2、 最適消費計画
私たちは自分の効用を最大化するために、消費を行うと1章で学びました。しかし、実際私たちは好きなもの、欲しいものをいくらでも買えるわけではありません。財布と相談しながらどれを買うのか決めるはずです。ここでは、限られた予算の中で、効用を最大化することを議論します。
1、予算制約
私たちは無限に消費できるわけではありません。自分の使えるお金は限られています。では、その予算の制約の下で、効用を最大化させるにはどうしたらいいでしょう。
ここで、予算制約式を定義します。 P1・q1+P2・q2=y Pは価格、qは消費量です。yは消費者の所得を表します。ここでは2財の消費を考え、貯蓄はせず、すべて消費に使うとします。この式を変形すると、
q2=−p1/p2・q1+y/p2
となり、1次関数の式が得られます。
2、最適消費計画
このような予算制約の中で、最も効用が高くなるような消費の仕方を考えることを「最適消費計画」といいます。
上の図で、赤の部分は支出可能な所得の1部が使われずに残ってしまいます。
そこで消費は、予算制約線上の点において行われます。
ここで、1章で学んだ「無差別曲線」がでてきます。無差別曲線と予算制約線が交わっている点では、まだ所得をすべて消費に回しておらず、効用をさらに高める余地があります。ゆえに、消費は、予算制約線と、無差別曲線の接点において行われるのです。
予算制約線の傾きは、1財と2財(ex.みかんとリンゴ)の価格比を表しています。(みかん÷リンゴ、みかんの相対価格ともいう。) みかんとリンゴの価格が100円と50円ならば、価格比は1/2となります。家計がみかんの消費を1単位だけ控えると、リンゴを余分に0.5単位購入できるということです。
一方、無差別曲線は、みかんを余分に消費したとき、満足度=効用を得るには、リンゴをどれだけ減らしてよいのかを示します。つまり、家計にとって、みかん1単位は、何単位のリンゴと代替可能であるかを示します。これを限界代替率(無差別曲線の傾き)といいます。
つまり、最適な消費をするには、予算制約線と無差別曲線が接する点、すなわち、
限界代替率=価格比の点において行う必要があるのです。
3、計算
それでは、実際に計算で「予算制約の中で最も効用の高くなる、リンゴとみかんの消費量の組み合わせ」を求めましょう。
この問題は、「条件付最大化問題」とよばれ、「ラグランジュの未定乗数法」を利用することでとくことができます。では具体的にやっていきましょう。
maxは、効用を最大化、特に、q1とq2について解くことを意味します。また、s.tは、条件を示します。
これを用いてラグランジュ未定乗数法で解くと、次のような解が得られます。
MRS12=P1/P2 限界代替率=価格比
それでは問題をやってみましょう。
問題 2種類の消費財A,B画あり、その数量をa,bをそれぞれの財の数量で表すものとする。
ある消費者の効用関数が、U=a・bで示されているとき、所得=120、A財の価格=10、B財の価格=20として
所得=消費支出となるように効用最大化を図るとすれば、A,Bの均衡購入量はそれぞれいくらか。(国T)
この問題は、以下のように解くことができる。
予算制約式は 10a+20b=120となる。ゆえにこの問題は
max U=a・b
s.t 10a+20b=120
という条件付最大化問題を解く。
U(a,b)=a・bより、ðu/ða=b, ðu/ðb=a。
MRSab=b/aとなる。(1章参照)
MRSab=Pa/Pb(限界代替率=価格比)であるから、Pa/Pb=b/a=10/20=1/2 a=2b
また、10a+20b=120より、a=2bを代入してb=3,a=6となる。