数年前に比べると、「パソコン」というものが大変「身近な」ものになってきています。私が小学生の頃は、パソコンを持っているのはどこかの企業に勤めているおっちゃんか、近所のゲーム好きのお兄ちゃん、お姉ちゃんぐらいのもので、形の違いを別にして「ファミコン」と何が違うのさえ分かりませんでした。
 それがここ数年、「これからは情報化社会である」といった掛け声のもとパソコンに関する情報が周りに溢れています。関大でも「情報処理教育」の充実を呼びかける産業界・文部省に従う形で、総合情報学部の開設されましたし、各学部の様々な授業ではレポート作成−提出、表計算、インターネットなどパソコンを使うものが大変増やされてきています(産業界・文部省と一体となり、学生が「大学で何をするのか」ということを考える間も「与えず」、「良き」産業人として育てあげていく大学当局の姿勢を、改めて認識させられます)。
 しかし、私たちはこうした「情報化」の裏側で今推し進められている現実について、あまりにも疎いのではないでしょうか。
 例えば、昨年の第一四五国会においては、電話、そしてインターネット等を通じて交わされる人々の情報の盗聴を「合法化」する、いわゆる「盗聴法」が人々の大きな反対をよそに、実質的審議もなされぬまま強行可決されました。また、「国民」に背番号をうち、人々の個人情報を国家が一括管理する「国民総背番号制」と呼ばれるシステムの導入をなすための「住民基本台帳法」の一部「改正」もなされてました。
 一方、私たちの「身近な」ことでいえば、大学で最近頻繁に使われる、ネットワーク上の個人情報をいかに保護するのかは、未だに明らかとなっていません。そのような中で、総合情報学部に於いては、ネットワーク使用のためのパスワードを指紋にするFPシステムが、学生の意を仰がずして突如として導入されました。先述の日本政府の動きとの関係で、大学は学生のプライバシーをいかに保護するというのでしょう。 
 私たちはこの講演会を、「情報化」と表裏一体の形で進められている、国家による人々への管理がどのような社会背景のもとに進められているのかについて、そして、それにどのように対抗していくのかについて、私たちの生活に引きつける形で、みなさんとともに考える機会にしていきたいと考えています。ぜひ、ご参加を!