アルト
私が初めて合唱というものに触れたのは小学校の4年生のことだったよ。
毎年夏に行われるNHKの合唱コンクールの東京都大会に私の学校が出るので
合唱隊を募ったのね。当時とても目立ちたがり屋であった私はただ何かに
出て目立ちたいという理由だけでその合唱隊に参加したわけだ。
そして合唱コンクールに向けての初めての練習で当然のごとくパートを
分けたのね。私は目立ちたがり故、メロディーの多いソプラノをどうしても
歌いたくてしょうがなかったし、私は絶対にソプラノだというよくわからない
自信まであったのね。先生が一人ずつ声を見ていって、いよいよ私の番だ。
そして歌い終わった時、先生はピアノのそばにある名簿の私の名前の横に"A"と
書いたのよ。「"A"って何?まさか"アルト"の"A"ってことか!?私は絶対
ソプラノが歌いたいんだー!!アルトなんて嫌だー!!」とその日からパート分けが
発表されるまでずっと思っていたのだよ。そうこうしている間に2度目の練習が
やってきたのね。そこでパートが発表されたのだけれど、私は予想通りアルトだった。
あの時の落ち込みと先生に対しての怒り(私をアルトにさせたので)といったら
今でも覚えているくらいなのだから相当なものだったのだろうね。
それでもとにかくアルトの音をとって、練習を重ねて・・・。いつの間にかアルトが好きに
なっていたのね。やっぱりずっと歌っていると愛着が湧くのだよね。
アルトってハミングばかりだとか、何小節も同じ音だったりだとか、盛り上がるところなのに
下降音型だったりだとか、曲の最後なのに終わった感じがしないとか、単独で歌うと
よくわからないのだけれど、だからこそ合わせてきれいにハモった時にものすごく気持ちが
いいのだよ。そこがアルトの魅力だね。そんなアルトの魅力に引き込まれ、私はそれから
6年生までずっと合唱コンクールに出てアルトを歌い、高校でコーラス部に入ってもアルトを
歌い、今に至るわけだ。
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