「箱庭」


はじめは小さきことなれど、それがすべてを物語る。
一本の糸がわれのすべてとなりて、われは平気で紡ぎだす。
かのきみとつながれしわれとなり、われを留めるものはなし。
いずこよりきたるか、きみは。いずこにあるか、きみは。
きみは地震のように直撃し、われは後に物語を知り、
きみはわれの知らぬ間となりて、われの一部となりにけり

われはひとり残されて、きみの置き所を彷徨う。
いずこよりきたるか、きみは。いずこにあるか、きみは。
われはいずこへゆくべきか、われはいずこにあるべきか、答えよ。
われゆかん、きみとともに、心底へ。

美しき明月がひとりわれを照らす。
ああ、悲しき月光かな。



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