Hビザ


H-1Bは短期就労ビザであり、専門職に従事する外国人に発給される。学士号以上を持ち、大学で専攻した専門知識・技術を必要とする分野で働くこと」という厳しい条件がある。

高卒の場合、実務経験3年で大学教育1年とみなされるので、専門職で12年以上の経験があれば有資格者となるが、取得できるかどうかは職種による。寿司職人・美容師・コンピュータ技師など、技能がはっきりしている職種は取得しやすい。この場合には専門学校卒もプラスになる。

Hビザの申請は、雇用者ではなく雇用主が行う。
雇用主は、給与額や労働条件を明記した労働条件申請書(Labor Condition Application)を労働省へ提出して認可を受け、その後、移民局に必要書類を提出してビザの申請を行う。

<H-1Bの有効期限と滞在期間>
最長6年(3年毎に更新)

H-2Aは、作物の刈り入れなどの季節農業労働者に与えられるビザ、H-2Bは、専門職以外の技術者に発給されるビザである。まず、労働省の地方出先機関に申請して、米国内にその仕事に従事する人がいないことを証明してもらう必要があり、そのため申請にはかなり長い待ち時間が必要となる。

H-3は研修訓練生ビザであり、生産には携わることができない。研修における役務、生産的な仕事を含む場合には、その作業時間と教室内の授業時間との割合、また、そのような研修が外国人の自国で受けられないこと、研修を米国で受けねばならない必要性など相当綿密な研修プログラムを提出しなければならない。

研修が教育機関の課程で行われるものであれば、Fビザに該当する場合もある。訓練生の給与が受け入れ先である米企業から支払われず、該当訓練生の派遣元である外国企業から支払われる場合は、B-1ビザで訓練生として入国することもできる。

研修プログラムが、合衆国情報局より交換訪問プログラムとして認められれば、交換訪問Jビザに該当する場合もある。

<H-3の有効期限と滞在期間>
最大2年

<H-1Bビザ年間枠の拡大>

Hビザの発給とは労働力を海外から輸入することであり、アメリカ人の雇用機会を奪う可能性がある。そこで、労働省が資格審査を行って、移民局はH-1Bの発給数を 年間 65,000 件に制限していた。しかし、最近の好景気持続で労働力需要が拡大し、97年度(96年10月〜97年9月)からビザ枠が足らなくなる事態となった。

H-1Bビザ枠の推移
92年度: 48,645 件
93年度: 61,591 件
94年度: 60,279 件
95年度: 54,178 件
96年度: 55,141 件 (H-1Aの有資格看護婦をH-1Bへ統合)
97年度: 65,000 件 (9月の申請分 5099 件を98年度に持越)
98年度: 65,000 件 (5月11日に受付停止。 20,000 件を99年度に持越)

そこで、インドや中国から外国人専門職を雇い入れたいコンピュータ関連企業が先頭に立ち、H-1Bでの年間枠の一時的増加法案が98年秋に上院で可決された。この法案には、外国人労働者をH-1Bの枠で雇用する際に、米国人労働者をレイオフしないという米国人の雇用を守る内容が含まれている。また、雇用主がH-1Bビザでの雇用者1人につき 500ドル(現在は1000ドル)を移民局に収める義務を負う。この収入は、米国民の未熟練労働者や失業者の職業訓練等に使われる。

年間枠の変更内容
1999年度: 2000年度: 65,000件から115,000件に増加
2001年度: 107,500件に増加
2002年度: 65,000件に戻す

大幅増加されたにもかかわらず、IT革命による技術者の需要が急増し、 1999年度枠は5月末に、2000年度枠は3月末に早々と使い切ってしまった。そして、今年の3月以降の申請は来年度に持ち越され、次年度の始まる2000年10月まで、H-1Bの発給はストップされ、各企業は外国人を新規採用することはできなくなった。

人手不足のコンピュータ業界から強力な要請を受けたクリントン政権は3年間にH-1B枠を195,000に拡大する法案を通過させたが、2001年のITバブルの崩壊でリストラが始まり、ビザ枠は大幅に余ることになった。

<H-1B ビザの申請について>

H-1Bビザの申請は複雑で、雇用先の会社の財務状況等の情報も必要なため、会社が利用している移民弁護士を通じて申請するのが早道である。申請費用は2000〜4000ドルで、弁護士によって異なる。

H-1Bを申請してから労働許可が下りるまで、通常1〜3ヶ月程度必要である。そのため、プラクティカル・トレーニング・ビザからH-1Bへの変更は、余裕を見て行うことをお勧めする。2001年の法律の改正により、申請さえしておけば、許可が下りるまでにプラクティカル・トレーニング期間が切れても違法ではなく、実際はビザ無しの状態でも仕事を続けることは可能になった。しかし、「PTが切れたから雇用を継続したくない」という頭の固い企業もあるため、せっかく見つけた仕事を失わないために、ビザ切れの期間は無給で働かざるを得ないケースもあるという。

H-1Bビザの申請に関しては、移民局が2001年から、1000ドルの余分の手数料を取って10日でビザが下ろすというスピードサービスを始めた。時間が無い人には朗報だが、実際に機能しているかどうかは不明なので、このサービスを利用したい人は移民弁護士に尋ねてみること。

また、転職は、Hビザを書き換えるだけで良く、比較的簡単に済む。だが、クビ切りにあった場合、会社を辞めた時点でビザが失効するので、次の仕事を即刻見つけない限り、帰国するはめになる。一旦、違法滞在になってしまうと、ビザが下りなくなるからである。

永住権が欲しい人は、H1-Bビザの有効期間中に永住権取得を完了しなければならないため、早めに会社側と交渉する必要がある。Hビザが切れる頃になって、永住権を申請しても間に合わない可能性が高い。Hビザのスポンサーはしても永住権のスポンサーはしないという会社も多いので、一生アメリカに滞在したい人は、面接時に、それとなく様子を探って、永住権申請ができるかどうかによって就職を決めることも大切である。