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今回の大きな目玉でもあった訪問診療、僻地医療。
本で得ていた知識との隔たり最も感じた実習だった。
左写真の車(別名:しゃとるカー 内輪ネタですいません)
でどんな地区でも進む進む。津川病院のカバーする範囲
は結構広い。山を数個越えるなんてなんのその。
福島県境までも行くこともあるそうだ。


      

       病院の公用車
                  

一日目に老々介護をしているお宅にお邪魔させてもらった。
患者さんは81歳のおばあさんで糖尿病による腎障害を合併して、自宅
寝たきりだった。介護は86歳の旦那さんがやっていた。
特に糖尿病の患者さんは食事の調整が大変なので朝・昼とヘルパーさ
んがきておかずを作ってくれている。あとは血糖値測定、インスリン注射
身の回りの世話を旦那さんが担当する。旦那さんに高齢だけど一人で
介護するのは大変ではないか伺ったところ、
「そりゃ体力的には病院にいてくれたほうが楽です。ただ家内の顔を見
ると、病院にいるよりここにいるほうが表情がいいんですよ。私もこれま
でずっと世話になりっぱなしでしたから、今度は私が世話する番です
よ。」とのこと。なんだかぐっときた。     

                                                                  ある訪問診療先で
                                                                   まだ雪がある!

二日目、訪問診療ではほとんどが寝たきりの患者さんだった。
そのため床ずれをわずらってる患者さんも多い。傷の痛々しさは去ることながら、傷がひとつ増えて
しまった時の介護者の罪悪感は相当なものだと知った。身の回りの世話から、数時間おきの体位
変換を毎日休むことなくするのはものすごく大変なはずなのに、心理的充足感が得られることはほ
とんどないかもしれない。この点に関してもケアが必要とのこと。ケアといっても難しいが
「じいちゃんの傷がまたひとつ増えちゃったよ。じいちゃんに悪いことしたなぁ」
と申し訳なさそうにいう家族の言葉に
「いやもう十分頑張っているよ」
と看護師さんのさりげない言葉。自分はこんな言葉思いもつかなかった。
このあとの家族の柔らかくなった表情は忘れられない。