1日目:憲法 主査・副査:不明(おそらく学者)
テーマ:外国人の人権
「では私から聞きます。外国人に人権は保障されますか?」
保障されます。
「常にですか?」
性質上可能な限りです。
「外国人か否かを決めている法律を知っていますか」
国籍法です。
「外国人か否かという人権にとって重要な事項を法律で決めてもいいのですか?」
うーん、憲法10条では国籍を法律事項としていますし・・・
「だからって恣意的に決めちゃっていいの?」
よくないです。何らかの基準を設けるべきです。
「どんな?」
うーん・・・
「昔日本国籍をもらっていたのに、今外国人として扱われている人がいるでしょ?
妥当なの?そういうのを法律で決めちゃって」
妥当ではありませんが・・・
(私の名誉のため再現しません。かなり暴走したことは確かです)
「で?」
助けたいのは山々ですが、法的構成が浮かびません・・・
「しかたないってこと?」
はい、憲法が法律事項としている以上、やむを得ないかと・・・
「ふーん」
(本当は著しく不合理だと立法の裁量権の濫用になるし、
平等原則に反してはならない、などがあげられると思います)
「では、性質上認められない人権ってなんですか?」
選挙権や、社会権です。
「入国の自由は?」
認められません。
「なぜ?」
現在の国際慣習法上、外国人を入国させるか否かは各国の裁量に属するからです。
「では在留の権利は?」
認められます。
「何条?」
?????・・・・・・13条です。
「まあ13条は包括的権利だからねえ(失笑)。
でもそんな期限が決まっている人権っておかしくない?」
・・・おかしいです。撤回します。認められません。
「では出国の権利は?」
22条で認められます。
「入国と在留は認めないのに、出国は認めるのって統一的じゃないんじゃない?」
確かに統一的ではありませんが、入国と在留はわが国の主権の及ぶ範囲に入れるか
という問題であるのに対し、出国はわが国の主権には関わりませんので、
認めても良かろうということで・・・入国が国際慣習法上各国の裁量に委ねられている
以上、統一的ではなくてもやむを得ないかと・・・
「生存権は?」
原則として認められません。
「でも外国人だって税金払っているのに、生存権を認めないのって妥当なの?」
しかし税金はそれ以外にも使ってますし・・・
「でも生存権のために払っているんだよ?」
しかし生存権は各人の属する国によって保障されるべき権利ですし・・・
「そういうことじゃなくてさあ」
はい、たしかに酷であるとは思いますが・・・
「じゃあどうするの」
はい・・・(しばらく時間経過)
「在留外国人見たいな人はかわいそうじゃないの?」
あっ!!!はい、一般外国人には認められませんが、在留外国人には・・・
認めてよいと・・・思います。
「良い悪いじゃなくてさあ」
はい!認めます。
「なんだ、きみは在留外国人には認める説なんだ。これで終わりです」
・・・???ありがとうございます・・・
感想:後から考えればわかることでも、その場ですぐに答えることがどれだけ難しいか
を実感しました。また私は勝手に「在留外国人を無条件に日本人としていいのか?
そんなことをしたら台湾人や朝鮮人もみんな日本人になって重国籍の人でいっぱい
になるし・・・少なくとも平等原則では在留外国人を取りこむような構成は考えら
れないなあ・・」
などとひとりで「在留外国人と日本人の区別の方法」を考えてしまい、
泥沼にはまりました。素直に「平等原則なども問題となりますが・・・」とか
言っておけばよかったのに。
法的な会話はできないし、先に結論ありきで答えてしまうし・・・
このショックは最後の日まで続きました。
教訓:
(1)法的な会話をしましょう。
(2)自分で勝手に前提を作らない(もっとも会話の中で前提として考えさせてしまうような
ことを言われたりするんですよね・・・)
(3)自分から誘導しない。例えば外国人に人権は認められるかと言われたら端的に
「性質上可能な限り認められます」と答えるべきだし、
生存権ではあらかじめ「在留外国人には認められるが、一般外国人には認められない」
と答えるべきでしょう。
(4)2週間はやはり短いです。有名な論点すら満足に点検できませんでした。
1科目2日程度で見返せるようにまとまってないとろくに見返しが出来ません。
論文合格は突然訪れるので、やはり夏の間にある程度の準備をすべきです。
(5)普段から自分の頭で考えているかどうかが大切であると強く感じました。
基本書を読んだりしたときに湧いた疑問はなるべく大切にしましょう(はまり過ぎない
程度に)。今年聞かれた外国人の入国・在留の権利を否定しつつ出国の権利を認める
ことの整合性などは私も一度考えたことがあり、そのためにあまりあせりませんでした
(もっとも自分の思考を正確に伝えることはできませんでしたが)。
またその疑問に対する思考過程は何らかの形で残しておくべきです。
ポストイットでもかまいません。残しておかなければ人間必ず忘れてしまい、
同じ思考過程をたどるのに同じ時間を費やしてしまいます。
直前期の勉強:
直前期の具体的な勉強方法としては、
1.口述本のチェック(口述プロパーの問題を中心に)
2.論文試験用の資料のチェック(論点のチェックは論文資料が一番効率がいいと
思います)
3.定義・趣旨・条文のチェック(今年はともかく、一般的にいえばやはり口述で
一番重要といえると思います)
4.憲法判例のチェック(これは重要です)
これだけの量を直前期だけでやるのはやはり困難です。
ですから最低でも1ヶ月前から始めたほうがいいでしょう。
特に定義・趣旨・条文は基本書等で確認する方法では大変非効率です。
1科目1時間程度で見返せるようにあらかじめ資料を作っておきましょう。
もっともこれは理想であり、たいていの論文合格者はそこまでせずともなんとか
最終合格するのだと思います。