田川市及びその周辺地域の降下煤塵の測定
降下煤塵とは大気中の汚染物質のうち、その汚染物質自身の重量、もしくは雨中に含まれて沈降する煤煙、粉塵、その他の不純物質のことを言います。その採取測定法としては一般にデポジットゲージやダストジャーなどの粉塵計が主として用いられています。
福岡県の北東部に位置する田川市は現在、多数の石灰工場やセメント工場、採石場が多数存在しており、主要幹線道路では工場への搬入出に使われるトラックなどの大型車が多数通行しています。そのため、田川市ではそれらの工場や車輌などから生ずる降下煤塵などが土壌や河川を汚染することが考えられます。
この研究ではデポジットゲージ法、ダストジャー法を用いて田川市及びその周辺地域における降下煤塵を測定することにより、その汚染状況を毎年、調べています。
田川市及びその周辺地域の重金属測定
この研究は「田川市及びその周辺地域の降下煤塵の測定」で用いた降下煤塵の主成分や重金属を分析し、地域に与える影響について検討する研究です。
ICP発光分析装置などを用い、シリカ、酸化第二鉄、アルミナ、硫酸イオン、カルシウム、マグネシウムの量を分析しています。
酸性雨の分析
現在、国際的な問題として取り上げられている酸性雨は、石炭・石油などの化石燃料に含まれ、その燃焼によって大気中に排出される硫黄酸化物(SOX)や高音・高圧下での化石燃料の燃焼に伴って、空気中の窒素が酸化されて発生する窒素酸化物(NOX)などが、大気中、または雨滴中で酸化され、硫黄または硝酸となって雨を酸化させたものである。
この研究では本学周辺における酸性雨の性状を把握するために、工学部棟屋上に設置した常時開放型採雨装置により雨水を採取し、pH及び雨水中の含有元素成分を分析し、検討する研究です。
学内排水分析
本学には工学部棟を始め、化学実験室や物理実験室、芸術学部棟などがあります。それらの実験施設から流れ出る排水は少なからず地域を汚染してしまう恐れが懸念されます。
この研究では学内を流れる排水を毎月1度採取し、汚染状況を分析して、環境基準と比較しながら検討しています。
測定項目としては、DO(溶存酸素量)、BOD(生物化学的酸素消費量)、COD(化学酸素消費量)、SS(浮遊物質)、DS(溶存性蒸発残留物)、TS(全蒸発残留物質)、pH(水素イオン濃度)などが挙げられます。
廃水中におけるホウ素の処理及び回収
ホウ素という物質は以前より安全な物質としてメッキ工業など多くの目的で使用されて来ましたが、近年、その危険性が指摘され2001年には環境基準値が設けられました。しかし、ホウ素の具体的な処理法は確立していないため、各企業ではホウ素の処理に困惑しています。
この研究では、工業廃液などに含まれたホウ素を硫酸を使用して回収し、それに伴って生じたホウ酸を電気分解することによってホウ素・硫酸として再利用させるためのシステムについて検討しています。
実験室内における有害ガスの測定
化学実験室では学生実験などが行われており、多くの学生が出入りしています。実験では様々な薬品を使用しているため、様々な物質が実験室中に分散していることが考えられます。その中にはトルエンやキシレンなどの有害物質が含まれ、人体を害することが懸念されます。
この研究は実験室内から数カ所空気を採取し、主としてガスクロマトグラフィーにて成分を分析し、基準レベルと比較することによって室内汚染の状況を調査、検討する研究です。
煙火における笛薬の研究
笛薬というのは、煙火花火において笛音を発生させるための火薬です。現在では、芳香族化合物と過塩素酸カリウムの混合物が笛薬として用いられています。しかし、その選択に関しての一般的法則は確立しておらず、発音機構においても不明な点が多くあります。
この研究では、笛薬について熱分析や発音測定などを行い、その結果より化学反応と笛音発生の関連について研究しています。
発音体の研究
現在、煙火工業では花火の発音剤として鉛丹とマグネシウムとアルミニウムの合金であるマグナリウムを混合した物が用いられています。しかし、鉛は環境的に好ましくないために今後の使用禁止が予測されています。
この研究は鉛酸化物の代替品として二酸化マンガン、三酸化モリブデンなどを用いて発音状況を調査し、発音体の代替品としての効果を検討する研究です。
ADCAの熱挙動(発生ガス中のアンモニア成分について)
ADCA(アゾジカルボンアミド)は発泡剤の原料として用いられています。しかし、ADCAの熱分解時に発生するアンモニアは人体に有害なので、そのアンモニア発生を抑制する必要があります。
この研究ではADCA熱分解時のアンモニア発生を抑制するために、過酸化カルシウム、過マンガン酸カリウム、過ホウ酸ナトリウムなどを添加し、アンモニアを水と窒素とに分解することを検討しています。
ADCAの熱挙動(発生ガスについて)
現在、ADCA(アゾジカルボンアミド)1gを熱分解すると、約230mlの発生ガスを得ることができます。発泡剤の原料など、工業的に多く用いられているADCAはその分解効率をあげることによって、企業において更なる利益を望むことができます。
この研究ではADCA1g当たり、約320mlの発生ガスを得ることを目標に、試料純度の向上や添加物による熱伝導率の上昇などを検討しています。