Foundation Year Classes part.1
最終更新日 02/19/03

Foundtion Yearの授業の一部を、終了したものから、授業の内容と、感想などを書いていきます。

Parzival 09/09/02-10/08/02

 W. von Eschenbachの"Parzival"の授業。16章からなる、中世の騎士道の物語。とても長くて複雑な物語。 あらすじや背景など、聖杯探求叙事詩 パルチヴァールのページに載っているので、興味のある人は読んでみてください。大まかなストーリーは把握できるでしょう。

 基本的には、ParzivalとGawanという2人の騎士が主人公的な役割を果たしています。この2人をとりまく、登場人物が、182名。(とても覚えきれない) 授業では、Parzivalの成長、GawanとParzivalとの対比、各章と星座とのつながり(各章が12星座の各々と関連しています)、登場人物の人物像、物語の中での女性の役割、物語の中での象徴としての鳥や色、などを見ていきました。ストーリーが複雑なだけでなく、注目すべきところが沢山あって、とっても深くて複雑なお話です。
 
 物語の中で、Parzivalは、驚くほどの成長を成し遂げます。生まれは良いのですが、騎士としての教育から遠ざけられていたため、世間知らずの無垢な愚か者。「騎士になりたい」と、母を捨てて旅にでます。母は、息子が離れていった寂しさのあまり死んでしまいます。Parzivalは無知なので、「騎士」とは何かもしらず、甲冑の着方も知りません。旅の中で、騎士になりたいがために血縁者のIthurを殺してしまうという罪も犯します。でも、Gurnemanzという老人に出会い、騎士としての11の教えを受け、立派な騎士として成長します。それでも、Gurnemanzの「むやみに質問するな」という教え
そのままに、質問しなければならない場面で質問をしません。それが、また、彼の大きな罪となるのです。そのときのParzivalは、教えを鵜呑みにするばかりで、まだ精神的な成長を遂げていないのです。
 彼は、旅を続けていきます。「聖杯」を求める旅です。数え切れないほどの一騎打ちをし、名誉を勝ち取っていきます。Parzivalは、Trevrezentという、彼にとって、Gramoflanzに続く第2の師となる老人に出会います。(あとで分かることですが、TrevrezentはParzivalの叔父にあたる人です)「神など信じない」と言っていた彼は、そこで、神について教えを受け、今度は、精神的な成長を遂げるのです。
 最終的には、聖杯王となり、最愛の妻との再会も果たし、知らぬ間に生まれていた2人の息子も立派に成長してハッピーエンドで終わります。

 これは、アメリカのワルドルフ高校で読まれる物語です。歴史的な背景を学ぶことも勿論ですが、やはりParzivalの成長を自分に照らし合わせることが大きな目的です。

  テキスト:"Parzival" W.von.Eschenbach
  参考書 : 「パルチヴァール」
          ヴォルフラム・
フォン・エッシェンバハ (著)加倉井 粛之 (訳) 郁文堂

         "The Mystery of the Holy Grail" by Rene Querido
        "Parzival an introduction" by Eileen Hutchin
        "The Ninth Century and the Holy Grail" by W.J.Stein
Parzival Project(課題の発表会)用に、おまけで作ったカード。
聖杯城、アンフォルタス、パーシファルをポップアップカードにしました。


Gardening 09/09/02-10/03/02
Human Development 09/09/02-10/03/02
 この授業の中では、次の内容を学びました。
   神智学の第1・2章
   4つの気質
   7つのソウル・クオリティ
   シュタイナーの7年周期の考え方
   各自ライフ・マップ作成

   テキスト: "Theosophy" by Rudolf Steiner
   参考書 : 「神智学」 by 高橋 巌、 松浦 賢、 森 章吾
           (森章吾訳は森章吾さんのホームページで読むことができます)
          "Soul Weaving" by Betty Staley 
           (4つの気質、7ソウル・クオリティについて、実例を交えて分かり易く解説してあります。
          "Tapestries" by Betty Staley
          "Phases" by Bernard lievegoed
           (シュタイナーの7年周期について解説してありますが、ちょっと古い。)
          "The Child's Changing Consciousness" by Rudolf Steiner

