2日目:民事系 民法:山本豊先生(上智) 民訴:不明
テーマ:民法=賃貸借契約と敷金
民訴=管轄、一部請求と訴訟物
(テーブルに4枚の紙がある)
「では1枚目をめくってください」
(めくる)
「事例を言うから落ち着いて聞いてください。AとXとの間には、A所有の建物につき
Aを賃貸人、Xを賃借人として、敷金300万円、家賃?万円(忘れました)の
賃貸借契約が結ばれています。期限の定めはありません。既にXは引渡しを受けています。
その後AはYに建物を譲渡しました。以上を前提として下さい。
AY間の譲渡によって賃貸借契約はどうなりますか」
Yに移転します。
「なぜですか」
Xは引渡しを受けており、Yに対抗できます。とすれば、建物の譲渡とともに
賃貸人たる地位もYに移転するというのが、AYの合理的意思に合致するからです。
「では賃貸人の地位の移転の要件はなんですか?」
(勘違いして)当事者の合意と、登記です。
「登記を要するんですか?」
はい、賃借人の二重払いの危険を避けるために必要と考えます。
「理由はなんですか」
ですから二重払いの危険を・・・
「それは実質的な理由ですよね。理論的な理由を言ってください」
はい、権利保護要件として必要と考えます。
「賃貸人の地位の移転の要件に登記が必要なんですか。」
・・・(気づいて)あっ!!いえ、当事者の合意のみです。
「ついでですが、登記を対抗要件ではなく権利保護要件と考えるのはなぜですか」
はい、対抗要件とは物権について両立し得ない権利を主張する場合に問題となるのですが、
この場合は両立し得ないという場合ではないので対抗関係にはありません。
この場合は賃借人の二重払いを防ぐためですので権利保護要件と考えます。
「要件としては合意だけですか」
??・・・(何かあったっけ?)・・・はい。合意だけです。
「ほんと?」
・・・(わからない・・・)はい!
「そう。では、次は敷金について聞きますが、敷金の法的性質はなんですか」
従たる契約です。
「そうだけど、他には?」
はい、賃借人の負う賃貸借契約から生じる一切の債務を担保するものです。
「では、賃貸借契約の移転があった場合、敷金関係はどうなりますか」
はい、新たな賃貸人であるYに移転します。
「なぜですか」
はい、敷金は賃貸借契約における賃借人の債務を負担するものですから、
賃貸人の地位の移転があればそれに伴って移転すると解するのが、
当事者の合理的意思に合致するからです。
またこのように解することは賃借人に有利である、すなわち少なくとも
新たな賃貸人は家という財産を持っているので、無資力になるおそれのある
旧賃貸人よりも、新賃貸人に移転すると解するのが合理的であると考えます。
(以下、少し問答があったのですが、失念しました。)
「では、仮に賃借人の地位が移転した場合は敷金関係はどうなりますか」
はい、その場合は敷金関係は移転しません。
「賃貸人の地位の移転の場合と賃借人の地位の移転の場合とで統一的では
なくなりますが、それをどう考えますか」
はい、敷金は賃借人の負う債務を負担するという点で賃借人が誰であるかが重要
であるのに対し、賃貸人は家さえあれば誰がなっても良い非個性的なものなので、
統一的でなくてもやむを得ないと思います。
「では次です。あなたは敷金の返還請求権はいつの時点で発生すると考えますか」
はい、明渡時です。
「なぜですか」
はい、敷金とは債務者が賃貸借契約において負う一切の債務を担保する趣旨であり、
明け渡しまでの債務も担保するものと考えられるからです。
「では、もし賃貸借契約終了時と考えると、どのような不都合がありますか」
はい、賃借人が同時履行の抗弁を主張してしまうということが考えられます。
「他には?」
はい、明け渡しまでの債務が担保のないものになります。
「他には?」
えー・・・わかりません。
「そうですか。では2枚目の紙をめくってください」
(めくる)
「YとXの間で賃貸借関係が合意解除された場合、何か問題となりますか」
・・・わかりません。
「そうですか。考えておいてください」
結局3枚目の紙は使われませんでした。
いきなり山本先生がいたのにはびっくり!!
こんなことならもう少し先生と親しくしておけばよかった・・・。
皆さんもどんな縁があるか分からないので周りの人とはかかわりましょうね。
聞かれた内容は基本的なことでしたが、その場で答えるのはやはり難しいです。
基本知識は確実にしておきましょう。
さいき