2日目:民事系 民法:山本豊先生(上智) 民訴:不明
テーマ:民法=賃貸借契約と敷金
民訴=管轄、一部請求と訴訟物
「では民事訴訟法と書かれた紙をめくってください」
(めくる)
「管轄について聞きます。管轄の種類をあげてください。」
えー、事物管轄、土地管轄、合意管轄、・・・応訴管轄があります。
「はい、では同様の事例で、賃借人は浦和に住所があり、旧賃貸人は仙台に住所があります。
新賃貸人の住所は名古屋、不動産の所在地は東京23区内です。賃借人は敷金300万円のうち
80万円の返還を請求しようとしています。賃借人はどこの裁判所に訴えを提起しますか?」
敷金は持参債務ですから、まずは浦和の裁判所で提起することが考えられます。
「どこの裁判所、ですか?」
えっ、えー、80万円ですから簡易裁判所・・・?でも敷金は300万円ですから地裁?・・・
うーん、いや、簡易裁判所です。
「他にはどこの裁判所に管轄がありますか?」
はい、債務者の住所地たる名古屋の簡易裁判所が考えられます。
「ほかには?」
えー・・・。以上です。
「ほんと?」
・・・・・はい!(本当は不動産所在地も管轄となると思います)
「では、旧賃貸人と賃借人の間で『賃貸借契約に関するすべての紛争の管轄地を仙台とする』という
特約がありました。この特約は有効ですか?」
合意管轄として有効となります。
「ではその特約は新賃貸人との間でも効力を生じますか?」
えーっ・・・新賃貸人は当事者の地位を受け継ぐのだから・・・基本的には新賃貸人との間でも
効力か生じるはずですが・・・でもそれは新賃貸人に酷かも・・・うーん。
「そんなに悩まなくてもいいんだよ。新賃貸人は当事者の地位を承継するのだから、
特約が有効であれば新賃貸人との間でも効力を生じるのですね。」
はい。
「では、本件が管轄外の地方裁判所に提起されました。この場合裁判所はどうしますか?」
はい、管轄を有する裁判所に移送します。
「えっ、いきなり移送するの?」
えっ・・・そうですね・・・。うーん。
「この場合に受訴裁判所が管轄を持つってことない?」
はい、応訴管轄があります・・・。条文を参照してもよろしいでしょうか。
「いいよ。」
(応訴管轄の条文を参照)
はい、口頭弁論に入ってから陳述した場合とありますので、
第一回口頭弁論は開くことになると思います。
「うん、実務ではとりあえず呼び出す、という取り扱いになっています。」
はい。
「では話を変えます。この場合の訴訟物をどう考えますか。」
えー・・・300万円です。
「300万!!!君は判例の立場を知ってる?」
はい、一部であることが明示されればその一部のみが訴訟物になり、明示がなければ
全てが訴訟物になります。
「では、君は判例の見解は取らない、と?」
いえ、判例と同様に考えます。
「ではなぜ300万なの?」
はい、明示したかどうか不明なので、明示がなかったと判断しました。
「普通敷金の場合は明示があると考えるんだけどね。」
そうですか。
「では裁判所が80万円について判決を下しました。この場合既判力はどこまで及びますか」
はい、明示があったのであれば80万円まで及びます。
「では後の金額には及ばない、と?」
はい。
「でもそれだと後の裁判でまた同じ争点を争えるようにならない?」
はい、その場合は信義則によって主張を制限できると考えます。
「ふーん。信義則ねえ。いいのかなあ。まあいいでしょう。これで終わります。」
あっっっ・・・えっ・・・はい、ありがとうございました。
去年から民法と民訴を一回で行う、ということになりました。
形式は副査がいなくなって、民法一人、民訴一人、という形で、
基本的には一人の先生から集中的に聞かれ、もう一人の先生はリアクションだけ、
という感じでした。
民訴は非常に早く終わったので、終わります、といわれた瞬間びっくりしました。
民法では3枚中1枚しかまともに答えてないし、民訴は早く終わるし・・・。
しかも基本的にはみんながまともに答えられそうなところからの出題。
その日の一番は落ちない、といううわさを信じるしかないな、と思いながら帰りました。
内容についてですが、一番最後の問いは今年の論文試験にも出たので自信を持って
「信義則で・・・」と答えたところ、民訴の先生は納得しない様子でした。
本当はどのように答えたらいいのか、よくわかりません。