第2章 インターネットの歴史


2.1  インターネットの発端
 1940年代中頃に生まれたコンピューターが大砲の弾道計算や暗号解析
に使われる為に実用化された様に、インターネットの起源も軍事用途に帰着
する。1960年代、当時は東西冷戦の最中で、大陸間弾道ミサイルの登場
によってソ連からアメリカへの直接攻撃が可能になった。そこで米国防総省
高等計画局(ARPA)は核攻撃を受けても情報網が麻痺しないネットワークの
研究を始めた。そこで考えられたのが、分散コンピューティングである。以前
からあった考えである中央集中型のネットワークでは、中心となる情報基地が
破壊されると情報の伝達処理機能が一切停止してしまう。そこで、情報を複数
のコンピューターに分散させ、そのコンピューターを網の目の様につないでお
けば、一部のコンピューターや回線が破壊されても他の回線を迂回すれば目的
の情報にたどりつくことが出来る。この少し前、AT&Tベル研究所がOSの
ソースコードを公開されたUNIXと言うOSを発表した。APRAの技術者達は
これに新しいプロトコルTCP/IPを実装し、ARPAnetをつくりあげた。これが
これがインターネットの始まりである。

2.2 ARPAnetの始まり
  1969年に米国防総省の高等研究計画局(ARPA)が導入したコンピュ
―ターネットワークのことである。各地に分散したUNIXコンピューター同士
をTCP/IPで相互接続するという形態は現在のインターネットの原型になったと
いわれている。全米の4ヶ所(カリフォルニア大学ロサンゼルス校、スタンフォ
―ドー研究所、カリフォルニア大学サンタバーバラ校、ユタ大学)をつないで開
通し、その後除々に接続個所をふやしていった。1990年頃まで稼動し、その
役割は、NSFnet(National Science Foundation Network)などに引き継がれ、これ
がインターネットと呼ばれるようになった。

2.3 TCP/IP

  TCP/IPとは、2つのインターネットプロトコルのことである。TCP
はOSIモデルの第4層(トランスポート層)に相当する機能を持つコネ
クション型のプロトコルであり、IPはOSIモデルの第3層(ネットワー
ク層)に相当する機能を持つプロトコルである。TCP/IPはインターネッ
トプロトコルの事実上の標準となっている。
 
2.4 情報スーパーハイウェイ構想

 米国副大統領アル・ゴアは「情報スーパーハイウェイ構想」の実現に向け
て、超高速コンピューターと超高速ネットワークの研究開発計画の実現に力
を注いできた。日本でも1993年頃から新社会資本整備構想が打ち出され、
国内の情報通信基盤の整備が開始された。ゴア副大統領は、1994年に世
会規模の情報通信基盤の構築を提唱し、多くの賛同を得た。

2.5 WWWの誕生

 1989年ジュネーブのCERN(欧州核物理研究所)のティム・ベル=リー
を中心としてネットワークへの接続者が共通のブラウザを使って情報を共有し
ようと提唱した。そこで採用されたブラウザというのは、ハイパーテキストと
呼ばれるマウスでテキストの一部をクリックすると、その内容に関するページ
に飛ぶという現在のWWWプラウザの原型となるものである。その後イリノイ
大学の全米スーパーコンピュータ研究所の学生がWWW上で文字だけでなく絵
を表示させることのできるブラウザを開発し、このソフトがWWWを世界中に
広めるきっかけとなった。
* WWW=World Wide Webの略

2.6 日本のインターネットの歴史

  1984年、東京大学、慶応義塾大学、東京工業大学が大学間で電話回線
によるネットワークの実験を開始し、相互のホストコンピューターを接続した。
こうしてJUNETが発足し、管理・運営はボランティアによって行われ、その
後ネットワークは除々に拡大して、企業と大学が共同で進める大規模なネット
ワークの研究の為のWIDE−PROJECTが国際接続を開始した。1993年に
は、JPNIC(日本ネットワークインフォメーションセンター)が設立され、日本に
おけるインターネットの管理・運営活動を現在も続けている。インターネットに
接続する場合は、加入しているプロバイダ経由でJPNICからIPアドレスやドメ
イン名を割り当てられることになる。JPNICの発足とともに、数多くのプロバイ
ダができた。とくに1993年IIJ(インターネットイニシアティブ)が設立以降
1994年から商用パソコン通信会社がインターネット接続サービスの提供をはじ
め、個人向けのプロバイダも多数設立されるようになった。


目次へ