可能(90年)、自然生熊系の調査技術が進歩し、開発に伴う環境破壊防止が可能(92年)、都市間の輸送に電気自動車が普及(94年)、生物の感覚器とコンピューターの結合技術が確率(95年)、一カ月以内のM6以上の地震発生を県程度の範囲で予知する技術の確率(97年)、抗がん剤の開発でがんの完全な治療が期待できる(97年)など。
注意しなければならないのは、阪神大震災後に文部省測地学者議会が「地震予知を防災に役立てるために実用化するのは困難」と発表した例のように(地震予知は97年に実現予測)、楽観的な予測もあるということ。もちろん、予測は予測でしかなく、必ず実現するものというものではない。しかし、環墳問題などの早急に解決すべき問題を抱えている現在、その解決には新しい技術が必要であり、予測に終わってはならない。新技術の確立、開発を予測し実現させてきた現在、小説や映画、SFの世界に過ぎなかったものが次々と我々の目の前に存在しているのである。
資料(毎日新聞1997/7/11付朝刊)
◇主な新技術と実現予想測年◇
年 予測項目
2002 交通事故の衝撃を実感できる運転教育シミュレーターの実用化
2003 手帳サイズのコンピューターで世界のどこからでもマルチメディア通信できる技術の実用化
2004 遺伝子操作による作物の品種改良が日本で実用化
2006 環境保全のため環境税導入
2007 オゾン層破壊や温暖化をもたらさないフロン代替品の実用化
同年 エイズのワクチンの開発
2009 エイズの治療法の実用化
2011 地球全体の気候変動を、50キロ四方の精度で正確に予測
同年 個人の体質に応じ病気を予防できる食品の実用化
2012 がん化の機構の解明
同年 ポケットサイズの音声自動通訳機の実用化
2013 すべてのがんの5年生存率の平均が70%突破(現在胃がんで40%)
同年 将棋のプロ名人を破るソフトウエアが開発される
2014 外界の状況を自分で判断し、意思決定するロボットが実用化
同年 花粉症やアトピーの機構が分かり完全にコントロールできる
2016 アルツハイマー型痴ほうが治癒可能に
同年 水系が連結され、全国で水の安定供給が可能に
同年 病気の治療のため、動物からの臓器移植が実用化
2017 5〜10年先のM8以上の地震発生を予測する技術が実用化
同年 東京湾など閉鎖性水域の水質が改善され、泳げるように
2018 個体の老化機構の解明
同年 掃除や洗濯をするロボットが家庭に普及
2019 脳と接続できる人二の目が開発される
2020 宇宙空間に太陽光発電所
同年 集中豪雨(の降り方)を緩和する技術の開発
2022 宇宙船による地球周辺宇宙旅行事業の実現
2023 M7以上の地震を数日程度以前に予測できる技術が開発される
2024 人間の感情を理解できる「人工知能チップ」が開発される
2025 脳とコンピューターを直接結ぶ技術が開発される
2025 高速増殖炉実用化
同年 生命誕生の分子機構の解明
2026年以降
脳が記憶している情報を、コンピューターが読める
核融合発電炉が開発される
火星に有人実験施設が実現
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