Recorder for beginners 09/11/02-10/04/02
 クラスの中には、本格的にリコーダーをやっている人もいるので、ビギナーとアドバンストの2グループに分かれての授業でした。アメリカでは、小学校などでリコーダーをやっていないので、リコーダーの持ち方さえ知らない人もいます。音符が読めない人もいるので、ビギナー・グループでは音楽の初歩の初歩から解説してくれました。アドバンスト・グループでは、好きな曲を皆で練習して、最後に発表をしました。
 リコーダーは、小学生の楽器だと思って敬遠していましたが、ソプラノ、アルト、テナー、ベースで合奏すると、とても美しいです。とても清らかで澄んでいて、しかも柔らかい音色が、神聖な気持ちにさせてくれます。予想以上に楽しめました。

 授業は終わりましたが、ビギナー、アドバンストそれぞれ有志が集まって、今後も演奏活動を続ける予定です。
Drawing and Painting 10/14/02-10/24/02

チャコールによるpolarity体験

カレッジのブックストアを描きました

カレッジの中で
青のエクササイズ 自由に色を楽しんで・・・

 前半はチャコールによるdrawingをしました。基本となる対照、明-暗、前-後、曲線-直線、をチャコールで描きました。その後練習として、風景をイメージしながら2枚、その後、実際に外に出て2枚写生。最後は、肖像画。最初の印象では、「対照」は現実的でなく、「対照」なんてこだわると、嘘っぽい絵になる気がしたのですが、実際に絵を描いてみると、全てが対照で成り立っているのだと感じます。
 後半は、濡らし絵。水に浸して十分濡らした紙に、薄くといたシュトックマー社の水彩絵の具で描いていきます。基本的には、太筆を使用。塗れている紙に、水彩ですから、絵の具がにじみます。その色のにじみ方も体験していきます。黄色と青をにじませて緑を作ったり。4日間で7枚の濡らし絵をしたのですが、内容は、カラーサークルで色体験、青のエクササイズ、イメージカラー(ピーチ、黒、緑)による絵、風景画などを描きました。色体験をしたあと、チャコールで習った対照を頭に入れながら形を作り上げていきます。色が入ると、明暗のコントラスト以外にも表現の手段があるため、逆に、明暗のコントラストが弱くなる傾向が私にはありました。ぼんやりとしたソフトな絵も、メルヘンチックで綺麗なのですが、やはり現実世界には明暗のコントラストがあり、ぼんやりとした絵では現実的な美ではなくなります。  
 普通の絵の描き方と違うのは、「色の体験」--> 「形を見つける」-->「形を作る」というプロセス。色体験の後、見えてくる形は見方によって様々です。どういう見方をするのか、人によって千差万別で、同じ色の組み合わせで絵を描いていても、できあがりは十人十色。人の絵を見ると、物の見方には色々あるのだと実感させられます。
 アートというのは、自分自身のあり方が、直接、作品や、自分の取り組み方に現れてきます。ですから、自分を見つめるいい機会です。その為、葛藤も大きく、苦しんでいるクラスメート(私も含めて)が多かった・・・。アート(絵に限らず)は、spirit(日本語で言うと「霊」なのだけど、spiritと言う方が私にはしっくりきます)を強めるのにも役立つそうです。シュタイナー的な絵は、ある意味で、とても現実的でなければならない反面、別の意味では、とても非現実的なところがあります。
 
Evolution of Consciousness through Art 10/28/02-12/12/02
 post Atlantic epochから現在のconsciousness soul epochまで、世界各地の芸術、建築を見ながら、人間の意識がどのように発展していったのかを追っていきました。1授業の前半は、その日のテーマの特徴についてのレクチャー。後半は、その芸術作品のスライドを見ました。Evolution of Consciousness through History and Literatureと平行して進んでいったので、ほぼ同時代の芸術と歴史、哲学、宗教などを同時進行していきました。個人的には、人間の意識についての講義に関しては、正直言って「そういう解釈もできるのかな」という程度のインプレッション。ただ、毎日見る世界各地のスライドは、とても興味深く、毎日旅行をしている気分でした。この授業の後に旅行に行けば、かなり違った視点から、ものが見られるはず。

