カラオケ

 
たとえバイトのしすぎで声が枯れていようとも、
何か悲しいことがあろうとも、看板を見ると行きたくなってしまうところ、
それがカラオケなんだよね。
私のカラオケ好きは高校に入ってから開花したんだけど、
その高校時代には、定期テストが終わった後はもちろんのこと、
午前授業の日はいつでも、途中駅の小岩でおりてカラオケに
いそしんでいたことよ。
カラオケの良いところといえば、まず大きい声が出せるってとこに
あると思うんだよ。普通に家の中で歌うことはあっても
あんなに大きい声はだせないでしょう、家の中では。
そして、歌っていて自分の世界に浸れるってのもカラオケの醍醐味だよね。
つまりは現実から抜け出せるってことだ。1時間180円ぐらいで
現実から離れた一時を過ごせるときたら、これはすごいよね。
さっきも書いたように、私は高校時代に頻繁にカラオケに行っていたんだけど
高3になってカラオケを絶とうと思ったのね。当時、私は早稲田大学に
どうしても行きたくて一番好きなものを絶てば早稲田に受かるかなぁと
思って必死に我慢していたのね。とはいっても結局欲に負けて
何回か行ってしまったのだけど。受験が終わってカラオケで思う存分
歌うという夢を見るまでに至り、私の我慢も極限に近づいてきた時、ちょうど
早稲田の合格発表だったのよ。結果はだめで、私はあれほど落ち込んだ
ことはないよ、今まで。それぐらい落ち込んで人生のどん底を経験したんだ。
普段ならどんなに嫌なことがあっても一日経てば忘れてしまう私だけど、
そのショックは2日、3日経っても治らないんだよ。ほんとに気力がなくなって
しまっていてさぁ、このまま私はひきこもってしまうのかとも考えたよ。
そんな時、友達からメールが来たのね。「明日さぁ、カラオケ行くって
約束だったよね。何時にしようか?」
落ちたショックですっかり忘れていたのだけど、まだ早稲田の合格発表の前に
早々と私は友達とカラオケに行く約束をしてしまっていたんだよ。しかも
その日が早稲田の発表の4日後ぐらいで、「はぁ?こんなに人生のどん底だっていうのに
カラオケなんて行く気も起こらないよ、全く」とか思ったけれど、
そんなことは言えず、半ば嫌々カラオケに行ったのね。
大声で歌って、自分の世界に浸って・・・そうしているうちに私はだんだんと
落ちたショックから立ち直ってきたのね。歌い終わってカラオケを出た時には
すっきりとした気持ちになっていたんだよ。
もしあの時、友達の誘いを断ってカラオケに行かなかったら私はひきこもって
いたのかもと思うと、カラオケというのはなんて素晴らしい効用があることか!!
それから私はカラオケの看板を見るとつい行きたくなってしまうんだよね。
でも、風邪の治りかけにカラオケに行って声が出なくなってしまったという
ほろ苦い思い出もあるけど、それよりも悲しみを癒してくれるほうが
強いからいつでもカラオケに行くと「目が輝いている」と言われてしまうのだろうね。


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