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日本学研究室
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005/今日のSEX
コンドームとコンビニ
芝原三裕
1 選択肢としてのコンドーム
大阪大学文学会で発行している『待兼山論叢』という雑誌の、新しい号を読んでいたら、荻野(美穂)先生の「戦後家族計画史のためのノート」に目がとまりました。この論考では戦後日本においていくつかある避妊法の中で、コンドームによる避妊がなぜこれだけ突出したのかについて、政策史や社会運動史の観点から論じられています。確かに、私たち(特に男性)は避妊具といえば勝手にコンドームをイメージしてしまいます。かく言う私も今まで「なんでコンドームなのか」なんて気にもしなかったのですが、物理的遮断という極めて原始的な方法によって避妊しようとするコンドームは、必ずしも100%な避妊法でもないし、そもそもそれぞれのセックス、それぞれの避妊法があってしかるべきなのに、コンドームばかりで他の避妊法が認知されていないというのも問題なような気がします。
とまぁそんなこと言ってはいますが、やっぱりコンドームは身近な避妊具です。コンドームを持ったり使ったりすることはもはや常識、コンドームについての情報は益々巷に溢れております。最近ではコンドーム専門店のCondomaniaが有名です。東京には表参道交差点のものすごく目立つところにお店があって、中高生の男女が何の気兼ねもなく出入りできるような(そのことが一時期マスコミで話題になりました)、オシャレなお店です。大阪にもアメリカ村の三角公園のすぐ目の前にお店があります。私も最近ふらっと立ち寄りましたが、店内にはあ〜だこ〜だ言いながら、物珍しそうに店内を物色する女子中学生の一団がいました。そんな中に男一人でいるのはちょっとキビしい感じがして、私はそそくさと出てきてしまったのですが。私もまだまだ甘いです(笑)
表立って買いにくいというコンドームの性格もあるのかもしれませんが、コンドームの販売・通販はウェブ上でも盛んに行われています。condom.jpなどは、特によく出来たサイトでコンドームに関するリンクもなかなか充実しています。lovely
popやLOVE PIECE CLUBといった女性用アダルトショップのサイトなどにも共通するのですが、これらのサイトは関連する政府機関や、セクシュアル・マイノリティに関する運動を行っている団体のサイトなどに結構細かくリンクを貼っていて、性的な商品を売るこれらのお店が、多かれ少なかれこういった性の問題や世の中の動きに敏感になっているというのが分かります。
ところがこれがコンドームを製造しているメーカーのサイトに目をやると、コンドームを売ることに一生懸命なようで、性の問題についてはあまり触れられていない、ということはちょっとした驚きでした。戦時中、日本軍兵士用に「突撃一番」を作って大儲けしたオカモトのサイトには、そのことが全く掲載されていないし(というかこのサイト、やる気ないですね・・・)サガミオリジナル(相模ゴム工業)は、人気ラッパーを集めた「セーフ・セックス」のイベントをやったようですが、そこで謳われているメッセージは「コンドームしてればエッチも安心してできる」に終始しています。まずコンドームありきの姿勢が前面に出ています。不二ラテックスは、コンドームの歴史について記述がありますが、それも「突撃一番」まででその後の歴史はさっぱり分からんのです。まぁコンドームを商品としている以上、これはある程度仕方ないのかなという気もしますが、もうちょいなんかやってもよかろうと。コンドームの普及にはこれらの会社が深く関わっていることもまた事実なわけです。これは単に企業側の姿勢云々というより、性と経済の関係を考えようとする時にもちょっと問題視していいかもしれません。
「無印良品」のコンドーム
2 コンビニでコンドーム買っちゃダメですか!?
男友達と話しておりましたら、どこでコンドームを買うかという話題になって、薬局やら専門のショップやらという意見が多数挙がる中、私が「コンビニで買います」と宣ったら「それはないよ0!」と顰蹙の嵐。なんで!?だってコンビニにもコンドーム売ってるでしょ。どこにでもコンビニあるし、便利じゃないですか。そんなにコンビニのコンドームは信用ならんのか?と私は疑問に思ったのでした。もちろんコンビニでコンドームを買う人もたくさんいるのですけどね。
当然のことながらコンビニにも性的な商品が数多くあります。そしてコンビニが社会全体の消費や流通に大きな影響を与えている現在、コンビニに並べられる性的な商品は様々な論争の対象になってもいます。例えば成人向け雑誌、いわゆるエロ本は、いまやコンビニでの購入が全体の中でも大きな割合を占める一方で、青少年への悪影響を心配する声が聞かれます。そしてそれはエロ本を作る出版社側の意識にも大きな影響を及ぼしていて、コンビニで販売されるエロ本は書店のそれよりも過激な表現を控えたものとなっています。
コンビニという極めて均一な消費の現場では、性的な商品もより均一なイメージであることを要求される、と言ってしまうのは言い過ぎでしょうが、どうもこのような要求は「コンビニでコンドームを買わない」と言っていた友人たちの意識と、無関係ではないような気がしてならないわけです。均一であることを志向するコンビニでコンドームを買うという行為と、それへの反発(友人においては「コンビニコンドームへの機能的な不審」という形で現れたのですが)は、コンビニのコンドームをより論争的なものにしてもいいはずなのですが、表立ってはそうなっていないようです。
そういえば「無印良品」のシリーズにもコンドームがあって、ファミリーマートで取り扱っています。たしか不二ラテックスの製品です。このような「無印」のイメージは、より均一なイメージを要求する空間としてのコンビニとも親和性のあるイメージでしょうし、それとも大きく関係のあることですが、「無印」コンドームのポイントは、比較的女性も気兼ねなく買えるというところではないかと思います。「いざというとき、女の子が男の子に「はい、これ」とコンドームを手渡すのはカッコいい」というのは分からないでもないかなと。前述したコンドマニアなどもそうですが、女性がコンドームを購入する場所も機会も増えてきているという現在の状況は、単に性の問題に自覚的になったということでもないようです。
というわけで今回はこれにて終わり。次回・・・未定です。
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