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牡牛座での、大きな見ものは3つあります。 第1番目は、牡牛の顔の部分 に群がるヒアデス星団です。赤い一等星アルデバランを含む明るい星がV字形 に並んだ姿は、肉眼でもはっきり認められますが、双眼鏡なら、視野いっぱい に100個以上の星が群がってじつに壮観です。 この散開星団がこんなに見え るのは、散開星団の仲間のうちでは私たちに1番近く、わずか130光年のと ころにあるからです。 ただし、この星団の中にある赤い一等星アルデバランは 、そのさらに半分の距離しかない60光年のところにあります。 だから、偶然星 団と重なって見えているだけで、ヒアデス星団とは無関係の星です。 牡牛座で の2番目の見ものは、牡牛の肩先で輝くプレアデス星団です。6〜7個の星が ひとかたまりになって淡くめいめつ明滅する姿は、ヒアデス星団よりよく目がと まるほどで、日本でも「スバル」とよばれて古くから親しまれていました。 清少納言が枕草子の中の星の項の第1番に書かれているのがスバルです。 「星はすばる・ひこぼし・ゆふづつ(宵の明星)・よばひ(流星)と書 かれこの星団の美しさをたたえているほどです。和名では、スバルのほかに、 目をこらすと6個ばかりの明るい星が数えられるところから「むつらぼし六連星」 などといわれていまが、目のよい人の中には10個以上数えられるという人もい ますから、新月の夜、どれくらい見えるか試すと面白いかもしれません。もちろ ん、双眼鏡なら一気に100個近い星を、見ることができます。 牡牛座の3番目の見ものは、角の先、ゼータ星のすぐそばにあるカニ星雲M1 です。 肉眼では残念ながら見ることができません。 小さな望遠鏡なら、トランプ のダイヤのような、佐渡が島のような形をした淡い星雲のこうぼうを見つけること ができます。 これは今から940年以上も昔の1054年にあらわれた超新星の 名残りの姿です。 この星雲の中心には、直径10キロメートルぐらいしかないの に、質量は普通の恒星なみという、なにもかもが、ぎゅうぎゅうづめで、さらにおし つぶされた化け物じみた中性子星パルサーがあります。この星雲は最近、星の 進化論やブラックホールの話題と関連してよく取り上げられます。カニ星雲という 名は爆発して星雲のいくつもの突起が大望遠鏡で見るとカニの足のように見えた ところからイギリスのロス伯が名づけたニックネームです。 |