2003年6月15日掲載

『マック(関西圏=マクド)の出すゴミは戦略的に解決できるのか?それとも非戦略的問
題か?』

 最近のCMとか、貧困の発展途上国の難民や子ども達の食糧不足に結び付けて考えるこ
とに難があると思うのは、@私の関心領域ではないAそもそもゴミが生まれてしまうのは
顧客機会を逸しまいとする企業努力であるから。だからといってゴミが減らせればいいこ
とだし、それが貧困の国を救うことに役立ち、さらに、企業やアクティビストにとってス
ピルオーバーを引き起こすことができるのなら良いことでしょう。
 私は技術者ではないので、技術革新の点からゴミをどうするかはわかりません。
 というわけで、政策で考えてみましょう。

 まず、戦略的フロンティアとは、前に読んでたHBRの掲載論文がベースです。
 そもそも、容器をリサイクルしやすいものに代えるとか、マックで言うなら、包む紙を
地球にやさしいのに代えるといったことは戦略的フロンティアに含まれると考えます。な
ぜなら、それをやって経費はかかっても売り上げに影響はしないから。しかし、ゴミを減
らすために在庫を減らすというのは、売り上げに直結します。企業としてはこれは避けた
い。アクティビストのような機関投資家やWall Streat Ruleに従う株主にとっても、売り
上げまで減らして地球環境に貢献するのにはいい顔をしません。売り上げ減ったら、株価
落ちるから。だから、戦略的フロンティアに対して、金融関係者が誰もいい顔をしない未
開拓な分野を非戦略的フロンティアと呼べると考えます。では、どうするか?

 「企業努力、市場圧力の両方で無理なことは政治で解決すべき。たとえば、ゴミの発生総
量を政府が法律で規制する。事業所規模に応じてゴミ容量を割り当てる方式。あるいは、
帯域幅オークションで用いているようにゴミ容量権利を売り買いする市場を創設する。」

 これを思い付いた時点でいくつもの批判が頭の中からもくもくとでてきました。まず、
オークション。通信業界がこれほど不況に陥っているのは、第三世代の帯域幅オークショ
ンの負担が大きいからです。そのため、オークション方式に踏み切れば費用の高騰を招き
、負債を増加させるだけだという批判を被るでしょう。北欧諸国が過度な規制を施行した
結果、企業が撤退し、失業者が増え、社会的厚生がむしろ低下したという事例も多々あり
ます。
 ゴミの発生量規制も問題です。まず、事業に対して外部不経済の分を企業に転嫁させる
のはまあ、問題ないとして、ゴミを適切に処理している事業者に対して、量の規制をする
のは適切か?ゴミが環境を汚しているとかいうならともかく、適切に処理されているのに
、ゴミを出すことが悪いと決め付けられるのか?ゴミを出すのが悪いのなら、出したゴミを
環境リサイクルや資源リサイクルに転化させている事業者はどうするのか?人間だって糞
を出すじゃないか。人間が出す糞も規制しろってことか?原理原則的に言うならば。
 マックの問題は、つまり、現代人の飽食への警告であります。だが、警告しても解決し
ない問題でもあります。警告そのものは深く受け止めるとして、その解決シナリオは現実
的な検討がかかせません。たとえば、マックの売り上げが減っても、販売機会のチャンス
を逃さないために、作りおきは続けるでしょう。作りおきをしなくてもゴミは出ます。だ
から、総量を規制して、総量から逆算した生産体制を作る圧力をかける、というのが私の
思い付きです。