第8回 心理学研究会報告書
 平成12年5月27日(土)午後1時から宮城学習センター小会議室で、行いました。入会者32人中15人が参加しました。
 今回は心理学実験を行いました。概要・内容は下の通りです。


1.ミュラ−・リヤ−の錯視
 1889年に発表された線分の長さの錯視です。すなわち、客観的にも主観的にも等しい長さの線分の両端に鋏辺をつけ加えると、その線分の長さが異なって見えるという錯視です。鋏角が鈍角の場合には過大視が、鋭角の場合には過小視がおこります。多くの幾何学的錯視の中でも特に有名であり、多くの変形図形も考案されています。また、鋏角の大きさ、鋏辺の長さ、主線の長さ、鋏辺と主線の長さの比、鋏辺と主線の太さ、図形の大きさなど錯視を規定する要因について数多くの研究がなされています。

2,性格の認知  ー  向性検査を手がかりとして ー
【目的】
 人の性格は実にさまざまである。陽気な人もいれば陰気な人もいる。でしゃばりな人もいれば控え目な人もいる。しかも一見陽気にみえる人達でも、よく観察してみるとそこに微妙な違いがある。この限りない複雑さが、人間に豊かさやいろどりをもたらしているのであろう。
 他人や自分の性格を把握することは、他人との関係の中で生活しなければならない人間にとっては重要な課題である。どうすればひとの性格を測定できるかの検討は、すでにギリシャ時代から始まったが、その後いくたの変遷を経て、現在では質問紙法・作業検査法・投影法など、各種の方法が標準化されている。この実験では、まず主体的条件として、個人の自己に対する意識を、現実にこうであろうと認知している自分(現実自己)と、このようになりたいと思っている自分(理想自己)の2つの側面からとりあげる。次ぎに認知水準の違いとして、自己の評定のほかに他者による評定を求める。本課題は、このような3つの評定で把えられた性格像にいかなる差がみられるか、そのずれは何故おこったかを検討することにより、性格の評定に及ぼす認知の効果、ひいては性格評定における妥当性の意味などについて学習することを目的としている。

3.自己評価式抑うつ尺度(SDS:Self-rating Depression Scale)
 抑うつ度を定量的に評価する手法として開発されたSDSは、精神科外来を含むさまざまな場面で使用されています。このSDS質問表の20項目に答えることにより、自分がどの程度強いストレッサ−・ストレス反応を起こしているかを100点満点の点数で自己評価することが可能です。このSDSで評価したうつ状態と実際に専門の精神科医が個別に診断したうつ状態とはよく一致することが知られています。

4.エゴグラム
 交流分析の手法として注目されているエゴグラムにより、自我状態の(性格構造)の分析を行いました。交流分析の創始者エリック・バ−ンの弟子デュッセ−は自我の5つの構成要因のそれぞれを自記式質問用紙により定量化することによってそれぞれの自我状態を心的エネルギ−として表現しようとしました。その後、わが国にも適用されいくつかの日本語版が現在用いられています。
 P=親の自我状態
 A=大人の自我状態
 C=子どもの自我状態

 以上、今月は心理学の実験、並びに、心理テストの一部を行いました。

5.おわりに
 みなさん、時間が過ぎてもなごり惜しいのか、研究会後も話し合いが終わりませんでした。今後も。みんなで力を合わせて、研究会の発展のために頑張りたいと思います。

 ★参考文献
「実験とテスト=心理学の基礎」実習編  心理学実習指導研究会編  培風館
       同       解説編