天体工場について

天体工場は札幌というローカルな場所になったために、実際に目にした人は少ないかと思います。少し天体工場の説明をしましょう。天体工場は札幌ファクトリーができた当初、イメージシンボルとして造られたものです。札幌ビール工場の跡地・レンガ造りの古い建物を利用したファクトリーが目指したファンタジックな要素を詰め込んだ夢の世界と呼んでもよいでしょう。工場長という人物がいて、その人にまつわる記憶や天体観測器具などのオブジェ、さらに星造工房という架空の工房が見どころだったように思います。天体工場がいつなくなったのかははっきりとわからないのですが、最初有料だったのがお客の入りが少なくて無料に、そして結局閉鎖という過程をたどったとも聞いています。ファクトリーそのものも移り変わりが激しく、内部のお店もかなり変化しています。開店当時から残っているものの方が少ないかもしれません。天体工場もまたその変化に逆らえなかったのでしょう。また聞くところによると、天体工場が計画された当初はバブルの絶頂期で、こうした遊びにかけるお金も充分にあった、そして実際かなりの金額が割り当てられた、と。しかしご存知の通りバブルははじけ、天体工場を維持していくのが難しくなったのかもしれません。

しかし、こうした話しはもうやめましょう。私が知りたいのは天体工場の辿った歴史ではなく、実際に天体工場がどのようなものであったかです。私自身の記憶はあやふやで、手元には何一つ資料が残されていませんでした。ただあの鮮烈なイメージ、忘れられない記憶、夢のように幸福な世界・・。ずっと天体工場について何かつくりたいと思いつつ、あまりの資料のなさに躊躇していました。ですが数はそんなには多くないものの天体工場をキーワードにしたメールを受け取るようになって、「もっと積極的に動けば天体工場について判るかもしれない」、そんな気持ちになってきました。そこでお願いなのですが、もし天体工場に実際に行ったことがある、もしくは資料や販売されていたポストカードを持っているなどという方がいましたら、お手数ですが御連絡していただけないでしょうか?当時の天体工場がどのような内容だったのか、どんなものが展示されていてあの世界にはどんなストーリーがあったのか、できる限り再現してみたいのです。天体工場へ行きました、そんなささやかな声でもいいのです。私なりに、あの空間の情報を集めてなんらかの形で再現できたらいいなと思っています。それとは別に、私なりの架空の天体工場も造っていきたいと思っています。こちらは全く私の想像力によるもの。そもそも天体工場の中身をあまり覚えていませんので、実際の天体工場との類似は星を造るというこの過程だけかもしれません。稲垣足穂的な、また長野まゆみ的な要素も取り入れつつ、あやしく煌めく密造工房を作れたらなと思っています。そういうわけで、天体工場のことを知らない人でも楽しめるコーナーも同時に作っていく予定です。まだ何も準備をしていない見切り発車ですが、今後あやしげな工房が動き出すことをここにお知らせしておきます。情報提供もお待ちしていますので、どうぞよろしくお願いいたします。    2002.12.25 由里葉



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