第1章 消費理論1
ミクロ経済学の基礎を勉強します。ミクロ経済学では、経済を構成する個々の家計や企業は、どのような行動をとるのか、また財、サービスの価格や数量はどのように決定さるれのかなどを考えます。
1消費と効用
私たちはどのようにしてモノを消費するか否かを決めるのでしょうか。喉が渇いたからジュースを買う。これは、自分が満足するためにジュースを買うのです。ゆえに、消費者の行動基準とは、「自らの効用の最大化」と定義できます。効用とは、満足度のことです。
りんごとみかんを考えます。タカシ君は、リンゴとみかんが大好きで、どちらもより多ければ多いほどHappyです。これを式に一般化してみます。
U=U(q1,q2)
この式の意味は、「効用(U)は、リンゴ(q1)とみかん(q2)の消費量で決まる」という意味です。これを
「効用関数」といいます。ここで、大事なことがあります。効用関数には2つの性質があります。
それは、リンゴもみかんも多ければ多いほど満足度は高くなるということです。
もう一つは、いっぱい食べたあと、もう1個リンゴを食べるときに得られる満足度と、何も食べてないとき、1個目を食べるときの満足度では、かなりの差があります。この追加的に1個食べたときの効用を、
「限界効用」といい、その満足度は徐々に低下していく、つまり、限界効用逓減の法則が成り立ちます。
2、無差別曲線
りんごとみかんの例を使います。タカシ君はみかんよりリンゴの方がどちらかというと好きとします。例えばタカシ君は10の効用を得ようとりんごとみかんの消費量を決めました。みかんは10個で効用10を達成し、リンゴは5個で効用10を達成します。すなわち、効用10を得るためのリンゴとみかんの組み合わせは次のようになります。
(リンゴ,みかん)=(4,2),(3,4),(2,6),(1,8)
このリンゴとみかんの組み合わせはともに効用10を実現するので、互いに「無差別」であるといいます。この点を結んだ曲線を
「無差別曲線」といいます。
ここで、無差別曲線の性質を見ていきましょう。
@右下がりである。
A縦軸横軸とは交わらない。(人間の性質の仮定より、1種類のものを多く消費するより、多種類のものをバランスよく消費する方が効用は高い)
B無差別曲線は、より右上方の曲線のほうが効用は高い。
C無差別曲線は原点に対し凸型
以上の性質を覚えておきましょう。
3、代替
代替とは、リンゴの消費量を増やしたとき、みかんの消費量を減らして元の効用を維持することです。つまり、無差別曲線上の別の点に移動することを言います。その増やしたり減らしたりする量を限りなく0に近づけた場合、そのときの変化の割合を「限界代替率」といいます。すなわち、リンゴを1個追加的に消費する場合、効用を同じにするにはみかんを2個減らさなければなりません。そのとき、みかんのリンゴに対する限界代替率は1/2となります。つまりは、みかん1単位はリンゴ何単位と交換可能であるかを示しています。
それでは限界代替率(MRS)を計算してみましょう。
効用関数をU=U(q1,q2)とすると、
となります。多くの人がわからなくなったのではないかと思います。「d」は「微小な変化分」、「ð」は「偏微分」を表します。
この式の意味は、「第1財の第2財に対する限界代替率を求める公式」です。では例題をやってみましょう。
例1 ある消費者の効用関数が U=q1・q2で与えられているとき、(q1,q2)=(2,3)の組み合わせと、(q1,q2)=(3,2)の組み合わせとでは、どちらの限界代替率が大きいか。
公式を利用すれば簡単です。効用関数はU=q1・q2なので、これをまずq1について偏微分すると、ðU/ðq1=q2となる。
同様に、q2について偏微分すると、ðU/ðq2=q1となる。ゆえに、MRS=q2/q1となる。
あとは代入して、(q1,q2)=(2,3)のとき、MRS=3/2
(q1,q2)=(3,2)のとき、MRS=2/3となり、(q1,q2)=(2,3)の組み合わせのほうが限界代替率は大きくなる。