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原動機付自転車。
こないだ原付を買った。
2000元。内ナンバーが1000元。
車体料金1000元。修理費すべて込み。高い。端的に言って、高い。
今はデジカメが壊れており、写真をお見せできないのが悔しいが、間違いなく高い。修理費すべて込みで1000元は間違いなく高い。
ご存知だろうか、私が昔乗っていたバイクだが、「ハミング」というバイクを。20000円だった。保険はもちろん別だが、人民元にして1500元くらいか。よく走ってくれた。青信号に変わった瞬間、足で地面をけって勢いをつけないと後ろの車に迷惑のかかるバイクではあったが、かなり長い距離を走ってもスピードメーターなんてなかったけれど、全然故障知らずであった。下り坂では50キロくらいは出たものだ。
然るにどうか、この中国で買った原チャリ、メーカーはフィリップスだが、本田宗一郎氏のいわゆる「ばたばた」を髣髴とさせるいでたちで、自転車のようなペダルがついている。これはエンジンをかけるときはキックの役割を果たし、エンジンがかかっている状態では坂道のサポートや、発進加速時のサポートをするのに役に立つ。スピードがどう贔屓目に見ても35キロくらいしか出ないのはいいとして(もちろんスピードメーターなんてないので感覚だが。私が自転車で全速で走っているときと同じか、ほぼ遅いくらいの感覚で物体が過ぎていくので、まぁ間違いないだろう)、とにかく壊れるのである。
ものすごく、壊れるのである。
なんだか知らないけど、ホントに壊れるのである。
初めて見た日、ブレーキがあまりにも甘かったので、ブレーキを直してくれ、と要求。スロットがあまりにも甘かったので、スロットを新品に換えてくれと要求。ほかにもいろいろ変えてもらったが、とりあえず問題はこの二つ。
はじめてそのバイクに乗った日、雨が降っていたが、無事に家までたどり着いた。ブレーキはぜんぜん直っていなかった。スロットとブレーキレバーが新品に換わっているので、かなり感覚はましになったが、調整がぜんぜんなされていない。ここは自分で調整するか、と思い利かないブレーキで帰ってきたのだ。とりあえずウチに着き停止すると、エンジンがとまった。
駐車場を登録しなければいけない。入って聞いてみると、アパートの棟ごとに駐車場が決まっているらしい。私の住んでいる棟の駐車場は別の場所だったので、そこまで行こうと思い勢いよくペダルを踏むと、私の力の入れ方がいけなかったのか、エンジンはかかったものの、スロットが、すこん!!
抜けてしまったのだ。
想像がつくだろうか、合羽を着て、バイクのスロットレバーを片手に持っている情けない男の姿が。普通はバイクのスロットが抜けているところすら想像できないことと思う。
右手の中にあるスロットを見て、私は途方にくれた。
「どうせぇっちゅーんじゃ」
ぼとぼとと情けない音を立てて回っているエンジンをどうすることも出来ず、キーをOFFの位置に戻しきこきことチェーンをきしませながらとりあえず駐車場まで向かうことにした。雨が降っているのだ。そこにいても仕方ない。駐車場で手続きを済ませ、バイクを置き、しげしげとスロットレバーを眺める。
…押し込んだら直らないかな…?
ためしに適当にスロットを戻し、「えいっ!」とゲンコツで殴ったら、ぽこん!!
あ、なおった。
が、バネをどう戻したらいいのかわからず(研究する気にもなれず)とりあえずスロットが開くようになったからよしとし、その日はうちに戻った。
その夜また乗ったのだが、スロットが戻らない原付というのも、それはそれで便利である。走行中スロットを開きっぱなしで右手でほかのことが出来るのだ。あまりにバランスが悪いのでさすがに両手を離すことは出来ないが。止まるときにいちいち自分でスロットを戻さないといけないのは大して気にならない。
さて、次の日曜日、20キロほど先の工場まで出勤しなければならない。雨の中、早速バイクに火を入れいそいそと走り出す。スロットをずっと握り締めていなくていいのは快適である。
が、2、3キロ走ったところでエンジンが止まった。この症状はガス欠か。運良く近くにガソリンスタンドがあったのでよることにした。バイク屋め、なぜかガソリンの供給切り替えスイッチが予備タンクになっている。これではなくなったらどうにもならないじゃないか。一言言ってくれたらよかったのに。近くにあったからよかったけれど…
さて、ガソリンを入れてもらい、エンジンをかけようにも、おかしなことにかからない。スタンドの隣にバイク修理屋さんがいたので、そこにもって行ってみてもらった。
あれを換え、これを換え、あれを見て、これを見て、何とかかんとか直してもらって30元。(プラグと、リレーを換えてもらった)まぁ走るようになったから、いいか、とまたゲンキよく走り出したが、そこで1時間も食ってしまった。せっかく早く出たのに、また遅刻だ。
しばらく何とか走っていると、上海のちょうど中心、人民公園のあたりで、またしてもとまってしまった。何なんだ…。困ってしまって「えい、えい!」としつこくキックをまわしていたら、がこ!という音とともにそのペダルがくる〜ん。あーらら、キック壊れちゃったよ。こうなってはいかな私であろうと、どんな優れたライダーであろうとキックでエンジンをかけることは不可能。そして回転クラッチの原付に「押しがけ」という選択肢はない。仕方なく人民公園に乗り捨て、バスで工場に向かったのだった。
今回、長くなってしまうので、これで前半は終わり。
後半はこちら!
人民公園に打ち捨てられた困ったバイクの運命は…?!
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