第7回 心理学研究会報告書
 平成12年4月22日(土)午後1時から宮城学習センター小会議室で、行いました。
入会者30名中14名が参加しました。

1 心理学の大渕先生が、特別参加されました。先生のご厚意に、とても感謝します。

2 不登校について
  不登校は、近年、教育現場で大きな問題として取り上げられ、社会的な問題として臨床心理学や教育の分野のみにとどまらず、社会学の分野からも注目されている現象であり、また、ここ数十年間で著しい増加を示し、児童相談所・教育相談所・精神科医・カウンセラーの間において、特に中学生の不登校の増加が問題となっている。
  この不登校は、本人にとっても、学校にとっても、家庭にとっても強い心理的葛藤を引き起こすこととなっており、具体的には、家庭に環境的な問題があって学校に行けない場合や非行などによる不登校、知的障害などによる不登校などもあるが、今日、最も問題とされるのは、明らかに心理学的、あるいは精神医学援助が最も要求される種類のものである。
  不登校の発生過程は、まず第一に学校状況を拒否することであり、近年、母子分離不安による小学生の不登校も増加傾向にあり、その低年齢化も指摘されている。これは、本人が緊張し、どうしても家庭から出られないと言ったケースが多いもので、その様な意味で、1960年代当初、ジョンソンらは学校恐怖症と呼んだ。そして、学年が高くなるにつれて、この不登校には、いろいろな理由付けがなされるようになり、学校に意味がないなど社会価値批判的なものが述べられる場合もある。そして、このようなことに身体的訴え、例えば、頭痛・腹痛・けだるさ・抑うつ感などが伴うことも多いと言われる。第二に不登校児は、知的能力は低くなく、むしろ上位の場合が多く自己意識はかなり強いと思われ、例えば、優等生の息切れ現象なども、この中に含まれると考えられる。第三には、家庭の経済的地位は決して低いとは言えず、むしろ中級以上が多いが、それに反して両親の精神的安定感は低い家庭が多いと言われている。特に、父親の役割の不明確さや母親の神経質的な支配性などが見られる。
これらのことから、不登校には、自分に与えられた課題状況において自分の達成期待を満たすことができない子供が、その特定の課題状況を拒否し、そこから逃避せざるをえなくなってしまうという心理的過程があると思われる。このことは、自我の肥大と現実との葛藤の表現といってもよいし、また、現実的な自我を超えたバランスのとれない理想自我との葛藤の現れであるとも考えられよう。
  このように、不登校には極度に高い緊張感と不安が見られるが、本人にとっても、その理由を明確に意識できず、強いいらだちと挫折感を伴っていると考えられる。しかし、 一般にはその背景はさまざまであり、広くは精神障害的なものから意図的・積極的なもの、さらに近年では無気力なタイプの不登校も増加している。
このような不登校児童の援助は、臨機応変な対応が必要とされるが、まずは本人の内的な緊張感・不安・挫折感などをさらに脅かすような場面を避け、対人関係での安心感を形成した上で、彼らの心理を理解し、一方で現実的な対人関係での能力や技術を習得させていくことが必要である。しかし、ここで注意すべきは、不登校児童を無理やり登校させることは、一般的には好ましくないとされており、再登校を実現させるには本人の決断や家庭・学校の理解と協力、さらに、それぞれへの働きかけが重要であるとされている。現在では、不登校は誰にでも起こりうる可能性の問題であるとの認識であり、中でも潜在的な不登校への対応策が早急に求められている。

3 新入生歓迎会
  研究会後、4名の新入会員の歓迎会を特別参加の先生を含めて19名で行いました。
  客員教授の大渕先生、永渕先生、阿部先生、高橋礼二郎先生にご参加を頂きました。お忙しいなかありがとうございました。