書感 No.5

 

  No.5にきていきなりこの「書感」の誕生秘話なんですが、元々去年中国に留学していた時に、ノートに色々書について思っていることを

書き連ねたのが原型です。読み返してみると、No.15まで書いていました。もっと中国語勉強しろ!って感じですね。

  それで、話は変わって、私の書に対する考えを今一度整理すると、現在(平成十五年八月二十七日の時点)では、「あんまり筆を

持つ意味ってないのかなぁ」というところです。東京学芸大学書道科の科生委員長らしからぬ素っ頓狂な考えかもしれませんが、そう思っている

以上嘘はつけないので、気分を害した方はごめんなさい。この考えのもとになっているのは、

 

  「アタシは、アタシのためになんか書かないっ!絶対に書かないっ!!アタシはアタシの気持ちを少しでも誰かに伝えるために、自分の

好きな人に向かって自分の気持ちを伝えるために字を書くの!!だからアタシにとっては字を書くよりまずアタシの気持ちのほうが

大事なの!!なにより今のアタシの気持ちが先!!」

 

  という、私が愛読する、『ラブレター』という書道漫画の中の、真琴という主人公のセリフです。この言葉は私が大学受験するとき、理論問題用に

作ったノートにコピーして貼ってあり、とても励みになりました。この言葉があったから今の私がいるといってもいいかもしれません。そして初めて

の科展ではこれを書きました。私はこの漫画が大好きなんですよ。詳しいストーリーはここで説明すると長くなるので、もしよかったら東宮を

見つけて声をかけて下さい、喜んでお貸しします!

  やっぱり、書に限ったことではないですけど、「伝えたい気持ち」って大事ですよね。私は人生の中で1,2位を争うくらい大事だと思ってます。

だから、伝えたい人に伝えたい気持ちが伝われば最高に嬉しいわけです。すっごい恥かしくて垢抜けないセリフですけどね。

  そういうとっても大切なことを成せるのが書だと思うんです。でも、私には今の書の多くは心に響かないんですよ。それは何度も言っているよう

に技巧に走った独り言だからです。そしてその理由は書壇の体制と展覧会にあると思います。けっこう前ですが、当時ノー天気だった私は、有名な

公募展に入選すると、師匠に「お礼」を渡すということが日常的に行われていると聞いてすっっごく驚きました。「これっていったいなんだろう??」

って思いました。あとは身内の方々がその来場の多数を占める展覧会もずっと疑問に思っています。

  保科洋の『稲穂の波』や、ショスタコービッチの『交響曲第五番』などを聞くと私はいつも身震いをしますが、今までで一番「きた」瞬間は、

初めて好きな人に告白した時です。ずいぶん前の話ですが、今書いてても気が気でないですね・・・。そういう「生」の気持ちを表現できる書って

すごいと思います。それで私はなるべくそれを実践しようとしているんですが、中々うまくいかないんですよね。もうこれは私の人生そのものでも

あるわけでして、東宮の切実な悩みです。

 

 

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