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僕のバイト経験も遂にここまで・・・9月21日
おおよそ1ヶ月のブランクを経て、やっとネタを手に入れました。
この日記を読んでくださっている人は知っていると思いますが、僕はこれまで数多くのバイトをこなしてきました。焼きとうもろこしに始まり、奈良そごう、有明産業、コンサート警備、葵祭、祇園祭etc.etc・・・(京都3大祭制覇まであと一歩まで来ました。)
そんな中でも、今回紹介するものは、最もデンジャラスかつショッキングで、かつ短時間、しかも“割りのいい”、最も動きの少ないバイト。具体的には2mm以上は動きません。というか、動いてはいけません!!
どのようなバイトかは全く想像できないとは思いますが、僕がこのバイトに行き着いた発端となったのが研究室のメーリングリストにより回ってきたこのメールです。
ATR(http://www.atr.co.jp/index-j1.html)にて行う実験の被験者を募集いたします.

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日時:9/20(木),9/21(金)
   時間の詳細は未定(逐って連絡いたします)

実験場所:ATR(http://www.atr.co.jp/traffic-dir/index-j.html)

内容:顔面表情と脳活動の関係をfMRIで計測.
   (聴覚班共同研究者の○○○先生による実験です.
    ××(←研究室の先輩の名前)は,この実験に直接的には関与いたしません.)

募集人数:8名(確実に当日実験に参加できる方)

所要時間:(実験説明,実験など含めて)数時間

時給:¥5,000程度

【fMRI】Functional Magnetic Resonance Imagingの略.核磁気共鳴画像法.局所脳血 
流分布変化を反映する信号を検出することにより、脳神経系活動を間接的に計測する 
方法.電離放射線被曝がなく、非侵襲です.

まず、このメールから分かる事と言えば、お馴染みのATRでの実験であること。
MRIという文字から、きっと医療装置を使った実験であること。
時給の良さから推測するに結構、危険を伴うであろう事。(というか“被爆”という言葉だけでインパクト大アリです)
はっきり言って、さすがの僕もためらいました。時給のいいバイト=人体に危険が及ぶ可能性大という方程式を僕も当然のように知っています。「こ、これか、噂に聞く大学生を狙った裏バイトとは!!」 結局普段バイトもせず、生活苦に悩まされていた僕は、“非侵襲”という一方的な言葉を信じ、実験に参加する事を決意しました。
実験当日、通いなれたATRのマイクロバスに乗り、研究所に到着。
受け付けに向かい、いつものように「アルバイトで来た松本ですけど・・・」と言うと、普段ならそこで“臨時入場許可証”というプレートを受け取るんですけど、その日は“来客”専用プレート。「プレートが違うだけ、ただプレートが違うだけ。」でも、そのプレートが違うという事だけにも妙にナーバスになっている自分に気付きます。
さらに10回近く来た事があるATRにおいて、この日初めて地下に案内されてしまいました。
地下の様子は、上階とは異なりかなり重々しい雰囲気が立ち込めています。そこは明らかに異世界。しばらく案内の人に付いて歩いていくと、実験室の前に着きました。
「ピッピッピッ、ウイ〜ン、ガチャ」
なんと扉は電子ロック。もう決定的です。これは絶対にヤバイ・・・
扉の向こうは、期待を裏切らない危険な香りがしています。
パソコンのモニターには人の顔と、怪しげな音声。それと良く見ると、人の脳の断面図・・・
ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ・・・これは絶対ヤバイ!!
部屋に入ると、早速今回の主犯らしい人物が声をかけてきた。
「松本君?じゃあ、実験の説明するから座って。」
それからプリントを使って数分実験の説明を受けた。
実験の趣旨と内容。そして話は今回使用するMRIに及んだ。
「MRIって聞いた事あるかな?脳の断面を見るために実際使われてるんだけど・・・。磁気を使うんだけど、使う磁力が1.5T(テスラと読む)。これは体には無害である事が知られています。」
プリントに目をやると、
“1.5T(地球磁場の数万倍の強さ)”
「来た、来た、絶対こんなの体にいいわけないぞ!!数万倍ってどれくらいなんだ、えっ?おいっ!!」
一通り説明を聞き終えると、身体に関するアンケートと実験参加同意書を書くように言われた。これで僕の身は完全に囚われた事になる。もうどんな後遺症が出たとしても文句は言えません!!
アンケートと同意書を書き終えると、早速MRIのある別室に移された。
今回の実験は、MRIの中に入り、モニターに写しだされた人の顔とヘッドフォンから聞こえてくる音声からその人の感情がポジティブな物かネガティブな物かを判断し、MRIによりその時の脳の働きを調べるというものであるらしい。MRIの精度は誤差2mm以内。だから決して頭を動かしてはならないのです。
淡々と話は進み、僕はMRIに寝かされている。頭をテープで固定され、自由を奪われた僕の右手には解答するためのスイッチ、左手には緊急用ブザーを握らされた。
この緊急用ブザーで僕はいつでも脱出可能だ!!
「じゃあ、がんばって下さいね。」と主犯格の男に笑顔で見送られ、遂にMRI内部に移動である。がんばれって言われてもこの状態じゃあ、ねぇ?
「じゃあ、実験開始しますね。(声は妙に明るい)」という一言で、周りの装置が一気に音を上げる。
「ビィビィビィビィビィビィ・・・・」
「ピピピピピピピピ・・・・・」
「ブオン・ブオン・ブオン・ブオン・・」
「ガガガガガガガガガ・・・・・」
「あ〜〜〜、このまま改造されてしまふ・・・」
すると目の前のディスプレイに日本人男性(推定26歳)の顔が写し出され、
「おはよう☆(めちゃくちゃ笑顔で)」
こ、これは間違いなくポジティブだ!!「よし、1のスイッチを。カチッ。」
次に目の前に現れたのは、白人男性(推定32歳 ちょっとラテン系・・・」
「Is that so?(確かこんな感じだったと思う。)」
「これはちょっと微妙だな。え〜い、2。」
再び現れた日本人男性。
「11時半!!(めちゃめちゃ力んだ感じ。しかも、ちょっと怖い)」
「これも2だな。カチッ。でも11時半って何??」
次は白人男性。どうやらこの実験ではこの2人しか出てこないようだ。
「We are リオデジャネ〜ロ〜!!(まさしくラテン系のノリである)」
頭を固定された状態でMRIの中に入り、耳にはヘッドフォン、右手にスイッチ、左手には緊急用ブザー。目の前の怪しげな男達の無意味な言葉(しかもラテン系だったり)に反応し、スイッチを押す。ひたすらこれを繰り返している僕がそこにいる。
客観的に見て、これは明らかに日常を逸脱してますね。
「まさかこんな体験をすることになるとはね。人間って不思議なもんだね。」とちょっと悟りにも似た感情を抱いているのでした。
そんなこんなで1時間ほどの実験が終了。腰の痛みがあるとはいえ、これ以上“楽”なバイトもないでしょう。
あなたならこんなバイトしてみたいですか?ちなみに給与は¥6000也
その後、軽い頭痛がするのですが、僕は季節の変わり目による風邪であることを信じています。
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