電場応答性高分子ゲルの電界下応答とその応用
はじめに
高分子ゲルは生体のような複雑な機能を発揮する高度な機能性材料としての可能性を持っている。近年、高分子ゲルは日用品として芳香剤、保冷剤、衛生用品など多岐に渡り応用されている。また、膨潤性、高吸収性、保水性、生物化学的適合性等といった付加価値を持つ機能性新素材として注目され様々な分野での応用、研究がなされている。
1.ゲルの電界下における変化
ゲルの形状の変化は、ゲル中のイオンが電界の影響をうけることによって引き起こされる。ゲル内のイオンが移動するため、イオン濃度に基づく浸透圧の値が変動する。その結果、熱力学的に安定な新しい平衡状態になるため、膨潤または収縮が起こる。しかし、屈曲の機構については電解質濃度の効果など、未だ不明な点が残る。
2.PVA−PAA高分子ゲルの動作の確認
電解液中にて電圧を印加することによりPVA-PAA高分子ゲルは図.1のように変化する。
ゲルは陽極に近い方の面が膨潤し、陰極に近い方の面が収縮するため、図.1の示すように屈曲すると思われる。
3.電場応答性高分子ゲルの応用
これまで、PVA-PAA高分子ゲルの動作を流量制御の機構への応用を試みてきた。円盤状ゲルをバルブとして応用した流量制御機構、また短冊状ゲルを用いた場合について実験、測定をしてきた。ゲルを電界により制御した場合の効果はそれぞれ見られたがその効果はあまり大きくない。
現在、より効果的にまた実用的なゲルの応用を考え、電極板の設置方法を変えた場合によるゲルの変化を観察した。その配置の様子を図.2に示す。図.2に示すように、電極板の配置を変えた場合でもゲルの動作は確認された。
この結果より、ゲルの片面方向でのみ電界の制御を行う事によってもゲルを動作させる事ができ、そしてこの事を利用してパイプ状ゲルを用いた流量制御機構に応用することによりその効果や実用性が大きくなると考え、その実験をおこなっている。
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