その日3回も的中してるのにも関わらず、大幅に負け越してた俺は最終12レース
は財布に入ってるジャリ銭の100円玉15枚で勝負し残りの札は取っておこうと心
に決めレースに臨みました。
競馬新聞を読みさっさと3頭を選び出し馬番の3−5に千円を、三連複の1−3−5
を500円買い最終レースはゴール板の前で見ようと3人で観戦してました。
第4コーナーを廻った時点で5番が先頭。
その後ろに3番がいました。
そして中団の方からなんと1番が上がってくるではないですか!
買った馬券が両方当たれば今日はプラス収支になります。
「よし!来た!来たっ!そのまんま!」
と少々興奮したのですが7秒後には
「あ〜〜〜〜〜…5番タレたよ」
とボーっとして見てました。
で、後ろの方を見ると11番の馬が落馬したんです。(馬が落馬って???)
で、立ち上がってコースの観客席側をラチ(柵)沿いにまたガクンガクンと歩いてきて
るのですが…。
前脚の関節のところでボッキリと折っちゃってるんです。
もうプランプランと皮膚でかろうじてくっついてる感じでして…。
馬の前脚は人間で言えば腕にあたるわけですが、人間を馬が立ってる状態
(四つんばい状態)にすれば、両手の人差し指1本で前の体重を支えてる格好になります。
蹄がある部分が人差し指の第一関節から先、その上の30センチくらいの骨が第一関節
から第二関節の間ってことになるのですが、その第二関節の部分がボッキリと…。
もうこうなってしまうと治療できる云々の話ではなく(治療したところで馬は4本足で立って
ないと脚が腐ってきちゃうから)
馬を苦しめないためにも「安楽死」という処置がなされるのですが、馬は無理して歩いて
くるんですよ。
そうなると必然的にゴール前最前列に陣取っていた俺たちの目の前を通過することになるんです。
馬になんか人間の言葉が判るわけ無いのに俺は「あ〜も〜歩くな、歩くな!」と言葉に出していました。
かわいそうなのが半分、間近で見たくないのが半分…。
そのうち関係者が出てきて馬を馬運車に乗せようと駈けてきたのですが、馬も知ってる
顔を見ちゃったんでしょうね。
走り出しちゃったんです。
で、関係者と馬が出会った地点がちょうどゴールの地点。
そう、俺たちの目の前……。馬は走るのを止めました。
ズ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン…。
えぇぇぇぇ……………止まる地点ここかよ。
3人とももう棒立ち状態っす。
そのうち馬は俺の頭の中で響いていた「ドナドナ」のBGMの中馬運車に乗せられ去っていきました。
確かに命を落としてしまうほどの骨折をした11番のジャパンティアラ号は可哀想なのですが、
前日に寝てるところを長井氏に叩き起こされ半ば強制的に明治神宮へ初詣に連れて行かされ
たにも関わらず、御利益どころか翌日にとんでもなく縁起の悪いもの見せられて最悪な雰囲気
で新年をスタートさせられた俺の方が可哀想だと思いませんか?
こりゃ今年も彼女は……。