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■コロシアム2000「ヒクソン、グレーシー最後の砦は斯くも堅く」の巻
  [ 2000年5月26日東京ドーム ]

■ 第1試合

近藤有己 

    1R22秒KO    

 サウロ・ヒベイロ●        
 ストライカー(打撃系)としては、最高の勝ち方。ヒベイロのタックルに近藤のハイがヒットし、ヒベイロは意識もうろう、近藤はそのままパンチの連打でロープまで追い込み、ダウンしたヒベイロにマウント・パンチ連打。ストライカーは、一発当たったら止まってはいけない。レフェリーが止めるのが遅かったとも思えるほどの勢いの攻撃だった。しかし、思い切った打撃が出来るのも寝技に自信があるから出来ること。アブダビで優勝したヒベイロの寝技も見てみたかったが・・・。
■ メインイベント

   ○ヒクソン・グレーシー

  1R11分46秒(TKO)

 船木誠勝●
 【展開】船木、着流しを来て登場、落ち着いた表情、一方のヒクソンはいつもの白いガウン。
 [1Rゴング] 船木左右のフックを連打、ヒットせず。両者差し合いに、そのままコーナーへ。
 [1R1分] コーナーでの組み合続く。お互い小さい打撃を出す。
 [1R2分] ヒクソン、船木の右もも(ヒザ)に手を回しテイクダウン狙うも、船木耐え切る。
 [1R5分] コーナーでの組み合い続く。
 [1R8分] 差し合いの中から船木、フロントチョークの体勢へ、しかし決まり浅い。
        両者もつれるようにグランドへ、船木上になる、ヒクソンガードポジション。
        船木右の鉄槌を2発ほど当て、立ち上がる。グランドに付き合わない。
 [1R8分30秒] 猪木=アリ状態に、船木が仰向けのヒクソンの足にロー連打。
 [1R9分30秒] ヒクソン、隙を見て立つ。
 [1R10分] スタンドでの攻防から、船木の頭を持ってヒクソン引き落とすようにテイクダウン。
        ヒクソン、サイドポジション、一息おいて膝を滑らせマウントポジションへ。
 [1R10分30秒] 船木、一瞬方固めで耐えるも、ヒクソン、フルマウントへ。
 [1R11分] ヒクソン、マウントパンチからバックを取り、チョークでフィニッシュ。
        船木、落ちるも目を見開いたまま。
 【分析】「ペプシ的見解 〜船木のチャンスについて〜」
 ・最初の攻防はフックではなく、ストレートの方が良かったのでは?
 ・組み合いを長引かしたのは正解、明らかにヒクソンは消耗していた。
 ・船木、ガード上に乗るがグランドに付き合わなかったのは、おそらく正解。
 ・猪木=アリ状態では、もうちょっと変化をもたせるか、重さに重点を置くかした方が良かったので
  は?軽い蹴りの連打は、意外に体力を消耗する。この状態は、長引けば勝てた可能性大。
 ・スタンドに戻った時は、やはりストレートでのカウンターを狙うべきだった。
 ・パスガードさせないのはもちろんだが、マウントから何らかの形(ブリッジなど)で逃げるか、方
  固めで耐え切ることが必要だった。
 【講評】「もう少し、それは何だろう?」
 船木は頑張った(悲壮感が無かったのも船木らしかった、その善し悪しは別にして・・・)。ヒクソンが、徐々に追いつめられているのは分かるが、船木以上に対ヒクソン戦に向いた男はいないと私は思う。今の状態の藤田(テイクダウン&パウンド)では勝てる気がしないし、最終的には桜庭しかいないのか?と思ってしまう。船木の一番の敗因は、マウントの対処に失敗したところだろうが、なぜ失敗したのかが分からない?「強力な打撃を持って、寝技に付き合わない」答は出ているが、結果が出ない。もう少し足りないものが有るんであろうが、それが何かは分からない。グレーシー柔術の技術は凌駕できるが、ヒクソン個人を越えるのは非常に困難である。グレーシーが強いのではなくく、ヒクソンが強いのである。
 
■ その他試合結果
 [第2試合:コロシアム2000ルール]△須藤元気×△アンドレ・ペデナイラス(ドロー)
 [第3試合:キックルール]○魔裟斗×●メルチョー・メノー(4RKO)
 [第4試合:極真ルール]○
鈴木国博×●ルシアーノ・バジレ(判定 5-0)
 [第5試合:KOKルール]○マリオ・スペーヒー×
金原弘光(判定 2-0)
 [第6試合:KOKルール]○田村潔司×●
ジェレミー・ホーン(判定 3-0)

※グレーシーに関しては、近々「P報告」にまとめたものを上げます。


■ PRIDEグランプリ2000決勝 「日本人選手優勝逃すも、歴史的勝利連発!!」の巻
  [ 2000年5月1日東京ドーム ]

