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【体験談:続き】 ある日の夜、私はSKYLINE氏と共に廃工場跡を訪れた。 まずはじめに、事務所だったと思われる建物の中に入る。 入り口の所にあるポスターは91年に作成されたもののようだ。 だとすると、この廃工場はさほど古いものではないようだ。 バブル崩壊と共に倒産したのだろうか? 生化学実験室という名の扉があった。 その扉には、「バイオハザード」の警告文字が・・・ ●治●科大学の生化学研究室にも同様の警告があるが、 別に入ったからといって即座に何かに感染するということはなかろう。 入ると試験管や薬品等が置いてあった。 部屋はさほど広くないことから、 大規模な研究が行われていたわけではないようだ。 その隣は、事務所らしい。 机がぽつんと置かれている。 引き出しを開けてみたが、特に何も無かった。 社長の「変革の時は来た 云々・・・」という張り紙が貼ってあった。 誤った方向へ「変革」してしまった社長の悔やむ顔が目に浮かぶ。 最後の部屋まで見たかったが、 どういうわけか奥の部屋は水びたしで異様に汚かった。 我々はこの奥の部屋に入ることを断念した。 外に出て、今度は工場の方を探索することにした。 建物の右側に入り口があり、思い切り引っ張ると簡単に開けることが出来た。 入り口に大きな蜘蛛が我々を捕らえんとばかりに巣を作っている。 蜘蛛の巣をくぐりぬけ建物の中にはいった。 「がら〜ん」としている。 それが第一印象だった。 中央には、おそらくアイソトープ照射機であろうと思われる 大きな機械が設置してあった。 何もない空間を少し進むと 右へ登る階段があった。 登り終えた先にはなにやら部屋があるようだ。 我々はその部屋の中に入った。 確か「中央制御室」とかいう名前が書いてあったと思う。 この巨大な装置をコントロールするための設備が置いてあった。 椅子に座るとまるで「宇宙●艦ヤ●ト」か「ホ●イト●ース」の乗組員にでもなったような気分で ある。 ずべてのスイッチをONにしてみるが、当然、機械は動かない。 ここにも机があった。 引き出しを開けるとなんと1991年の自動車雑誌「Driver」が出てきた。 「まだまだ続くマツダの新車攻勢!7番目のクロノス兄弟、オートザムクレフ登場!」 「R32スカイラインGT−R その真実」 「CR−Xデルソルは本当にいいのか?」 なんとも時代錯誤なフレーズにタイムスリップしたかの様な錯覚を感じる。 中央制御室を後にし、先へ進む。 ついに工場の左端に来たようだ。 我々はアイソトープ照射設備の裏側に回りこんだ。 すると、目の前に扉があった。当然入る。 そこには納品書や注文書が置かれていた。 この貴重な資料のおかげで この工場の正式名称が「日本アイソトープ照射協同組合」であること。 少なくとも1992年までこの工場が稼動していたことがわかった。 そして、次の扉を開ける・・・ そこは倉庫のようであった。 おそらく殺菌用と思われる薬品、ダンボール、 そして1983年の「ヤングオート」誌があった。 「排気量を1.5倍にする魔法! これからはターボの時代だ!」 「なんと1500CCで100馬力以上!シティターボ!!」 「脅威の速さ!ゼロヨン16秒台!」 18年の時を経て、 NAでも1500CCで100馬力以上は当然になった。 そして、テンロクNAでもゼロヨン15秒台が出せるようにもなった。 ・・・・古い!古すぎる!! 倉庫を出ると、あとは最初の入り口まで一本道であった。 確かに「過去」は存在していた。 当時は「20世紀」 そして今は「21世紀」である。 我々は確かにあの頃の未来にいるのだ。 そんなことを考えながら廃工場を後にした。 終わり |