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燃えよドラゴン

ヒーローとは人を強烈にひきつけながら、本人は空っぽであるという状態をいうと思う。その虚無に人々は自分を託すのだ。
リーの完成された肉体、技、人生哲学、そのどれをとっても非の打ち所がないのだが、それゆえわれわれは彼という人間を見失ってしまう。
このソフトには特別編としてリーのドキュメンタリーが収録されている。ここでも彼の武道に対する哲学、あるいはふだんのリーが披露されるが、やはりボクには彼が何者であるかがつかめない。映画のなかでカンフーで暴れ回っている彼がわかりやすいくらいだ。知れば知るほど、謎が深まっていく人間、それがブルース・リーだ。
とにかく、この不滅の傑作、燃えよドラゴンをみよ!一瞬でもリーの一部分を知ることができるだろう。

 

ウォシャウスキー兄弟 キアヌ・リーブス
ローレンス・フィッシュバーン
キャリー=アン・モス

1999

THE MATRIX

こういう映画は熱いうちにみておこう。
この映画で使われている斬新な映像表現もそのうちテレビが過剰に盗用するようになり、陳腐なもの感じるようになってしまう。そうなってからでは遅い。
それにしてもキアヌのかっこよさとモスの美しさは特筆ものだ。特にキアヌなんてもしかしてCG処理しているじゃないかと思うほど、身体が締まっている。
ストーリーは入り組んでいてわかりにくいところもあるが、クールなセリフの数々は堪能できる。へたに日本語にしない方がいいと思うなあ。とりあえず、非現実感、救世主待望、陳腐な人間ドラマと現代人が求めるものはすべておさえたうえで、映画特有のカタルシスをあじあわせてくれる。
サラウンド効果も現在発売されているDVDのなかではトップクラスだし、おまけもなかなかのもの(モスとサウンドプロデューサーのお話が映像とともにながれる)。
DVDの特別版にはメイキングが入っているらしいが、そこにはひげ面でジャージ姿のキアヌがうつっているそうだ。キアヌのそういうところ、スキ。NGだして、ごめんってやってるところもかわいいらしい。
まあ、このワーナーの気合いの入りようからしてももっとも売れるDVDソフトとなることでしょう。

 

 

 

POLA-X

レオス・カラックス ギヨーム・ドパルデュー
カテリーナ・ゴルベワ
カトリーヌ・ドヌーヴ
 

1999
レオス・カラックス、8年ぶりの映画です。

有名な外交官であった亡き父と、美貌、名誉、財産のすべてを手にした母マリーとのあいだに生まれたピエール・ヴァロンブルーズ。
森に囲まれたノルマンディのヴァルトヴィルの瀟洒な城での暮らし。姉さんと呼べる母と、ブロンドに碧眼、頬のふっくらした婚約者リシューを持ち、目もくらむほどまばゆい光のなかで生活するピエール。そんな彼もまた、すべてを手にしているかのように見えた。

ピエールはアラジンという名で処女小説『光の中で』を発表し、作家のミステリアス性とともに話題を呼んでいた。だが彼は、次回作に取り組みながら「何か」を探していた。そうして、彼がそう望んだときから、運命は狂いはじめる。

探し求めていた「何か」はイザベルだった。姉と名乗ったその女の存在。ピエールは彼女の語った「真実」を信じた。彼はイザベルを連れて新しい生活をはじめる決意をした。

ピエールに家をでていかれ、精神の衰弱をみせるマリーとリシュー。やがて母は死を選び、婚約者はピエールのもとに走った。イザベルにはリシューを従姉妹だと紹介し、リシューにはなにも告げない。そして彼は2人の女性に挟まれた生活を送ることになった。
しかし、イザベルが「自分がピエールの幸せを邪魔している」と、セーヌ河に身を投げたことがキッカケで、嘘がばれる。入院していた病院にピエールの従兄弟でヴァロンブルーズ家のもうひとりの最後の末裔ティボーが訪れたことによって、イザベルはリシューがピエールの婚約者であることを知るのだ。
真実が隠されていたことに絶望するイザベルと真実を見失うピエール。
やっとのことで書きあげた新しい小説も、模倣の産物として酷評されただけだった。そんなとき、ピエールは「ひとりで来い」というティボーからの手紙を受け取る。イザベルが止めるのもきかず、拳銃を両手にティボーのもとに向かった。

 狂気に満ちたピエール。追いかけるイザベルとリシュー。人だかりをかきわけてふたりがピエールのもとに辿り着いたとき、彼はすでに銃弾を放ったあとだった。

この映画は、本年度のカンヌ国際映画祭に正式出品され、賛否両論を呼び起こしたそうですが、観たあとになればそれも充分うなづけます。おそらく、観た人の分だけ解釈の数があるというのではなく、これを観たひとりの人のなかでさえ、幾通りもの解釈がなされる、そんな映画なのではと感じました。
さらに長い時間を経て、また観たいものです。

 

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