歯医者に行く(5)一般病院での血液検査も終わり、ようやく歯医者での診療の再開である。病院に行った際、医学用語を知っておいたほうが便利であると実感したので、歯医者に行く前に、歯医者の用語が載っているウェブサイトをチェックして、用語の勉強をしておいた。さらには、プリントアウトして、歯医者に持っていった。診療の時に、プリントアウトしたものを歯医者に見せて、「これを今勉強してます。」というと、歯医者は感心したようだ。この用語を勉強したおかげで、歯医者の言っていることがかなり理解できるようになった。 四回にわたった歯石取りも終わり、次は何をするのかなあと思っていたら、日本で治療した歯の再治療をはじめた。私が歯医者を最初に訪れたのは、詰め物が取れたから、詰めなおして欲しかっただけなのである。それなのに、ずるずると治療が延びていった。まあ、これらの治療は、保険で完全にカバーされたので、”まあいいか”と言う感じであった。 これらの治療が、私が日本で受けた治療と違う点は、かならず麻酔を使うことである。ただの詰め物をするだけのに歯医者は麻酔を使った。おかげで、ひとつ単語を覚えた。numbである。しびれたとか、感覚を失ったとか言う意味である。毎回の治療後、2・3時間は唇がnumbした。そのため話したり、食べたりするのに苦労した。 あるとき、治療中に歯医者がなにやら言い出した。「親知らず(wisdom teeth)に細菌が感染して、痛むこともあるでしょう?抜いたほうがいいわね。レフェラル書いてあげるからね」。”レフェラル???”。なんのことやら、わからなかったが、「OK」と言っておいた。 治療が終わった後、「この病院に今週中に予約を入れて、親知らず抜いてきなさいね。」と歯医者が言い出した。「えっ!!ここでは、親知らず抜けないんですか?」と私は驚いて言った。「そうなのよ。設備が無いのよ」。歯医者が答える。「そのドクターには、私も前に診てもらったことがあるけど、いい人よ。」と、日本でいう歯科衛生士と思われる女性も、会話に加わる。ここに来てようやく、私は”レフェラル”の意味を理解した。おそらく、refer(照会する)の名詞系だろう。照会状という意味になるはずだ。 この歯医者には、血液検査のために、まず一般病院にまわされ、次は、親知らずを抜くために、ほかの歯医者にまわされてしまうのであった。 つぎは、親知らずを抜く話である。
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