text : "Spirit and Art" by Van James
   "Art History outline" by theodore Mahle
参考 : "Art and Human Consciousness" by Gottfried Richter
Evolution of Consciousness through History and Literature 10/28/02-12/12/02
 古代から現代まで、西洋史、宗教、哲学、文学の面から人間の意識の発展を追っていきました。学生によるプレゼン中心の授業。私にとっては、苦手意識の強い分野のオンパレードで、知識もなかったので、授業準備のため毎日資料を読みふけりました。
 神と人間の関係がどう変化していったか、宗教と政治のからみあい、自己の確立、文明の発展などによって「人間の意識」がどう変化していったのかを2ヶ月近くかけて追っていきました。このコースの課題として、日本人学生は「日本史における人間の意識の発展を考察せよ」というお題を頂いたので、クリスマス休暇は日本史の勉強をすることに・・・。
 この授業を通して得たものは、西洋史、宗教、哲学などの知識だけでなく、世界の1つの見かたでした。今までの教育で知っている歴史は、史実の羅列でしかなかったのですが、今は、なぜ、その史実がその時に起きたのかを、人間が描くドラマとしてみることができます。歴史は人間の成長の歴史なのです。そして、古代から現代までの人間の意識の発展は、ひとりの人間の成長とも関連しています。ひとりの人間が成長するように、世界全体、人類全体も成長しています。その世界の見方は、とても興味深いものです。

text : "Passion of the Western Mind" by Richard Tarnas
     アメリカ人のクラスメートが、「辞書なしでは理解できない」と言っていた本。難しかったです。
参考: 個人的に、様々な本を参考にしました。(何しろ幅広いテーマなので)
    これからこのクラスを取ろうと思って、ここのページを参考に見ておられる方へのアドバイスとしては、
      世界史の本
      日本史の本(カレッジのライブラリーにに、日本史全集みたいなものは置いてありますが。)
      哲学史の本(「ソフィーの世界」が大変役に立ちました。)
      旧約聖書・新約聖書(「小説『聖書』」by ウォルター・ワンゲリンが役に立ちました。)
      ギリシャ神話の本
      宗教の本
      インターネット
    などがあるといいかな、と思います。
    もちろん、英語も日本語も同じスピードで理解できる英語力のある人は、公立図書館に行けば大抵の資料は揃うでしょう。私は、英語で読んでいる余裕が無く、日本語の資料をカレッジの日本人学生から借りました。
    
Spiritual America 1/27/03-2/13/03
 アメリカにあるRSCならではのファウンデーション授業の1つではないでしょうか。その名の通り、アメリカン・スピリッツについて。ブッシュ大統領のイラク攻撃が世論を騒がせる中、ブッシュ氏についても考えつつ、その他良い精神を持った多くのアメリカ人について見ていった。受講者全員が、自分と意識的に繋がりのあるアメリカ人を一人選び、その人についてプレゼンをした。私は、誰をやってよいものか、全くアイデアが浮かばなかったので、先生にアドバイスを求め、Maya Linという女性建築家について、リサーチ&プレゼンすることになった。12回授業の中、11回目にアメリカ女性にターゲットを絞る。最後の12回目では、Martin Luther King Jr.だ。そして、「アメリカは良い意思で満ちている」と言った先生の言葉が印象的。
 個人的なことだが、この時、私は究極の状態で落ち込んでいた。自殺未遂、自殺、といった私の周りで起きた出来事が、私を落ち込ませていた。このMaya Linという建築家は、ベトナム戦争のメモリアル(ワシントンD.C.)をデザインした人なのだが、彼女は生と死の問題について深く考察しており、それが彼女のデザインに現れている。生と死について悩んでいた私にとって、彼女のデザインは衝撃的だった。私が、ちょうど生と死の問題で苦しんでいる時に、彼女についてリサーチすることになったのは、決して偶然ではないと思う。
 そして、私がアメリカに来てからずっと考えてきたことの一つである、東洋と西洋の違いについて。シュタイナー的に東と西を見ると、西はthinking、東はfeelingの力。しかも東洋は、未だにspiritと繋がっているという。文化だけの違いではなくて、意識の発展の違い、根底に流れるspiritやfeelingの違いをずっと考えていた。その点においても、私にとってMaya Linのリサーチは、最適だった。彼女は中国系アメリカ人の2世だ。だから、彼女の作品には、西のthinkingの力と東のfeelingの力、それから、まさにspiritualなものが融合されて現れている。融合の美しさが、私に、東と西の問題を解くきっかけを与えてくれたように思う。

