戦争体制作りにNO!の声を

 日米共同軍事演習に抗議の声

陸上自衛隊伊丹駐屯地にて行われた日米共同指揮所演習(一月二〇日より一〇日間)に反対する、「STOP!ヤマサクラ37戦争準備はやめろ1・23大集会」(「ストップ!ヤマサクラ37ネットワーク」と兵庫県内の団体による共催)が、一月二三日同駐屯地にほど近い昆陽池公園で開催された。当日は雨が降り続くという悪天候にも関わらず、約三〇〇〇人にも及ぶ労働者・市民・学生が演習の中止を求めて集まった。集会後には、陸自伊丹駐屯地と同千僧駐屯地までデモ行進を行い、人が手をつないで囲む「ヒューマンチェーン」で両駐屯地を取り囲んだ。

着々と進められる戦争準備
 日米共同指揮所演習ヤマサクラ37には、在日米軍と米本土部隊合わせる米兵一〇〇〇名、二府一九県に及ぶ中部方面隊(総監部は伊丹)を中心とした自衛隊二二〇〇名が参加した。この演習では、コンピューターと地図を使い、様々な戦争状況を仮定し「前線」への指揮をいかに取るのかが訓練された。日頃行っている実戦演習を補完するもの、つまり実戦体制を万端に整えるものとしてヤマサクラは存在するのである。
 昨年、五月に成立した周辺事態法は、米軍に対する支援を名目として、自衛隊を世界中どこにでも派兵していくことを認めたものであった。日本政府が「わが国に重大な影響を及ぼす」と判断した場合には、いつでも戦争を遂行できることを名言しているのである。
 それならば、こうした判断=決定を誰がどのような手続きで為すのかといえば、それは国会の承認さえ必要とされていないのである。周辺事態法は、日本の野放図な軍事行動を認めるものなのである。
 
ヤマサクラ37はその法のもとで具体的な軍事行動を遂行するための演習として行われたのだ。

 人々の戦争動員
 こうした演習は私たちにとっても、身近な問題として存在する。
 周辺事態法は、補給・輸送・整備・医療・警備・通信といった軍事活動において、「平時」から自治体・民間を問わず「協力を要請」するための法体系を持つ。「協力を要請」するといっても、自治体が拒否すれば違法とされる。政府が昨年七月に出した、自治体の軍事協力に関する解説書によれば、自治体は「施設の能力を超える」といった場合にのみ「協力要請」を拒否できるとしている。ようするに、物理的な困難を除いては戦争への協力は「義務」として強制されるのだ。同法の成立後には政府内において、戦争協力を拒否した個人への罰則規定をも制定すべきだ、といったことまでが声高に語られていた。
 以上のことから導かれるものは、ヒト・モノ・カネのあらゆるものを、最優先に戦争へ総動員する挙国体制である。
 戦争体制は、私たちの生活を破壊しながら作られてきているのだ。

銃口は誰に向けられるのか
 日本はアジアへの侵略戦争に敗戦した後、無反省にもふたたび軍事強化の道を歩んできている。
 一九九一年に、国連の名のもとに自衛隊の海外派兵を合法化するPKO法の制定以降、いまや日本政府の判断でいつでも、全世界のどこでも自衛隊の派兵を行える体制を作り上げてきている。
 PKO法制定時には「国際貢献」という聞こえの良い言葉を一面的に取り上げて用い、周辺事態法制定時には恣意的な過大報道を通じて、朝鮮民主主義人民共和国の「脅威」をねつ造し、大義名分とした。
 それでは、その真意はどこにあるのであろうか。
 日米両国はアジア・アフリカ・ラテンアメリカ(A.A.LA)諸国において、莫大な権益をもつ。そこにおいての人々への搾取・抑圧、資源の強奪などで自らの経済基盤を築いているのである。
 このことに対して、A.A.LA諸国の民衆からは「日本による再びの侵略である」など、強い抗議の声が挙がりつづけている。しかし日本はこの声に対して、「銃弾でもって」応えているのだ。
 日米をはじめとした先進資本主義国が新世界秩序の維持、グローバリゼーション(世界経済の一体化)といいなし、自らの権益を守り、さらに拡大していくことを背景として軍事強化はある。日米をはじめとした先進資本主義国は、自らが敷く支配を力でもって維持しようとしているのだ。
 またこのことは、戦前・戦後を通じて日本政府により差別的政策を受け続け、今なお基地の重圧を受け続けている沖縄の人々の「戦争のための基地はいらない」との声をも真っ向から蹂躙するものに他ならない。

学生としていかに向き合うのか
 話は変わるが、冒頭で述べた集会が行われていたころ、大阪市の出資のもと財団法人が運営する「ピースおおさか」大阪国際平和センター(大阪市中央区)において、歴史を改竄し、南京大虐殺の存在を抹消しようと目論む集会「二十世紀最大の嘘(うそ)・南京大虐殺の徹底検証」(戦争資料の偏向展示を正す会の主催)が開催された。このには以前より中国民衆、在日中国人より中止を求める声が挙がっていた。当日も中国人留学生(関西の一六大学、約一〇〇人)や在日中国人をはじめとする約二〇〇人が抗議に集まった。
 侵略戦争を賛美する動きが強まっているのだ。これは、日本が侵略戦争へ突き進む動きを強力に後押しするものである。日本に再び軍靴が鳴り響き、アジア諸国の人々を蹂躙する道筋がいまはっきりと、作られようとしているのだ。
 
世界のどの歴史をみてもその国のあり方を変える最先頭に立ってきたのは学生などの若者である。いまあらためて、私たち学生が自らの生活する場で、戦争につき進む動きをいかに止められるのかが問われているといえよう。