◆ 「民族学校にも受験資格を!」日朝学生有志による院内集会 ◆
2003.3.18
昨日3月17日、衆議院第二会館へ行った。タイトルにある「「民族学校にも受験資格を!」日朝学生有志による院内集会」に参加するためである(詳細はこちら)。
■ちょっと経過説明
この集会報告に入る前に、これまでの経過を簡単に触れる。
今年3月6日、文部科学省は、国内の外国人学校出身者に対して否定してきた大学受験資格を、16校のインターナショナルスクールにのみ認めることを発表した。
日本にはインターナショナルスクール以外に、朝鮮学校、韓国学校、中華学校、ブラジル人学校など、さまざまな外国人学校がある。
今回の文部科学省の発表に対し、日朝学生有志がすべての外国人学校に大学受験資格を与えるよう文部科学省に訴え、広く賛同を募っている。
ちなみに、一部の大学が民族学校に対する受験資格を認めている。公立大学34校、私立大学228校。国立大学は認めていない。
外国人学校の生徒が、外国人学校の受験資格を認めていない国立大学やほかの大学を受験する場合、大検に合格しなければならない。
■集会での発言者の発表
○東京外国語大学教員
文部科学省が、インターナショナルスクールにのみ大学受験資格を認めることにしたのは、どこかから横槍が入ったのである。多くの国会議員もこの発表を理不尽と言っていた。記者会見をおこなったが、あまり報道されていない(たまちゃん騒動に負けたようだ)。声を上げていくことが大切。
○在日朝鮮人大学生
今日1時に文部科学省に要請に行った。文部科学省側は、大学で学ぶのに支障のない学力がつく学校でないと、大学受験資格を与えられない、と答えた。自分たちは以下の要請をした。1、すべての外国人学校に大学受験資格を認める。2、受験資格のみならず、外国人学校を包括的に再検討してもらいたい。3、そのために、外国人学校の実態を調査してほしい。
○国会議員1
外国人学校に大学受験資格を与えてない日本は、差別的として世界中(子どもの権利委員会など)から非難されている。文部科学大臣、副大臣に追求したら、「検討してみます」との回答。差別に対する十分な説明がなかった。
○国会議員2
文部科学省は、これまでの要請、抗議などから、パブリックコメントで「アジア系の学校についても検討したい」とまで言うようになった。子どもの権利委員会がこの問題を是正するように日本政府に要請したが、日本政府は「差別していない」を答えている。日本は、今後留学生を大勢受け入れると発表しているのに、なぜ外国人学校の生徒を差別するのか。
○東京朝鮮学校生徒
大学入学のための一定の水準があるのは、インターナショナルスクールのみとしている。アジア系学校の排除はアジアの排除につながる。14日のデモの後文部科学省へ要請に行ったら、「差別していない」「検討する」との回答。
○神奈川朝鮮学校生徒
前近代的措置である。米英学校のみ認めるというのは、米英国のファクターで決めているということだ。
○東京朝鮮学校教員
小泉首相は「聖域なき構造改革」と言っているのに、矛盾している。日本の私立の高校と比べて、朝鮮学校は国の助成金が非常に少なく、経済的に厳しい。納税義務を果たしているのに、朝鮮学校には還元されていない。
○ブラジル学校校長
戦前日本が貧しかった頃、海を渡ってブラジルに25万人来た。いまやサンパウロ大学の教員の15%は日系人である。今、27万人のブラジル人が日本に来ていて、そのうち3万5千人は就学すべき年齢の子どもである。ブラジル人学校へ行っている子どもも、日本の学校へ行っている子どももいる。他の外国人学校と力を合わせて大学受験資格を得るようにしたい。
○横浜の中華学校卒業生
自分の通った中華学校は20年前に高校を廃止した。大学受験資格がないからである。校長は「なぜ差別を受けないといけないのか」と訴えている。
○在日韓国連合会(名称やや自信なし)
なぜ不平等なのか。納税しているのに、社会保障は完全には受けられない。共生することが大事である。
○高橋哲哉(東京大学助教授)
自分はあたりまえのように国立大に入学し、国立大の教員をやっているが、外国人学校の生徒は国立大学の受験資格がない。インターナショナルスクール以外の外国人学校に大学受験資格を与えないのは、明らかに差別。米英系はよい、というのはレイシズム、民族的差別である。国立大をすべての人に開放するように。日本の植民地主義が残っていたので、韓国、朝鮮を差別しているのである。教育全体が右傾化している。学校指導要領で「愛国心」が盛り込まれた。いわゆる「愛国心を計る通知表」が福岡で行われている。
○姜尚中(東京大学教授)
当事者の利益を是正すべき。北朝鮮に対する制裁とみられる。インターナショナルスクール以外の外国人学校に大学受験資格を与えないことになった原因の横槍を明らかにすべき。なぜインターナショナルスクールだけなのか。日本のアジアに対する固執的な差別である。日本にいる在日はの子弟は恒常的に差別にさらされている。日本の学校では実名を名乗れない。大学は門戸を広げるべき。民族性とは何か、自分たちの考える民族学校とは何か、みんなともに考えていくべき。大学受験資格問題は全体的、包括的に取り組むか、国立大の自主判断にゆだねるか。
○京都大学学生(民受連)
京大広報に「民族学校出身者の京都大学への受験資格に関する最終報告について」を掲載。いままで京大に署名、公開質問状を提出し、公開質問状に対し文書で返事を得られるようになった。協力的な教員もいる。ニュースステーションが民受連を取材し、放送した。以後、マスコミに取り上げられるようになる。自分の大学が差別していることを許してはいけない。拉致事件発表後、朝鮮学校がなぜ嫌がらせの対象となるのか。一橋大学、大阪大学と協力している。
○議員秘書
各大学が外国人学校の大学受験資格を認めていく方向で、進めていけばいいという考えもあるが、文部科学省は制度としてあるから、それを大学が従うようにしている。あちこちの大学で声を上げていくべき。
■感想
平日昼だったが、学生の問題で学生が取り組んでいるので、会場は満員で立ち見が部屋からあふれるくらいだった。
朝鮮学校の生徒が国立大学を受験するために大検を受けた話などを聞き、明らかに平等でない、差別だと感じた。姜尚中氏が言った「日本のアジアに対する固執的な差別」を消し去らないと、日本は絶対に腐っていくと思った。すでに腐り始めている...。