| ●原告の方たちのサイト:埼玉西部・土と水と空気を守る会 | |
| ◆問題の所在 | ◆当日の流れ(2004年5月29日) |
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頼りにならない行政と違法行為で稼ぐ悪徳業者,しかし住民は個人では対応ができないのが現状である。 環境公害という問題は,どの地域にでもあてはまるけれども密に接してその被害を受けないと,実情・深刻さは伝わらない。 「ゴミ処理は必要なことであるし,もし,ここから業者がいなくなっても別の地域で同じことをするのではないか?」に対していえるのが「そこの地域住民が戦えばいい」というのにも,根底的な問題の難しさがある。 |
見学ツアーはサークルメンバーのほかに,OBOG・他大法科大学院生・原告の方・弁護士の方とで約30名の多人数で,バス&レンタルカー×2に分乗。 14時くらいから航空公園駅を出発して,途中実際に被害を受けている方のお話を聞きつつ,所沢市内を1周するかたちで30個弱の産廃処理施設を2時間半かけて巡る。 その後,公民館にて勉強会を2時間ほど行う。 最後は近くのお蕎麦屋さんで懇親会(送迎バス付) |
| 埼玉県所沢市 産業廃棄物処理施設問題 | |
| 産廃処理場・ダイオキシン[dioxin],多く聞き覚えのある単語である。 くすぶっている環境問題の一端がみられる所沢で,いままではどうだったのか? 現状はどうなのか? 今後についてはどうか? といったことを,当事者である地域住民・原告・訴訟を担当した弁護士の方にうかがった(TVでしばしば映された,という場所も訪れた)。 法的には行政法や環境法という分野で重きをおかれているが,その実,被害を被る側としての人権的な切実さがある。 ※上記リンク先がかなーり詳細なので,ここでは要点をピックアップする感じにまとめています。 |
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| これまで | かつて所沢市には47社64炉の産業廃棄物焼却炉があった(多くは管轄が曖昧な県境に立地)。その処理量はピークの時で500t/日で,他県から廃棄物の流入が激しく行われていた。 処理業者は優良なものばかりとは限らず,多くは金銭目当ての悪徳業者で,「処理能力を超える廃棄物を抱え込みゴミ山ができたら放置して去る」という行為を繰り返した。「社名を変えて同じことをしている」や「約束した量に見せかけるために地面を掘って、その分多く廃棄物を溜め込んでいた」など,悪徳業者のエピソードは限りない。 残されたゴミ山(大きくて数十m)は自然消滅するわけもなく,染み出した油への引火による火災・隣地への崩落・ダイオキシンの基準値オーバー(ドイツでは子供に触らせないという数値の100倍を記録)など,最悪な置物といえる。 現在は1991年から始まった地域住民の活動の結果,6社7炉となった。 廃棄物処理法は1997年に改正され,ほかに多くの規制が作られている |
| 地域住民の活動 (始まり) |
1991年。規制の意味なし・保護措置なしのないない尽くしといわれた行政の態度では解決もない,と地域住民たちが結束して対廃棄物処理業者に踏み切る。 公害問題であることから訴訟では勝つ見込みが薄いため,協力してくれる弁護士探しが難しい中,協力者を得た地域住民たちの数は4000人余りになっていた(かなり凄い事らしい)。 地域住民たちは法的手段として,公害調停を選択した。 |
| 地域住民の活動 (調停・訴訟) |
業者を相手に調停という手段をとったが,それに応じない業者に対しては,訴訟の形で対策を図った。 【公害調停】 公害紛争処理法に基づいて,自治体も挟んで解決するタイプ 今回は小型焼却炉研究(ダイオキシン汚染可能性)を行っている博士の証拠資料も用意でき,多くの業者が撤退することになった。 【訴訟手続】 調停でも応じない業者に対しては,市による営業許可を取り消す行政訴訟の手段がとられた。ただ,どの業者の事案でも原告が優勢になってくると廃業してしまうため,判決を得るには至っていない(行政の不備を顕さないように圧力があったかも?)。 ※上2つのパターン以外には,証拠保全(民訴234条)を行ったら記録不備(違法)の証拠をたまたまゲットできたり,地域住民が自主調査している様子を報道されたためにそのまま撤退した業者があったり。裁判のほうは「負けずに(まぁ、勝たずに)目的達成」と仰っていました。 |
| 新たな問題 | 【破砕処理施設】 焼却炉が減ったと思ったら,今度は廃棄物の「焼却」でなく「破砕」施設が増え始めた。その処理量は8000t/日と焼却場のより大幅に増加している。また焼却炉での環境物質・火災に代わって,今度は処理に伴う騒音・振動・粉塵が問題になっている。 あるお宅では,道路一本隔てた場所に処理場を作られて,家のヒビ入り・駐車場の粉塵・騒音ノイローゼに困っていた(制度上,施設設置前の説明は隣接地のみに行えばよく,道路を隔てたところの住宅は関係がない。制度の見直しで「隣接地のそのまた隣接地」の承諾も必要とすることになっても,業者はその土地を買い取ってしまうらしい)。 【ゴミ山問題】 裁判では悪徳業者を追い払うことができても,後始末まではさせられない。そのため,跡地にはゴミ山が残ってしまう。 そこで,処理業者のみならず廃棄物を排出している大元の企業にも排出と被害の責任を及ぼさせるような形が検討された。しかし,実際にゴミ山の出火原因で火災に遭ったことと排出した廃棄物の因果関係を証明するのは難しい。 |
| 欄外 | 天気も良くて暑い日でした。 今回のツアーに参加していて,4年ほど前にTV放映していた三谷幸喜の『合言葉は勇気』というドラマが思い浮かびました。 畑のある風景で,同様な産廃処理業者を相手に住民達と弁護士が苦戦しながら訴訟を起こしていく,という構図が(典型なのかもしれませんが)一致していたように思います。 半日でも充分有益な企画でした。 |