歯医者に行く(1)外国にきて、一番不安なのは、医者にかかることかもしれない。外国人の医者に見てもらうことには、やはり不安がある。といっても、ここRutgers周辺で日本人の医者を見つけるのは、ちょっと難しい。ニューヨークの近くまで行けば、日本人の医者を見つけることも可能ではあるが、かかりつけの医者が片道1時間もかかる場所にいるというのも、不安である。 できれば、医者には、かかりたくなかったのだが、奥歯の詰め物が取れてしまい、放っておくわけにもいかないので、歯医者に行くことにした。私の主治医となっている歯医者に電話をして、予約をいれた。 アメリカの健康保険には、問題がある。日本のような強制保険がなく、任意で保険に加入することになっていて、しかも掛け金が通常はかなり高い。そのため、健康保険に入らずに、病気になったときには、病院でかかった費用を全額自己負担する人も多くいるそうである。もちろん、病気にならないように、常に気を配っていることだろう。 私の場合は恵まれていて、Rutgers大学のようなニュージャージー州の公的な機関で働いている人のための保険があり、私はその保険に加入している。仕組みはよくわからないが、保険料は、ただである。保険の加入の際に、かかりつけの医者を選ぶことになっていて、どんな病気であっても、まずその医者に見てもらうことになる。その医者の判断によって、さらに別の専門医に、まわされる。かかりつけの医者を選択するために、医者のリストが載った本を渡されるのだが、私は近所にいる医者を選んだ。かかりつけの医者は後で変更可能である。ただ、この保険は歯医者には適用されず、私は歯医者のための保険にも入っている。これは、無料ではなく、確か1ヶ月に10ドル程度、給料から差し引かれている。この保険の場合も、加入時にかかりつけの歯医者を選ぶことになる。 予約の日、かかりつけの歯医者のオフィスをなんとか見つけて、受付で、”予約を入れた誰々です。”と言うと、なにやら用紙を渡されて、書き込むように言われた。名前や、住所、Social security number, 保険会社の名前を書き入れる欄や、その他質問がずらずらと並んでいて、それに対して答える欄があった。難しい単語が並んでいて、辞書を持ってくれば良かったと思った。 私のかかりつけの歯医者は、インド人女性だった。会うまでは、女であるとか、インド人であるとかは、まったくわからなかった。名前だけでは、私には判断できないのだ。治療では、詰め物をしてくれて、意外にあっさり終わった。ただ、困ったのは、彼女の言っていることが、分からないことである。治療の方針を言っていたのだが、それが何を意味するのかわからないのだ。”ルートキャノン????”(実際にはroot canal)とか、ほかにも、よくわからないことを言っていた。わかったことは、”また来い”ということだった。詰め物は終わったのだし、治療は終了したと思っていた私には腑に落ちなかった。 そのときは、歯医者には何も支払わずに済んだ。保険で全額カバーである。すばらしい!! 以上が、その後長期にわたる歯医者通いの始まりである。
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