私たちの身の回りには娯楽がたくさんあります。その中で大変古くから人々に親しまれてきたものとして映画があります。受験生の皆さんの中にも受験勉強の息抜きに映画館に足を運ばれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、みなさんがよく行くような娯楽性を追求したハリウッド映画を上映している映画館とは一味違ったミニシアター「シネ・ヌーヴォ」を紹介します。

 シネ・ヌーヴォは大阪市西区九条にあります。難波や梅田にある訳ではないので、より多くの人に来てもらうために「吸引力」のある運営を心懸けているそうです。
 人を引き寄せるその「吸引力」はまず独特な内装にあります。劇団維新派による手作りの内装は「海底」がコンセプトで、天井には水泡をイメージしたアンティークがあり、海中から光が反射する海面を見上げたような模様が描かれています。そんな館内はどこか懐かしく落ち着いた雰囲気を醸し出しています。「館内の手作り感がいい」と言われるお客さんもおられました。
 次にその「吸引力」とは上映作品です。芸術的価値の高い映画から社会派シネマやロシアアニメ、自主映画まで幅広く様々な作品が上映されています。また様々なテーマの映画祭も盛んに行われています。昨年十二月には南北首脳会談やオリンピックの南北同時行進など二〇〇〇年に大きな動きがあった朝鮮半島にちなみ「コリア映画祭」が行われ、マスコミにも取り上げられました。
 加えてシネ・ヌーヴォでは映画を上映するだけでなく、著名な映画人を招いた「CINEMA塾」なども開催され、好評を博しています。
 シネ・ヌーヴォ支配人の景山さんは八四年から一五年間『映画新聞』を発行なさっていました。それは当時、マイナーな映画を紹介する場が少なかったためでした。九〇年代に入るとマイナーな映画もいろんな雑誌で取り上げられるようになってきたのですがしかし、そうした映画を上映する映画館は依然として多くありませんでした。そこで景山さんは「自分たちの手で、本当に観たいと思う映画をいい環境で観れるように」という映画ファンのもとにシネ・ヌーヴォができたそうです。
 取材にあたって景山さんから関大生へメッセージを頂きました。
 「僕らの学生時代とは違って今の学生は社会と触れ合う機会が少なくて残念です。大学に閉じこもって、学生だけの世界を作ってしまっているように思います。学生のみなさんには、もっといろんな事を知って自分の視野を広げてほしい。僕らはその材料として様々な映画を提供したい。たくさんの人に映画を通じて社会の広さ、深さ、多様さを感じて欲しいですね。」 
 受験生のみなさんも普段観ているハリウッド映画とはまた違う映画を観にシネ・ヌーヴォに行って見てはいかがですか。