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「動くな、動くとうつぞ」 その背後からの声を暗闇の中で聞く僕。 動けない僕。 息遣いが荒くなっていくのを感じながら、 「やめてくれ」と声は出さないが口だけを動かす僕。 苦悶した表情の僕の口からは血が滴り落ちていた。 「いったい、いつまで・・」 その浅黒い少年は海辺にうまれ、育った。 夏のある日、一学期の終業式の校長先生の退屈な話を何とか切り抜けて彼はいつものように、友達と海に泳ぎに行った。彼らは飽きることなく、泳ぎつづけた。遊びに飽きたのか、彼は他の連れよりも深い所を漂いだした。きらきらの石や海草が揺らめいていた。彼は真珠のような目でそれらを眺めてた。彼の目がヒトキワ光りだした。おひさまをじっと見ているあるひとつの貝を彼のめんたまは見逃さなかった。手と足を全開に使いながら、その生暖かい海水の中を、彼はそれ目指して漂いだした。 |