リード
総合情報学部において、指紋を採取−電子記号化して個人のパスワードとするFP(フィンガープリント)システムが、学部当局により導入された。後期開始とともに突然導入されたシステムに多くの総合情報学部生がとまどいを隠せずにいる。
現在、総合情報学部には8百数十台のパソコンが存在する。今回、その内約2百数十台にFPシステムが導入される。これに際し、システム端末と、ネットワークサーバー機能拡充のため、数百万円もの支出がなされたとみられる。
学部当局はハッキング対策をFPシステム導入の目的として述べている。
しかし、学生の身体情報の採取−管理を行うシステムにも関わらず、学生には何ら意思を仰がずに「お知らせ」という形でその導入を図ったことは大きな問題である。
また、FPシステムの導入は、次のようなことより重大な危険をはらんでいる。このシステムは、個々の端末でのハッキング防止策としては一定の効果が見られるが、そもそも、現在のネットワークサーバーの管理者−大学当局が学生の作成・送受信する情報の保護をどのように保証するのかが明示されていない(このことは、FPシステムを導入していない千里山キャンパスのネットワークにも当てはまることではあるが)。
よって、例えば、サーバーの管理者に対して上司や教員から情報提供がも止められた場合。それから、彼を通じてあるいは直接に、企業、さらには警察などの外部組織により情報提供・捜査協力が「要請」された場合に、学生の同意無くして個人情報を提供するといったことが起こる可能性がある。こうした情況にも関わらず、学生の身体情報の提示を大学が求めることは、ハッキング対策とはいえ、首を傾げざるを得ない。
今回の問題からは、情報処理教育の奨励という文部省の方針に従い、ソフト面そっちのけで、ハード面のみの拡充を行ってきた大学当局の杜撰さが見て取れる。
最後に、ある情報学部生の切実なコメントを付け加えておく。「今回のシステムの導入が如何ほどの効果があるのかは分からないが、それよりもまず、キャンパスへのアクセスの問題や、基本的なキャンパス内の生活環境ををどうにかして欲しい・・・」。