text : なし
参考:アメリカの歴史の本(おおざっぱなもので良い。アメリカ史のアウトラインがつかめると良いと思う)
    インターネット(リサーチに大活躍)
    図書館(リサーチに。)
American Literature 1/28/03-2/13/03
 12回授業。メルビルのモビィ・ディック(白鯨)をやりながら、善と悪の問い、超絶主義に関連する19世紀のアメリカ人作家のバイオグラフィーを追う。75分間の授業の中で、毎回、最初の30分位をEvolution of consciousness through History & Literatureのプロジェクト発表に使ったため、残りの45分でAmerican Literatureの授業をした。そのため、授業自体は大急ぎ。特にモビィ・ディックの掘り下げ方が少なかったのが残念。
   注目した作家:Melville
            Hawthorne
            Emerson
            Thoreau
            Margaret Fuller
            Bronson Alcott
            Walt Whitman
   とりあげた作品:"Moby Dick" by Melville
             "Ethan Brand" by Hawthorne
             "Self-Reliance" by Emerson
             "Civil Disobedience" by Thoreau                        
Introduction to Waldorf Education 1/24/03-3/7/03
Stories 2/24/03-3/14/03
Karma and Reincarnation 3/10/03-3/20/03
Form Drawing 3/17/03-3/27/03

 日本では「フォルメン」とドイツ語からの訳で名前が知られているが、英語ではフォーム・ドローイング。
 等間隔に7つの点を打つところからスタート。左から順番に1つずつ点を打っていくのは意外と難しい。でも、すぐに慣れる。最初は、7つの点の合間を縫うように波線を描く。そこから、編みこみ模様のようにしたり、右上がりの時を濃く、右下がりを薄く描いたり、出来上がりをアーティスティックに飾ったりと、発展させていく。最初全く描けなかった人も、最後には、かなり複雑なものまで描けるようになっているのが驚き。バランス感覚を発達させるだけでなく、鉛筆の持ち方や、文字が上手く書けるようになるための配慮などがあって、やはり、小学生にはとても有意義なエクササイズだと思う

Remedical Education 2/24/03-3/20/03
 12感覚論から始まり、ワルドルフスクールで行われている治癒教育のイントロダクション。子どもの行動に対して、どのようなエクササイズをするか、具体的で実用的なことを習った。大抵のエクササイズは、先生推薦図書に書いてあるので読めば分かる。これを、実際に子どもの問題行動などに直面したとき、エクササイズを適用できるかどうかは、教師の度量によると思った。実際にこのエクササイズをフル活用するためには、やはり、レメディアルエデュケーションのトレーニングを受けることが必要だと思う。RSCには、レメディアル・エデュケーションのコースもあるので、興味のある人はどうぞ。
   参考図書:Our twelve senses--wellsprings of the soul---by Albert Soesman
          Learning difficulties--A guide for teachers, Waldorf Insights & Practical Approaches--
                      edited by Mary Ellen Willby
          Take time  by Mary Nash-Wortham & Jean Hunt
Drama 3/24/03-4/11/03
 ファウンデーションの1つの大きな締めくくりとも言うべき、演劇公演のため、3週間ドラマに専念した。演じたのは、シェイクスピアの「十二夜」。私達のクラスは、芸達者揃いで、音楽の才能のある人が多い。「十二夜」は、シェイクスピアの中でも音楽的要素の強い演劇なので、私達のクラスに合っていたのだろう。ソロの歌唱、合唱、ピアノ、バイオリン、フルート、ハープ、ギターの演奏をふんだんに交えながらの3時間。3日間公演の最終日は、演じる私達も乗りまくりで、感動のうちに幕を閉じた。ディレクターのジム、音楽担当のクリスティアーナ、ユーリズミー指導のシンシアに大感謝。
 このプレイには、グループ・ダイナミクスの果たす役割が大きい。この演劇を作り上げる段階で、グループとして結束し、一人一人が困難を乗り越え1つの劇を作り上げる。この劇によって、実際私達のグループの絆が強まった。
 こちらでよく思うことなのだが、日本だったら、抜かりなく練習して、完璧に完成させた状態で初日の公演を迎えるところだが、ワルドルフ・スクールでもRSCでも、「抜かりない」準備なんて程遠い。でも、3日間の公演のうちに、この演劇自体が成長して、私たち自身も演劇と共に成長する。そして、千秋楽は、最高潮で終わる。日本式のやり方だと、本番の公演の時には、演劇そのものが死んでしまっているような気がするのだが、ここで体験する演劇は、演劇そのものが、生き生きと鼓動し、まさに生きている。この生きている演劇を作り上げるのが、やはり感動なのだと思う。
 
World Evolution 3/24/03-4/3/03
Waldorl and others 4/28/03-3/8/03
Threefolds social order 3/12/03-5/22/03