グランプリ2回戦 

○イゴール・ボブチャンチン 

1R10分14秒KO

 ゲーリー・グッドリッジ×     
 分かりやすい殴り合い、両者とも打撃技術だけを見れば1.5流であった(総合格闘技的立ち技と言う観点から見れば、もちろんレベルは高いが・・・)。ボブチャンチンのロシアン・フック直撃、グッドリッジふらふら・・・。

○桜庭和志 

 6R終了TKO(タオル投入)) 

 ホイス・グレイシー×
 ホイスの敗因は、積極的に攻めた事かもしれない。桜庭はグレーシーのフィールドでは戦わなかった(それは、入場からである)。桜庭はプロレス(?)の技術とグレーシー的思想(相手の得意分野に付き合わない)を持って、この戦いに望んだのである。ホイスは、グレーシー柔術が本来護身術(負けない=死なない)である事を忘れ、攻撃に出てしまった。
 グレーシーの強さの一因は、卓越した「戦いにおけるリスク管理」にある。立ち技は寝技に比べリスクが大きい。と言うのも、打撃には不確定要素が多く、幸運によって勝負が決まる事(ラッキーパンチ)がまま有るからである。それに比較して、グランドでの攻防は安定性が高い。ラッキーで関節技が決まる事は、ほぼ無いに等しい。そこでグレーシー柔術は、総合(バリトゥード)におけるグランド技術を極め、徹底的にリスクを押さえた形で、長期を挑む事で「不敗神話」を築き上げたのである。
 しかし、今回のホイスは「勝利への激しい渇望」が、あまりに危険なリスクを引き受けさせてしまったように見えた。グレーシー柔術は、倒れない相手に対して勝つすべを持たない。寝業に持ち込まなくては、勝利を得ることは決して出来ないのである。ホイスは、近年柔術勢が打撃を取り入れる趨勢に乗り遅れ、純粋な形でグレーシー柔術を継承している男である(今回は打撃対策をしていたようであるが、所詮付け焼き刃である)。グレーシー(特にホイスの属するエリオ派)の歴史は、技術を柔術外に流出しない、取り入れないという閉鎖の歴史であった。しかし、現在の情報化社会では、瞬時にしてアメリカ、ブラジルそして世界中の情報が入手できる。そして、グレーシーに敵対する者は、その情報を入手し、分析、研究することが出来る。しかし、彼等はそれを良しとしなかった。70年間の歴史の中で培われた「グレーシーの技術」は、多くの格闘技者のシェアするものとなり、対するグレーシー一族は他者の技術を受け入れなかった(受け入れるのが遅れた)。そういった意味では、ホイスは情報化社会・知識社会に敗れたと言えるのではないだろうか。

×小路晃 

判定 [3−0]

 マーク・コールマン○
 誰の目に見ても、問題のあるマッチ・メークであろう。185cm104kgと172cm92kgの組み合わせは、ないだろう。コールマンは、結果として優勝を果たすが、明らかに体格で劣る小路を3Rもかかって仕留められなかったことは、不甲斐ないと感じるのは、私だけだろうか。

○藤田和之 

判定 [3−0]

 マーク・ケアー×
 ケアーは、上に乗るのが極めて上手い。それは、92年のNCAA杯、94年のワールドカップを獲得したフリースタイル・レスリング技術から来るものである。藤田も全日本を何度も制しているが、ケアーとのレスリングにおける力の差は歴然としたものがある。ところが、今回の藤田は凄かった。「これがプロレスラー」だという所を見せつけた。ケアーの攻撃を受けきり、四つんばいの相手の後頭部を殴る(反則)、最高である。藤田はアグレッシブに攻め、大差の判定で「霊長類最強の男」ケアーから勝利をもぎ取った。この「一勝」は、一般の観戦者が考えるよりも重大な「一勝」である。
■ 準決勝

  ○イゴール・ボブチャンチン 

1R 終了TKO(タオル投入) 

 桜庭和志×
 グレーシーとの90分の死闘を終えた桜庭に、準決勝を戦い切る力は残されていなかった。しかし、「豪腕」ボブチャンチンとのリングに立っただけでも賞賛に値すると私は思う。

○マーク・コールマン 

1R 2秒TKO(タオル投入)

 藤田和之×
 ちゅうか、藤田は、「良い意味でも悪い意味でもプロレスラー」、猪木の子だった。猪木のテーマに乗って赤タオルを掛けて入場、その上開始2秒でタオル投入、演出上手すぎ。
 しかし、今大会、日本人の組み合わせが悪すぎた・・・。もったいない。
■ 決勝

×イゴール・ボブチャンチン 

2R 2分9秒TKO

 マーク・コールマン○
 比較的典型的な「打撃系」vs「寝技系」の戦いの様相を呈した。マークのテイクダウン&パウンド(タックルで倒し、上に乗って殴る)が再三成功、最後は上四方的押え込みから膝蹴りの連打でボブチャンチン、ギブアップ。もうロートルだと言われていたマーク・コールマンが復活を果たした。

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